名古屋市千種区の星が丘エリアで、東山遊園株式会社が主導する大規模複合開発「(仮称)星が丘ボウル跡地プロジェクト」が本格的に始動しました。旧「星が丘ボウル」の跡地とその周辺を活用し、商業、大学施設、図書館、住宅、広場を一体的に整備。都市と自然、暮らしと学びが交わる“次世代の街”の創出が進められています。
本計画は2期に分けて展開。2025年2月に一期工区が着工予定で、2027年春に開業、2028年春の全面完成を見込んでいます。
星が丘という街の個性と期待

星が丘は、地下鉄東山線「星ヶ丘駅」を中心とする文教エリアで、東山動植物園や平和公園といった緑豊かな自然に囲まれた住宅街です。椙山女学園大学をはじめとする教育機関が点在し、上質で落ち着いた暮らしが根付いています。知性と自然、文化と利便性がバランスよく調和する“名古屋型ライフスタイル”の象徴ともいえる地域です。
一期工区:複合ビルと大学が生む知と文化の拠点

第一期工区の敷地面積は約11,254㎡。ここに、東山遊園が商業・業務・公共機能を内包する地上6階建の複合ビルを建設します(設計:竹中工務店、延床面積:約16,874㎡)。1〜2階には「星が丘 蔦屋書店(仮称)」が出店し、書籍・雑貨・イベントを通じて知的感性を刺激する空間が生まれます。
3〜4階には、名古屋市が整備する「星が丘図書館(仮称)」が2028年度に開館予定。千種区・東区・守山区・名東区の4区をカバーする中核図書館として、15万冊の蔵書が想定されており、アクティブライブラリー構想のもと、従来の図書館を超えた“地域とつながる学びの場”となる予定です。
5階は東山遊園のグループオフィス、6階には多目的フロア(ユーティリティスペース)を整備。イベントや演劇、地域活動の拠点としての活用が想定されています。
大学新棟とコミュニティスペースがもたらす地域連携

複合ビルに隣接して、椙山女学園大学が7階建の新校舎を整備(設計:日建設計)。「Cross Gate(クロスゲート)」をコンセプトとし、学生・教職員・卒業生・地域住民が自然に交差・交流する空間を目指します。
情報社会学部を中心としながら、電子工作室、デザイン工房、ワークショップルーム、スタジオなどの創造的施設を配置。学部横断のコラボレーションラウンジも整備され、実践的な教育と社会連携が日常的に行われる環境が生まれます。
低層階には、東山遊園と大学が協働で「(仮称)星が丘コミュニティスペース」を整備。ライフデザインカレッジ、子育て支援拠点、コワーキングスペース、多目的ホールなどを備え、学生から地域住民まで、多世代・多属性が集い交流する拠点として機能する予定です。
緑と回遊性を活かした街区設計

街区中央には芝生広場が設けられ、季節の移ろいを楽しめる景観と憩いの場を創出。さらに、大学新棟から住宅地方面に向かう歩行者専用デッキが新設され、南北方向の回遊性が向上します。あわせて車路の再整備が行われ、歩車分離による安全性向上と、ウォーカブルな都市空間の形成が進められます。
二期工区:環境先進マンション「BRANZ」誕生へ

第二期工区(敷地面積:約4,811㎡)では、東急不動産と名鉄都市開発が、定期借地権付分譲マンション「BRANZ(ブランズ)」を開発します。建物は地上14階・地下1階建、総戸数129戸、延床面積は約19,707㎡。2028年3月末の竣工を予定しています。
本物件には、東急不動産が推進する環境配慮型まちづくり方針「GREEN AGENDA for BRANZ」が導入予定。持続可能な植栽管理や生物多様性への配慮として、野鳥の巣箱やバードバスの設置、共用部でのグリーン活用などが計画されています。
また、マンション低層部には商業区画が併設され、星が丘テラス増床部との一体利用も視野に。住まいと商業が融合した新たなライフスタイルの場が創出されます。
星が丘の未来をかたちにする都市再編
「(仮称)星が丘ボウル跡地プロジェクト」は、都市の利便性と自然の心地よさ、知的な環境と暮らしやすさを両立させる“次世代型まちづくり”の象徴といえます。
副都心機能の強化、大学との地域連携、公共施設の充実、環境と共生する都市住宅の創出など、様々な視点で名古屋の新しい都市像を描くプロジェクトとして、広く注目を集めています。成熟した住宅地・星が丘が、暮らしと学びが融合する未来都市のモデルケースとして、今後さらに存在感を高めていくことが期待されます。
【出典元】
→東急不動産>「(仮称)名古屋市千種区星が丘元町計画」始動
→名鉄都市開発>「(仮称)名古屋市千種区星が丘元町計画」始動
→東山遊園>「(仮称)星が丘ボウル跡地プロジェクト」一期工区の施設一部決定と二期工区の住宅ブランド決定について