エスコン、バンヤン・グループ「DHAWA（ダーワ）」ブランド導入！北海道ボールパーク隣接ホテルを2027年秋開業へ

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エスコンは、北海道北広島市の「ES CON FIELD HOKKAIDO」近接地で開発中の『（仮称）北海道ボールパークホテルプロジェクト』について、ホテルブランドを「DHAWA（ダーワ）」に決定したと発表しました。11月10日に廣島神社で安全祈願祭を実施し、工事を開始。開業は2027年秋を予定しています。

球場隣接地に新ホテル「DHAWA」開業へ

建設地は「ES CON FIELD HOKKAIDO」の外野スタンド側で、球場へのアクセスに優れた立地です。水辺が広がる沢エリアを臨み、自然環境と都市機能を両立する位置にあります。また、2028年にはホテル北側に新駅が開業予定で、札幌都心や新千歳空港への移動がさらに便利になります。

エスコンはすでに北広島駅直結の「エスコンフィールドHOKKAIDOホテル北広島駅前」（2025年3月開業）を運営しており、今回の計画は駅前とボールパークエリアを結ぶ滞在型都市開発の拡張線上に位置づけられます。

「DHAWA」ブランドの特徴と展開

「DHAWA（ダーワ）」は、シンガポールを拠点とするBanyan Tree Group（バンヤンツリー・グループ）が展開するライフスタイルホテルブランドです。1994年創業の同グループは、世界20か国以上に100軒超のホテル＆リゾート、140を超えるスパを展開しています。DHAWAは、2015年に立ち上げられた中価格帯フルサービスブランドで、モダンなデザインと地域文化の融合を重視します。日本では「ダーワ・悠洛京都」に続く国内2軒目の展開となります。

運営体制

出展：ダーワ・悠洛京都

運営は、バンヤン・グループ100％子会社のBanyan Tree Japan有限会社と、株式会社イントランス（東京都渋谷区）の子会社イントランスホテルズアンドリゾーツが共同出資する「ジャパンホテルオペレーションズ株式会社」が担います。グローバルな運営基準と国内の開発ノウハウを組み合わせ、安定した運営体制を構築します。

計画概要

項目	内容
所在地	北海道北広島市Fビレッジ5番
敷地面積	4,537.60㎡
構造・規模	RC造・S造 8階建
客室数	182室（約20〜100㎡）
主な施設	レストラン、フィットネス、スパ、大浴場・屋外大浴場
開業予定	2027年秋

背景：ボールパークの「冬の稼働率」という課題

出展：Fighters Sports & Entertainment

北海道ボールパークFビレッジは、野球観戦・宿泊・自然体験を融合した複合都市開発です。しかし、プロ野球のない冬期にどう集客を維持するかが課題でした。気温が低く、屋外イベントが制限される冬は、来場者数が大幅に減少します。この問題を解決するために、エスコンと日本ハムは発想を転換。「雪が積もる冬こそ最大の資産」と捉え、“冬の北海道を目的地化する戦略”に踏み出したのです。

雪が降らない国々に向けた「冬の観光需要」

出展：Fighters Sports & Entertainment

東南アジアの多くの国では雪が降らず、雪を見ることが一生に一度の体験とされています。特にタイやマレーシア、シンガポールなどでは、「雪を見る」「雪で遊ぶ」こと自体が旅行目的です。SNSでは「#snowinjapan」「#HokkaidoTrip」などが毎冬トレンド化し、北海道は“雪の聖地”として人気を確立しています。

バンヤンツリー・グループはASEAN全域に広がるホテルネットワークを持ち、東南アジアの富裕層・中間層への訴求力が高いブランドです。このネットワークを活用することで、冬期の北海道に新しいインバウンド需要を創出する狙いがあります。

DHAWAが果たす役割：冬の体験拠点

出展：バンヤンツリー

バンヤンツリー系ホテルは「滞在そのものを目的にする設計思想」を持ち、自然との調和を重視します。DHAWAは、スパ・大浴場・屋外温浴施設などを備え、雪景色の中で快適な滞在を可能にします。野球観戦がない冬でも、「雪を眺める温泉」「静かなスパ」「雪景色の非日常滞在」が旅の目的となります。この構造により、Fビレッジは季節を問わず人が訪れる通年型ボールパークへと進化します。

両社の戦略的補完関係

観点	日本ハム／エスコン	バンヤンツリー・グループ
狙い	Fビレッジの通年稼働と国際化	日本市場拡張・雪リゾート参入
強み	北海道という観光資源・雪	ASEAN富裕層ネットワーク
効果	冬期の空白を埋める観光需要	“雪を見る旅”の拠点構築

両者の利害は一致しており、
日本ハム側は冬の稼働率を確保し、バンヤンツリー側は雪リゾート市場に参入する構造が成り立ちます。

まとめ

今回の「DHAWA」導入は、単なるホテル開業ではなく、“冬の空白をアジア需要で埋める観光戦略”です。北海道の雪は、東南アジアの旅行者にとって特別な価値を持ちます。その象徴であるFビレッジが、「スポーツ」「雪」「自然」「ホスピタリティ」を統合した新しい国際型リゾートモデルへと転換する流れが鮮明になりました。