関西エアポートは2025年3月25日、関西国際空港、大阪空港(伊丹)、神戸空港の2025年2月の利用状況を発表しました。3空港を合わせた総旅客数は4,080,575人で、前年同月比9%増となりました。特に国際線の利用が好調で、国際線旅客数は前年同月比16%増の2,104,265人を記録し、新型コロナウイルス流行前の2019年同月比でも106%に達し、6カ月連続でコロナ前の水準を超えました。
国際線は外国人旅客が大幅増 アジア路線がけん引
国際線の回復を主に支えたのは訪日外国人の増加です。外国人旅客数は1,668,997人で、2019年比121%、前年同月比でも15%増となりました。日本人旅客数も430,740人で、前年同月比23%増と堅調に回復しています。方面別の割合を見ると、中国路線が全体の35%と最も多く、次いで韓国27%、台湾10%、香港・マカオ9%、東南アジア13%と、アジア路線が中心となっています。また、国際線の航空機発着回数は12,191回で、前年同月比16%増となりました。
国内線は堅調、神戸空港では国際化が目前に
関西空港の国内線旅客数は511,393人で、前年同月比5%減となったものの、2019年比では98%まで回復しています。空港別では、伊丹空港が1,184,946人(前年比7%増)、神戸空港が279,971人(同1%増)と、いずれも安定した利用が続いています。
神戸空港では、2025年4月18日に第2ターミナルビルがオープンし、国際チャーター便の運航が可能となります。大韓航空がソウル(仁川)便を毎日運航する計画を表明しており、台湾のスターラックス航空も台北便を週3便、台中便を毎日運航する予定です。今後は2030年をめどに定期便の就航も視野に入れており、関西圏の空港ネットワークはさらに強化される見通しです。
貨物取扱量も順調に増加 国際物流拠点としての地位を維持
貨物の取り扱いも堅調に推移しています。2月の貨物取扱量は3空港合計で56,019t、前年同月比10%の増加でした。内訳を見ると、国際貨物が55,014t(同10%増)、国内貨物が1,005t(同14%増)となっており、ほぼすべてが国際物流によるもので、アジア圏を中心とした輸出入の要として機能し続けています。
航空機の発着回数、国際線が拡大傾向に
3空港合計の航空機発着回数は28,727 回で、前年同月比4%増となりました。このうち国際線が12,191回(同16%増)、国内線は16,536 回(同4%減)で、国際線の回復ぶりが際立っています。国内線は一部で便数の調整が見られましたが、旅客数の大幅な落ち込みはなく、便あたりの搭乗率が改善している可能性もあります。
関空第1ターミナルの大規模リニューアル完了、受け入れ能力は年間4,000万人へ
国際線の需要増加に対応するため、関西国際空港では開港以来初となる第1ターミナルビルの大規模リノベーション工事が進められてきました。2021年5月に着工されたこのプロジェクトは、2025年3月27日にグランドオープンを迎えます。 今回の改修により、保安検査場の処理能力が向上し、新たな入国審査場や国際線ラウンジも整備されました。
これにより、関空の国際線旅客受け入れ能力は年間4,000万人体制となり、2018年度実績(約2,300万人)のおよそ1.7倍に拡大します。さらに、3月30日からは1時間あたりの発着上限が45回から60回に引き上げられ、年間発着枠は23万回から30万回に拡大されます。これにより、成田空港と同等の処理能力を持つ空港として、今後5〜7年間の航空需要の拡大に対応できる体制が整いました。