出展:橿原文化会館
奈良県と橿原市は、近鉄大和八木駅北側エリアの再整備について、両者が連携して検討を進める方針を確認しました。2026年1月5日に県庁で開かれた「第6回まちづくり協議会」で合意したものです。
今回の協議は、もともと進められてきた(仮称)医大新駅周辺のまちづくりに加え、新たに大和八木駅北側も検討対象とする形で拡大されました。
検討対象は文化会館・市営駐車場など駅北側一帯

出展:奈良県
県と橿原市の共同資料によると、検討対象には少なくとも以下が含まれます。
- 県橿原文化会館(橿文)
- 市営駐車場
- 周辺の民間所有地等
駅北側は、近鉄大阪線と橿原線が交差する交通結節点で、県内でも利便性の高いエリアと位置づけられています。一方で、駅前としての将来像が十分に整理されていないことが課題とされてきました。
県と市は、エリア全体の将来像や土地利用の方向性について、2026年度以降に具体的な検討を進めるとしています。
民間収益施設を含む複合化を視野

カンデオホテルズ奈良橿原と橿原市役所分庁舎が入居する複合ビル
共同発表資料では、にぎわい創出の観点から、商業テナントや住宅、ホテルなどの民間収益施設と公共公益施設を組み合わせた複合利用の可能性を視野に入れるとしています。
ただし、現時点で施設内容や規模、事業手法、完成時期などは決まっていません。あくまで「可能性を含めて検討する」段階です。今後は、対象範囲の確定、導入機能の整理、事業スキームの検討などを経て、具体像が固まっていく見通しです。
最大の焦点は橿原文化会館の扱い

出展:橿原文化会館
再整備の中心となる橿原文化会館は、1982年開館の県有施設です。老朽化が進み、大規模改修には22億円以上が必要とされています。
県は、2031年の国民スポーツ大会(国スポ)に向けて医大新駅西側に新アリーナを整備し、橿原文化会館の主要機能を移転したうえで閉館する方針を示しています。
新アリーナ計画の概要
場所: 医大新駅西側(当初検討されていた橿原公苑から変更)
規模: 床面積2,500㎡以上、観客席5,000席
用途: スポーツに加え、音楽イベントなど多目的利用
事業費: 新アリーナ単体で約135億円、関連施設を含めた総事業費は約200億円~250億円を想定
完成目標: 2030年度
2024年11月に整備予定地が医大新駅西側に正式決定され、さらに2025年11月には駅東側約3haも事業エリアに追加。商業施設などの民間収益施設と一体的に整備する方針が固まりました。
一方、橿原市は、大和八木駅周辺に文化ホール機能が必要との立場を示しています。文化機能をどこでどのように確保するのかは、今後の協議の重要な論点となります。
県が描く「中南和の拠点」構想
奈良県は、大和八木駅北側を中南和地域の成長をけん引する拠点にしたい考えを示しています。
駅前には県有地と市有地が一定規模でまとまって存在しており、民間活力を導入しやすい条件が整っています。今回の再整備検討は、文化施設の単体更新ではなく、駅前全体の都市機能を再構成する取り組みとして位置づけられます。
今後のスケジュール

出展:奈良県
・2026年度以降: 県と橿原市が共同検討を開始
・検討内容: 対象範囲や導入機能、事業手法を具体化
・調整事項: 橿原文化会館の機能再編との整合を図る
完成年度や具体的な建物計画が示されるのは、それ以降となる見込みです。
まとめ
・大和八木駅北側で県と橿原市が再整備を共同検討
・対象は橿原文化会館、市営駐車場、周辺民有地等
・民間収益施設と公共機能を組み合わせた複合化を視野
・橿原文化会館の機能は医大新駅西側の新アリーナ(事業費約135~250億円、2030年度完成目標)へ移転予定
・文化ホール機能の確保が最大の焦点
・2026年度以降に具体的な検討が本格化
現時点では「再開発決定」ではなく、「将来像を描く段階」に入ったというのが正確な位置づけです。今後の協議の進展が注目されます。
出典
奈良県公式「近鉄大和八木駅周辺プロジェクトについて」奈良県「第6回まちづくり協議会」資料(2026年1月5日)
橿原市公式「近鉄大和八木駅周辺プロジェクト」
奈良県「新アリーナ整備予定地について」(2024年11月27日知事臨時記者会見)
日本経済新聞(新アリーナ関連報道、2024年11月27日)
奈良新聞デジタル(第6回協議会関連記事)

