ロイヤルホールディングス傘下のロイヤルマイナーホテルズは、京都市中京区の旧京都新聞本社ビルを活用する「京都新聞ビル再開発計画」の概要を発表しました。ホテル名称は「(仮称)Avani Kyoto(アヴァニ京都)」で、同社がホテル運営を担い、2029年度の開業を予定しています。
Avaniは、タイ・バンコクを拠点とするMinor Hotelsが展開するプレミアム・ライフスタイルホテルブランドで、今回の計画はAvaniにとって日本初進出となります。約60年にわたり京都の報道拠点として親しまれてきた旧京都新聞本社ビルを、現代的なホテルへと再生するプロジェクトであり、同時に、ロイヤルホールディングスとMinor Hotelsの日本戦略が重なる象徴的な案件でもあります。計画概要を整理

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ホテル名称 | (仮称)Avani Kyoto |
| 所在地 | 京都市中京区烏丸通夷川上る少将井御旅町337ほか |
| アクセス | 地下鉄烏丸線「丸太町」駅直結 |
| 開業予定 | 2029年度 |
| 客室数 | 約240室 |
| ブランド | Avani Hotels & Resorts |
| 運営 | ロイヤルマイナーホテルズ |
| 開発 | 大成建設、平和不動産、MINOR INTERNATIONAL PCL.など |
| 建物の特徴 | 旧京都新聞本社ビルを活用し、一部改修・一部新築で整備 |
計画地は、地下鉄烏丸線「丸太町」駅に直結する烏丸通沿いです。京都御所にも近く、観光客、ビジネス利用、地域住民の利用のいずれにも対応しやすい立地にあります。特徴的なのは、旧京都新聞本社ビルを単にホテルへ転用するのではなく、都市の記憶を生かした再生計画として位置づけている点です。ホテル内にはラウンジやレストランを設け、宿泊者だけでなく地域にも開かれた社交空間を目指すとされています。かつて新聞社ビルが担ってきた情報発信や交流の役割を、宿泊、飲食、文化体験へと転換する構想といえます。
Avaniはどのようなホテルブランドか

Avaniは、Minor Hotelsが展開するホテルブランドです。Minor Hotelsはタイ・バンコクを拠点とするホテルグループで、Anantara、Avani、Tivoliなど複数のブランドを展開しています。
Avaniは、重厚な格式を前面に出すクラシックなラグジュアリーホテルではありません。現代的なデザイン、機能性、ローカル体験、ソーシャルスペースを重視する、プレミアム・ライフスタイルホテルに位置付けられます。
| 項目 | Avaniの特徴 |
|---|---|
| 出自 | タイ・バンコクを拠点とするMinor Hotels系ブランド |
| グレード | プレミアム・ライフスタイルホテル |
| 方向性 | 現代的、機能的、開放的、地域体験重視 |
| 主なターゲット | 感度の高い旅行者、ミレニアル世代、Z世代、インバウンド客 |
| 京都との相性 | 歴史、文化、食、街歩き、社交空間と接続しやすい |
3. ロイヤルHDとMinor Hotels、それぞれの狙い

今回の計画では、ロイヤルホールディングスとMinor Hotelsの狙いが重なっています。
ロイヤルホールディングスにとっては、国内で培ってきたホテル運営力や食の提供力を、外資系プレミアムホテルの領域へ広げる機会となります。一方、Minor Hotelsにとっては、京都を舞台にAvaniの日本での認知を高める重要な一手です。| 立場 | 狙い | 得られる効果 |
|---|---|---|
| ロイヤルHD | 国内ホテル事業をプレミアム領域へ広げる | リッチモンドホテル中心の事業から、外資系ライフスタイルホテル領域へ展開できる |
| ロイヤルHD | 食とホスピタリティを高付加価値化する | レストラン、ラウンジ、地域連携などで収益機会を広げられる |
| Minor Hotels | 日本市場でAvaniの認知を高める | 京都を足掛かりに、ブランドの存在感を高められる |
| Minor Hotels | 日本での展開実績をつくる | 今後のAnantara、Tivoli、Avani展開につなげやすくなる |
| 京都エリア | 旧京都新聞本社ビルを再生する | 都市の記憶を残しながら、新たな宿泊・交流拠点を生み出せる |
京都で存在感を高める東南アジア系ホテルブランド

Avani Kyotoを考えるうえで見逃せないのが、京都における東南アジア系ホテルブランドの存在感です。京都では、タイのDusit Internationalに加え、Banyan Group系のホテルも複数展開されています。
| 系統 | ブランド/ホテル | 京都での展開 | 位置付け |
|---|---|---|---|
| タイ系 | Dusit Thani | デュシタニ京都 | タイ流ホスピタリティと京都文化を融合したラグジュアリーホテル |
| タイ系 | ASAI | ASAI京都四条 | 街歩きやローカル体験を重視するライフスタイルホテル |
| タイ系 | Avani | Avani Kyoto/2029年度開業予定 | 都市型・社交空間型のプレミアム・ライフスタイルホテル |
| 東南アジア系 | Banyan Tree | バンヤンツリー東山 京都 | ウェルネスや静寂を重視する高級リゾート型ホテル |
| 東南アジア系 | Garrya | ギャリア・二条城 京都 | 小規模・静寂・ウェルネス寄りのブティックホテル |
| 東南アジア系 | Dhawa | ダーワ・悠洛 京都 | 歴史性と現代デザインを掛け合わせたブティックホテル |
欧米系ラグジュアリーブランドが格式や会員基盤を強みにする一方、東南アジア系ブランドは、食、癒やし、静寂、地域文化との接続で差別化を図っています。Avani Kyotoは、その中で「街に開かれたプレミアム・ライフスタイルホテル」という新しいポジションを担うことになりそうです。
まとめ:京都ホテル市場に新しい軸が加わる
Avani Kyotoは、旧京都新聞本社ビルという近現代の都市資産を、現代型ホテルとして再生するプロジェクトです。ロイヤルホールディングスにとっては、国内で培ってきた食とホスピタリティを、外資系プレミアムホテルの領域へ広げる案件です。Minor Hotelsにとっては、日本市場でAvaniの存在感を高め、今後のブランド展開につなげる橋頭堡になります。
京都にとっては、宿泊者だけでなく地域住民も利用できる、新たな社交空間の誕生でもあります。
今回の計画が示しているのは、京都のホテル市場が次の段階に入りつつあるということです。欧米系ラグジュアリーブランドだけでなく、タイやシンガポールを含む東南アジア系ホテルブランドが、京都を自らのホテル哲学を表現する舞台として選び始めています。
Avani Kyotoは、その流れを象徴する日本初進出案件です。ラグジュアリーでもビジネスホテルでもない、都市文化接続型のプレミアム・ライフスタイルホテルという新しい軸が、京都のホテル市場に加わろうとしています。
出典元
- ロイヤルホールディングス株式会社/ロイヤルマイナーホテルズ株式会社
「Avani」ブランドが日本初進出 旧京都新聞本社ビルを活用して「(仮称)Avani Kyoto」を2029年度開業予定 - Minor Hotels
Avani Hotels & Resorts 公式ブランド情報 - Royal Minor Hotels株式会社
Minor International and Royal Holdings Announce Joint Venture and Strategic Entry into Japan’s Luxury and Lifestyle Hotel Market - Dusit Thani Kyoto 公式サイト
- ASAI Kyoto Shijo 公式サイト
- Banyan Group 公式サイト
Japan Destinations - Banyan Tree Higashiyama Kyoto 公式サイト
- Garrya Nijo Castle Kyoto 公式サイト
- Dhawa Yura Kyoto 公式サイト
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