住友不動産は、広島市東区二葉の里三丁目で進める「(仮称)広島駅北口計画」に2026年2月2日から着工しました。計画規模は地上31階、高さ124m、延床面積56,020㎡。2029年4月13日の竣工を予定しており、住宅287戸、ホテル178室、温浴施設、事務所、駐車場で構成される複合タワーです。広島駅北口で長く動きの見えなかった大規模用地が、ようやく本格的な建設段階に入りました。
この土地は、もともとイケア・ジャパンが2013年に取得した出店予定地です。取得対象は「広島市東区二葉の里土地区画整理事業2街区」で、敷地面積は約18,822㎡、落札額は47億550万円でした。ただ、その後は広島出店が実現せず、2021年にはイケアが土地を売却。二葉の里2街区は、IKEA予定地から再開発用地へと位置づけが変わりました。
その後、街区内では先行して大和ハウス工業によるオフィス棟「d_ll HIROSHIMA」が整備され、2026年1月に完成しました。これに続いて、今回、住友不動産の複合タワーが着工したことで、二葉の里2街区ではオフィス機能に加え、住宅・宿泊・温浴機能の整備も本格化します。街区全体として、複合的な都市機能を持つ再開発の全体像が見えてきました。

建物構成は、1階〜3階に事務所、設備、各エントランス、4階〜9階にホテル、10階〜11階に温浴施設、12階〜31階に分譲マンション「広島ガーデンレジデンス」を配置する計画です。ホテルは住友不動産ヴィラフォンテーヌが運営し、約178室を整備。大型宴会場も備え、国内外の旅行者や修学旅行需要への対応も想定されています。温浴施設には浴場、サウナ、岩盤浴などを導入予定で、単なる住宅中心のタワーではなく、滞在機能を厚く持たせた複合開発になっています。

住宅部分の「広島ガーデンレジデンス」は総戸数287戸で、住友不動産はJR広島駅徒歩圏では12年ぶりの超高層レジデンスと位置付けています。住戸は1LDK〜3LDKを用意し、車寄せ、大庇、2層吹き抜けのエントランスホール、内廊下、各階クリーンステーションなども整備されます。駅前立地に対応した都心居住型マンションとして、商品性を強く意識した内容です。
立地面でも条件は良好です。計画地はJR広島駅まで徒歩7分、広島電鉄「広島駅」電停まで徒歩9分。すでに2025年3月24日には新駅ビル「minamoa」が開業し、同年8月3日には駅前大橋ルートの開業に合わせて、路面電車が駅ビル2階の新しい広島駅停留場へ乗り入れを開始しています。広島駅周辺では南口側の交通結節機能と商業機能の更新が進んでおり、今回の計画はその流れを北口側で受け止める案件といえます。
また、二葉の里地区は、土地区画整理事業や地区計画に基づいて段階的に整備が進められてきたエリアです。住友不動産も、二葉山周辺の歴史資産との調和を図りながら、広島の玄関口にふさわしい市街地拠点を形成するとしています。今回の着工は、長く停滞していた土地利用がようやく実行段階に移り、広島駅北口の機能強化が具体的な形を取り始めたことを示す動きです。
出典元
- 住友不動産「『(仮称)広島駅北口計画』着工」
- JR西日本・中国SC開発「広島新駅ビル『minamoa』が2025年3月24日グランドオープン」
- 広島電鉄「広島駅『駅前大橋ルート』・『循環線』」および駅前大橋ルート開業関連資料





