【名古屋市】中川運河堀止地区開発「NAKAGAWA CANAL DOORS(ナカガワ キャナル ドアーズ)」」2026年6月18日開業へ! ホテル・飲食・スポーツ・オフィスを備えた水辺の交流拠点が誕生


名古屋市中川区の中川運河堀止地区において整備が進められてきた「中川運河堀止地区開発」について、名古屋ステーション開発株式会社中部土木株式会社エイトデザイン株式会社の3社は、施設名称および開業日、出店店舗の概要を正式に発表しました。

施設名称は 「NAKAGAWA CANAL DOORS(ナカガワ キャナル ドアーズ)」2026年6月18日(木) に開業します。

1.開発の背景と位置づけ

中川運河は、名古屋港と都心部を結ぶ水運として整備され、開業当時は「東洋一の大運河」とも称されました。本事業地である堀止地区は、かつて笹島貨物駅が立地し、鉄道と水運が交わる物流の結節点として、名古屋の産業発展を支えてきた場所です。

一方で、物流機能の低下以降は人の流れが限定的となり、水辺空間としての活用が長年の課題となってきました。今回の開発は、こうした歴史的背景を踏まえつつ、物流を担ってきた場所を、人の流れと交流を生む都市空間へと再編 することを目的としています。「NAKAGAWA CANAL DOORS」という名称には、中川運河の玄関口として、人・まち・水辺をつなぐ“扉”となる拠点を目指す意図が込められています。

2.開業日と事業経緯


  • 開業日:2026年6月18日(木)

  • 事業主体:名古屋ステーション開発株式会社、中部土木株式会社、エイトデザイン株式会社

本事業は、2023年に名古屋市が実施した再開発事業者公募 において、JR東海グループの名古屋ステーション開発による提案が採択されたものです。当初は2026年春の開業を目指していましたが、関係事業者間での検討を経て、6月18日の開業に決定しました。事業者は「工事の遅れによるものではない」と説明しています。

3.施設構成と出店内容


区分 施設・店舗名 事業者 主な内容・特徴
ホテル セトレ キャナル名古屋(SETRE CANAL NAGOYA) 株式会社ホロニック 地上3階建て・全24室。愛知県産材を用いたサウナやテラスを備え、水・風・緑を感じられる滞在型ホテル。セトレブランドの東海初出店。
ベーカリー・カフェ PAUL(ポール) PAUL 1889年創業のフランス老舗ベーカリー。クロワッサンなど定番商品を提供。日本第1号店が名古屋で、約15年ぶりの名古屋再出店。
レストラン CANALIA(カナリア)※仮称 株式会社バルニバービ 炭火焼を軸としたイタリアンレストラン。ステーキやハンバーグ、旬野菜のグリルを提供。ランチはビュッフェ形式を予定し、終日利用可能。
コミュニティ/オフィス エイトデザイン本社 エイトデザイン株式会社 本社機能を移転。仕事・交流・偶発的な出会いが重なるコミュニティ拠点として整備し、地域や来街者にひらかれた場を形成。
スポーツ ピックルボールコート(屋外常設) 株式会社JTB 米国発のラケットスポーツ「ピックルボール」の常設コート。初心者でも始めやすく、世代を問わない交流創出を目的とする。
スポーツ ビーチバレーボールコート 中部土木株式会社 競技大会の知見を活かした本格仕様。イベント・大会開催に対応。非使用時は駐車場として活用可能。

4.計画概要


項目 街区①(ホテル・ベーカリー) 街区②(レストラン・オフィス・スポーツ)
事業主体 名古屋ステーション開発株式会社 中部土木株式会社エイトデザイン株式会社
敷地面積 約2,390㎡ 約3,490㎡
延床面積 約2,040㎡ 約1,070㎡
主要用途 ホテル、店舗 店舗、事務所、駐車場
階数 ホテル棟:地上3階ベーカリー・カフェ棟:地上1階 地上3階
施設概要 ホテル:約1,940㎡ベーカリー・カフェ:約100㎡ レストラン:約400㎡オフィス:約330㎡共用部ほか:約340㎡ピックルボールコート:常設1面ビーチバレーボールコート:臨時1面駐車場:47台
全体設計 ㈲マル・アーキテクチャ ㈲マル・アーキテクチャ
施工 ㈱前田工務店 建物:エイトデザイン㈱外構:中部土木㈱

5.なぜこのプロジェクトが進められたのか【考察】

「NAKAGAWA CANAL DOORS」は、水辺のにぎわい創出を掲げていますが、その背景を整理すると、単なる集客施設整備とは異なる目的 が見えてきます。

中川運河は歴史的価値を持つ一方で、人流創出の難易度が高く、全国的にも水辺再生は行政主導で失敗事例が積み重なってきた分野です。そのため本事業では、理想像を強く打ち出す手法ではなく、民間事業として成立する最小単位の再生モデルを示すこと が重視されたと考えられます。


小さく始め、失敗確率を抑える構成


  • 客室数を24室に抑えた小規模ホテル

  • 全国的な実績を持つ飲食ブランドの採用

  • 説明や演出を必要としないスポーツ機能

  • 事業者自身が本社を移転するコミュニティ拠点

これらはいずれも、話題性より 継続性と反対されにくさ を優先した選択です。本施設は「成功を誇示するための装置」ではなく、失敗しないことを最優先した都市実装 と位置づけられます。


本当の目的は「次につなげること」


このプロジェクトで事業者が成し得たいのは、施設単体での大きな収益や観光地化ではありません。


  • 中川運河でも民間主導の再生が可能であることを示す

  • 行政色の強い実験事業という印象を避ける

  • 次の民間投資や周辺開発を呼び込みやすくする

つまり「NAKAGAWA CANAL DOORS」は完成形ではなく、中川運河再生を次のフェーズへ進めるための前例づくり を担う拠点といえます。

6.まとめ

「NAKAGAWA CANAL DOORS」は、ホテル・飲食・スポーツ・オフィスを複合させることで、観光客だけでなく、地域住民やビジネス利用者も含めた多様な層が日常的に利用できる交流拠点 として整備されます。派手な演出はありませんが、その分、民間事業として無理のない規模と構成により、中川運河エリアの次の展開につながる 現実的な一歩 を示すプロジェクトといえるでしょう。






出典・参考資料

  • 名古屋ステーション開発株式会社ほか
    「中川運河堀止地区開発『NAKAGAWA CANAL DOORS』開業について」(2026年1月29日)

  • 日本経済新聞
    「名古屋・中川運河『キャナルドアーズ』6月開業 ホテルやレストラン」(2026年1月29日)

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