大阪・関西万博の閉幕から約3カ月が経過しました。会場跡地では、各国・各団体のパビリオンの解体作業や、シンボルだった大屋根リングの撤去が少しずつ進んでいます。大阪市此花区の人工島・夢洲では、トラックやショベルカーが行き交い、会場全体が解体工事のフェーズへと移行しています。
万博跡地がどのように変化しているのかを確認するため、現地を取材しました。記事内の写真はすべて筆者撮影で、2026年1月12日時点の状況です。
各パビリオンで解体作業が進行、資材は分別・再利用へ

各社報道によると、大阪府・大阪市が運営した「大阪ヘルスケアパビリオン」の本格的な建物解体は、2026年1月から開始される予定です。建物の一部については、残置、または敷地内移築を行い、2062年9月まで利活用する計画とされています。
また、電気事業連合会が出展した「電力館」では、2025年12月の時点で屋外ステージや日よけ設備の解体が進められ、撤去した部材は重機で破砕された後、素材ごとに分別されました。日本国際博覧会協会によると、会場全体で発生する解体資材の大部分をリサイクルする方針で、家電部品や建築資材などへの再利用が見込まれています。
このほか、各国パビリオンについても、展示物の撤去と建物解体が段階的に進められており、タイプA、B、Cの各パビリオンで順次作業が行われています。
大屋根リングの解体開始、2027年8月までに撤去予定

万博の象徴的建築物である「大屋根リング」については、2025年12月から解体工事が始まりました。1周約2kmにおよぶ巨大な木造建築で、「最大の木造建築物」としてギネス世界記録に認定されたが、今後は北東側の約200m部分のみを保存し、その他は2027年8月までに撤去される予定です。
解体作業は、建設を担った大林組、竹中工務店、清水建設の3社を中心とした共同企業体が実施しており、柱や梁を順次取り外す工程が進められています。撤去された木材の一部は、能登半島地震の被災地へ送られ、災害公営住宅などに再利用される計画です。
2028年2月までに更地化、大阪市へ返還

協会は、遅くとも2026年4月13日までに各参加者が区画や敷地を返還するよう求めています。会場全体は2028年2月までに更地とした上で、土地所有者である大阪市へ返還される予定です。
夢のような時間が流れていた大阪・関西万博も、閉幕からおよそ3カ月が経過しました。光陰矢の如しという言葉の通り、会場ではすでに解体と撤去の作業が進み、万博の風景は姿を消しつつあります。万博閉幕後の夢洲跡地は、IR(統合型リゾート)に隣接する立地を生かし、新たに「国際観光拠点」として再整備される計画です。
万博で形成された空間や資材をどのように次の都市機能へ引き継いでいくのか、そして万博が残した精神的なレガシーをいかに生かしていくのかが、今後の大きな焦点となります。




