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さよなら大丸本館。大丸心斎橋店本館建替え計画の状況 17.01

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J・フロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店は10月30日付のニュースリリースで、老朽化が進んでいる大丸心斎橋店の本館の建て替え計画概要を発表しました。新たに誕生する本館は、高さ約60m、地下3階・地上11階建てで、売場面積は現在の3.1万㎡から約4.0万㎡に約1.3倍に増床されます。さらに新本館と・北館は、大宝寺通りの上空で接続し、売場が一体化されます。開業は新本館が2019年秋、新本館と接続する新北館は2021年春をそれぞれ予定する。大丸心斎橋店の大幅刷新により顧客の取り込みや、訪日外国人客の増加に応じる計画です。心斎橋のランドマークとして、圧倒的な存在感を放つその外観については、御堂筋側の外壁を保存するとともに、新築される高層部はセットバックさせ、保存外壁と景観的調和が図られます




◆スケジュール(予定)
2016年 2月 解体着工
2017年 1月 本館新築工事着工
2019年 秋 新本館開業、本館・北館接続工事着工
2021年 春 本館・北館接続工事完了、新北館開業





【出典元】
大丸心斎橋店本館建替え計画の概要に関するお知らせ(PDF)
大丸心斎橋店本館建替え計画に関する保存検討委員会の検討結果について
 



【過去記事】
さよなら大丸本館。大丸心斎橋店本館建替え計画の状況 16.07
大丸心斎橋店本館建替え計画の概要が明らかに!御堂筋側の外壁を保存し北館と一体化











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内装については、今後、既存内装の調査を行い、再活用できる部材を抽出し1階を中心として店舗内装環境において活用する計画となっています。ここはダイビル本館の様なレベルの高いリノベーションを期待したい所ですね。

また、百貨店事業者側としては、北館と道路上で一体化される事が今回の建て替え事業の最大のポイントとなります。別棟での売場展開と同じ床で繋がった売場では、見せ方や効率など、使い勝手や顧客に与えるインパクト、客動線の良し悪しに雲泥の差が生まれるからです。旧そごうの新本店として建設された北館は、RC、S造、地下2階 / 地上14階、延べ床面積約58,400㎡の規模があります。この延床5万㎡にはバックルームも含まているので、売り場面積はおそらく5万㎡弱といった所でしょうか?これに新・本館の「売場面積」約40,000㎡が加わる事で、合計8万㎡強の一体的な売り場面積を誇る百貨店に生まれ変わる事になります。











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【スペック】
名称:大丸心斎橋店本館建替計画
所在地大阪市中央区心斎橋1丁目1番ほか20筆(住居表示:大阪市中央区心斎橋1丁目1-7-1)
階数:地上11階、塔屋3階、地下2階
高さ:59.97m(申請以外82.5m※北館)
構造鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造
杭・基礎
主用途:百貨店
総戸数:——
敷地面積:10,755.72㎡※全体
建築面積:5,530.00㎡(申請以外4,190.15㎡※北館)全体:9,720.15㎡
延床面積:66,122.79㎡(申請以外58,477.47㎡※北館)全体:124,600.26㎡
建築主大丸松坂屋百貨店
設計者竹中工務店
施工者竹中工務店
着工:2017年01月
竣工2019年08月(予定)










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建築計画のお知らせに掲載されていた立面図です。ご覧のとおり、建替えられる本館と営業中の北館は道路の上空で接続され、一体的な売場として展開される事になります。













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配置図を見ると、さらに両館の密接な連携計画が見て取れます。店舗運営者側からすると、別館体制と1館体制では、売場作りの面から見て圧倒的な効率の差が生まれます。また配置する人員、機材などのコスト面のメリットも無視出来きないレベルです。大丸心斎橋店本館の建替え計画はこれらの面から見ても非常に合理的な設計になっている事が解ります。











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現地の様子です。既に旧本館の全体が防護ネットに覆われており、外観を伺い知る事は出来なくなっていました。












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南西側から見た様子です。














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こちらは、建替え後の新・本館と一体的な売場展開が予定されている北館の様子です。本館の建替え工事中の大丸心斎橋店の店舗機能の大半は、旧そごう本店ビルだった、この北館に移されています。












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撮影ポイントを変えて、北側から見た本館の様子です。既に大半の部分の取り壊しが終わっており、ちょっとショックを受けました。
















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新しく生まれ変わる大丸心斎橋店・本館。旧建物への愛着や文化的な価値を抜きにして、店舗として客観的に見ると、比較的新しく階高も高い北館と建替え後の新・本館が1つの百貨店として展開出来れば、総延床面積12.4万平米(売り場面積ではない)の規模などから見ても阪急百貨店うめだ本店に匹敵するクオリティの百貨店が出来るかもしれません。旧ビルの解体状況を見て少しさみしくなりましたが、新本館はプラス・アルファの価値として旧ビルの歴史的な外観や1階エントランスの飾天井などの装飾品も花をそえて凄い百貨店に昇華する事を期待したいと思いました。




2 COMMENTS

briton

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こうなってくると気になるのが南館の動向ですね。
インバウンド人気が国内一の心斎橋のど真ん中において、まさかあのままはないでしょう。
新本館が稼働し始めると同時に南館の再開発に着手するのではないでしょうか。

南館単体では敷地面積は広くないですが、周辺の雑居ビルを取り込めばそれなりのビルが建てれます。
上野松坂屋の再開発のような、複合高層ビルになる可能性は十分にあるかと思います。

アリー my dear

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「新生・大丸心斎橋店」が完成するのを、今はただ素直に楽しみに待ちたいと思っています。
かつての建物部分が、ダイビル本館並みの質感の高さで再現されることを願ってやみません。

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