夢洲の万博レガシーが具体化へ!大屋根リング約200mを残置、記念公園・記念館の基本計画策定を開始

出展:大阪都市計画局

大阪都市計画局は、「夢洲第2期区域記念公園ゾーンの事業構想及び基本計画策定等業務」で、公募型プロポーザルを開始しました。

対象は、大阪・関西万博会場跡地に設ける約2.9haの記念公園ゾーンです。大屋根リング約200mを人が登れる形で残し、周辺に記念公園と延床約3,000㎡の記念館を整備します。

今回の業務は、建築設計や工事を直接発注するものではありません。記念公園ゾーン全体のコンセプトや施設配置、展示内容、イベント、概算事業費、事業手法、整備工程をまとめ、今後の基本設計や実施設計につなげる上位計画を策定します。

夢洲の万博レガシー整備は、基本的な方向性を示す段階から、施設の規模や機能を具体化する段階へ進みます。

大屋根リング、公園、記念館を一体整備

夢洲第2期区域では、「万博の理念を継承し、国際観光拠点形成を通じて未来社会を実現するまちづくり」をコンセプトに、音楽、アート、スポーツ、先端技術などを通じて国内外の人々が交流するエリアの形成を目指しています。

その中核的な公共空間となるのが記念公園ゾーンです。大屋根リングを単独で保存するのではなく、公園や記念館と組み合わせ、万博の記憶を継承しながら、新たな交流や産業を生み出す拠点として整備します。


施設 現時点の計画内容
記念公園 約2.9ha。大屋根リングと一体となった、みどりに親しめる空間を整備
大屋根リング 約200mを残置予定。準用工作物として人が登れる形で活用
記念館 延床約3,000㎡を想定。万博の記憶や先端技術を発信
交流スペース ビジネス、文化、学びなどの交流機能を導入
飲食・物販 記念館内への設置を検討
行事・催事 公園、リング、記念館を活用したイベントを展開

大屋根リングでは、先端技術を使って万博開催時の風景や体験を再現する仕組みも検討します。記念館は、過去を振り返るだけの展示施設ではなく、ビジネスや文化交流を継続的に生み出す拠点として位置付けられています。

万博の展示物やデジタルコンテンツを調査

基本計画の策定にあたっては、万博会場や各パビリオンで展示された物品、先端技術、デジタルコンテンツなどの活用可能性を調査します。調査項目には、展示物の所在、数量、規格、権利関係、展示意向、貸出条件、保管方法、収蔵に必要な面積などが含まれます。参考となる調査対象として、万博公式参加者158カ国・地域と7国際機関、大阪ヘルスケアパビリオンの「リボーンチャレンジ」に出展した432社などが挙げられています。

企業、国、自治体、催事主催者などに対しては、ビジネス交流、文化交流、学習イベントの開催意向も確認します。イベントの規模や頻度、想定参加者数、費用、運営条件を調査し、記念館の機能や規模に反映します。

展示・交流スペースについては、内装概略図とイメージパースを最低3案作成。それぞれの整備費、運営費、メリット、デメリットを比較し、実現可能性や持続的な集客力を検証します。

夢洲駅やIRを結ぶ回遊拠点に

記念館の建築基本計画では、建物の規模、構造、設備、外観、諸室構成を検討します。あわせて、関係法令、敷地利用、電力・給排水・通信などのインフラ、地盤、基礎、工事工程、概算工事費を整理します。

ユニバーサルデザインや暑さ対策、環境性能、防災対応も検討対象です。

公園整備では、植栽、照明、造成、給排水、電気設備、防災計画などをまとめます。来場者動線については公園内部だけでなく、夢洲駅、IR、夢洲第2期区域、大阪ヘルスケアパビリオン跡地との接続も検討します。記念公園を単独の観光施設として整備するのではなく、夢洲全体の回遊を生み出す結節点として位置付ける考えです。

音楽、文化、ビジネス交流を継続的に展開

公園、大屋根リング、記念館を活用した行事・催事の基本計画も策定します。

開業後1年間を基本に、オープニング式典や記念イベントのほか、音楽、文化、ビジネス、国際交流、学習プログラムなどを想定。対象者、開催時期、年間スケジュール、概算予算、運営体制を整理します。

事業実施手法については、PFIをはじめとする官民連携方式を調査します。費用対効果分析、都市計画図書、事業認可図書の作成も業務に含まれており、施設計画だけでなく、財源や事業スキーム、法手続きまで一体的に検討します。

さらに、大阪・関西万博に知見を持つ専門家や学識経験者ら約5人で構成する有識者会議を、10回程度開催する予定です。

審査では「継続的な集客力」を重視

企画提案の審査は100点満点で、技術提案に80点が配分されています。

内訳は、記念公園ゾーン全体の事業構想が30点、記念館の展示・交流計画が20点、記念館建築、公園整備、行事・催事計画が各10点です。

審査では、万博の記憶や先端技術を効果的に発信できるかに加え、開業後も継続的に来場者を呼び込めるかが重視されます。建物のデザインだけでなく、どのような展示やイベントを展開し、持続的に運営するかが選定の焦点となります。

契約上限額は、2026年度が8,697万円、2027年度が763万円で、合計9,460万円です。これは事業構想と基本計画を策定するための委託費であり、公園整備、大屋根リングの改修、記念館建設を含む総事業費ではありません。

今後のタイムスケジュール


時期 内容
2026年7月21日 公募開始
8月24日 企画提案書の提出期限
9月上旬~中旬 プレゼンテーション審査、事業者選定
9月下旬 契約締結、業務開始
10月下旬 事業構想案を提示
12月中旬 記念館や公園などの基本計画案を提示
2027年9月30日 事業構想・基本計画策定業務を完了
2027年度以降 基本設計、実施設計、整備工事へ移行する見通し

公募・選定手続きを経て、2026年9月下旬に計画策定を開始します。仕様書では、10月下旬に事業構想案、12月中旬に各基本計画案を提示する工程が設定されています。

大屋根リングの改修設計は別途発注される予定で、今回の受託事業者は改修設計事業者とも協議・調整します。リングの構造検証や改修内容によっては、施設配置や整備工程が変更される可能性があります。

現時点では、総事業費、設計者、施工者、運営主体、開業時期は決まっていません。今回の基本計画では、これらを判断する前提となる施設規模、概算事業費、事業手法、整備スケジュールを具体化します。

大屋根リングを残すこと自体が目的ではありません。夢洲駅、IR、周辺の民間開発と結び付き、万博終了後も人や企業を呼び込める場所にできるか。記念公園ゾーンは、万博の記憶を夢洲の成長につなげられるかを試す、象徴的なプロジェクトになりそうです。






出典元

  • 大阪都市計画局「夢洲第2期区域記念公園ゾーンの事業構想及び基本計画策定等業務委託 募集要項(公募型プロポーザル)」
  • 大阪都市計画局「夢洲第2期区域記念公園ゾーンの事業構想及び基本計画策定等業務委託 仕様書」
  • 大阪府・大阪市「夢洲第2期区域マスタープラン Ver.3.0」
  • 大阪市「万博レガシーの継承と発信について」
  • 大阪都市計画局「公募型プロポーザル方式発注案件」

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