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「北4西3地区第一種市街地再開発事業」札幌駅南口に地上33階・延床21万㎡の再開発始動!旧西武跡にヨドバシ主導の巨大複合ビル誕生へ【2028年完成予定】


札幌駅南口で新たなランドマークとなる再開発プロジェクトが始動しました。札幌市中央区北4条西3丁目に位置する「北4西3地区第一種市街地再開発事業」は、2025年3月3日に起工式を終え、本体工事が始まりました。事業主体は札幌駅南口北4西3地区市街地再開発組合で、2028年7月の工事完了を目指しています。

この事業は延床面積約210,000㎡、総事業費約1,667億円にのぼる大規模再開発です。2024年1月に組合設立が認可され、同年7月には権利変換計画が承認。8月から解体工事が始まり、現在本体工事が進行中です。

 

西武百貨店跡地の再生



計画地は、かつて100年以上の歴史を持つ西武百貨店札幌店の跡地。老舗「五番館」から続く赤レンガの洋館風外観は、札幌駅前のシンボルでした。2009年に閉館し、建物は解体され、更地となっていました。この一等地をヨドバシカメラが85億円で取得し、現店舗を移転・拡大する計画が報じられ、再開発の核となりました。




南北2棟の複合ビルで構成



事業区域は約1.7ha。南北に分かれた2棟の高層ビルが建設されます。北棟は地上9階・地下4階、高さ約60m、延床面積約74,508㎡。地下には駐車場と駐輪場、上層階には100以上のテナントが入る複合商業施設が入り、ヨドバシホールディングスが運営します。

この形式は、1997年の「マルチメディア仙台」で確立されたヨドバシの商業モデルが起点。圧倒的な品揃えと立地、ポイント制度で顧客を獲得する「マルチメディア館」業態は、後に「マルチメディア梅田」で昇華され、2019年に「LINKS UMEDA」へと発展しました。札幌はその最新進化形となる計画です。

南棟は地上33階・地下4階、高さ約160m、延床面積約128,270㎡。下層階は商業施設、中層から上層にかけて高機能オフィスを配置。会議室や機械室も備え、都市型複合施設としての役割を果たします。

 




都市基盤と環境・防災を両立したまちづくり



本事業では、地下鉄南北線「さっぽろ」駅の改良工事と連携し、地下歩行者ネットワークの強化を通じて駅周辺の回遊性と利便性を向上させます。また、CO₂排出削減や災害対策にも注力し、災害時でも業務継続が可能な「業務継続地区(BCD)」として、持続可能で強靭な都市基盤の整備を目指しています。CO₂排出削減や災害対策にも注力。災害時に業務を継続できる「業務継続地区(BCD)」として都市機能を強化し、持続可能なまちづくりを目指しています。

ヨドバシが牽引する全国再開発



本事業にはヨドバシホールディングス(代表者)、平和不動産、中央日本土地建物、ダイビルの4社が参加。設計は鹿島建設、施工は鹿島建設を代表とするJVが担当します。ヨドバシホールディングスは2019年、仙台と札幌に「Links業態」の商業施設を3年以内に展開する方針を発表しましたが、進捗は遅れており、札幌では本再開発が同業態の核として進行中。家電に限らず、専門店や飲食を集積した複合施設となる見込みです。

10年越しの再開発、札幌の未来へ



2017年に構想が始まり、2025年の起工を経て、札幌駅南口は新たな都市拠点へと生まれ変わろうとしています。再開発によって形成される複合都市空間は、都市景観を刷新し、国内外の企業・人々を引き寄せる重要な拠点になることでしょう。2028年夏の完成が今から待ち遠しい限りです。

2 COMMENTS

アリー my dear

ここまで紆余曲折ありましたが、なんとか着工できましたね、本当によかった…

ガンマ

とにもかくにも梅田のヨドバシがインパクトありすぎましたね。
主要駅前はヨドバシで決まり!って感じでしょうか?

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