『大阪ダイヤモンド地区』歩行者中心の街へ!大和ハウスが公共空間の社会実験を実施、新マルビル完成後のエリアマネジメントを見据える




大和ハウス工業は2026年10月20日、JR大阪駅前の「大阪ダイヤモンド地区」で、公共空間の活用によるにぎわい創出や回遊性向上を検証する社会実験を実施すると発表しました。期間は10月23日から25日までの3日間で、大阪駅前第2ビル北側のサンクンガーデンを活用します。

大阪ダイヤモンド地区では、大阪市が車道の一部を歩行者空間に転換する構想を検討しており、高さ約190mの「大阪マルビル建替プロジェクト」も進行しています。

今回の社会実験は、こうした都市空間の再編と並行して、街をどのように活用するかを検証する取り組みです。

歩行者空間化が検討される大阪ダイヤモンド地区



大阪ダイヤモンド地区は、御堂筋、四つ橋筋、国道2号などに囲まれた大阪駅南側の約10haのエリアです。阪神百貨店や大阪駅前ビル群、ヒルトン大阪などが集積する一方、地区内には幅員の広い車道が残されており、歩行者の回遊性向上が課題となっています。

大阪市は2025年、車道の一部を歩道などに再配分し、人を中心とした道路空間を形成するための検討調査を進めました。調査には日建設計などで構成する共同企業体が選定されています。当ブログでも、2025年2月7日の記事で、この歩行者空間化構想を紹介しました。

道路の再編によって歩行環境を改善する一方、歩行者が立ち寄り、過ごせる場所をどう確保するか。今回の社会実験は、その「滞在空間の使い方」を検証するものです。

サンクンガーデンを活用した社会実験


会場となるのは、ディアモール大阪地上部のサンクンガーデンです。周囲の地盤面より一段低い広場に芝生や植栽、ベンチを配置し、飲食店舗や音楽イベントなどを通じて来街者の行動変化を調べます。
項目 内容
名称 大阪ダイヤモンド地区公共空間活用社会実験
実施期間 2026年10月23日~25日
会場 大阪駅前第2ビル北側サンクンガーデン
イベント 23日16:00~20:00、24日10:00~18:00
実施内容 飲食・雑貨店舗、音楽ライブ、芝生・植栽・ベンチの設置、スタンプラリー
検証項目 来街者数、滞在時間、回遊行動、安全性、満足度
調査協力 関西学院大学・松村茂久教授、日建設計
調査では、通常時、ベンチ設置時、イベント実施時を比較し、公共空間の整備やイベントが人々の行動に与える効果を分析します。また、周辺で開催される「大阪ダイヤモンドフェスタ2026~Autumn~」などと連携し、地区全体への回遊促進も試みます。

大阪マルビル建替と一体で進める街づくり



今回の社会実験は、大和ハウス工業が進める「(仮称)大阪マルビル建替プロジェクト」に関連した取り組みです。

新マルビルは、都市再生特別地区「梅田一丁目中央地区」の制度を活用した大規模複合開発で、2026年7月に現地掲示された建築計画によると、地上42階・地下3階、高さ190.35m、延床面積約7.28万㎡。ホテル、オフィス、劇場、美術館などを備え、2030年12月の竣工を予定しています。

大和ハウス工業は竣工後、開発敷地だけでなく大阪ダイヤモンド地区全体を対象に、企業や行政などと連携したエリアマネジメントを計画しています。今回の調査結果は、その具体的な運営方法を検討するための基礎資料となります。

今後の展望:大阪駅南側も「歩いて楽しめる街」へ



大阪駅北側では、グラングリーン大阪の開業によって、大規模な公園を中心とした歩行者主体の都市空間が生まれました。一方、南側の大阪ダイヤモンド地区は、商業・業務機能が高密度に集積しているものの、地上部は自動車交通を重視した道路構造となっています。

今後、道路空間の再編と新マルビルの開発、公共空間の活用が組み合わされば、地区内の移動のしやすさだけでなく、街そのものの滞在価値を高められる可能性があります。

ただし、今回の社会実験と大阪市の道路空間再編は別の取り組みであり、車道削減や歩行者専用化などの具体的な整備内容が決定したわけではありません。

注目したいのは、超高層ビルの建替えにとどまらず、その周囲の道路や広場を含めて大阪駅前の都市空間を再構築しようとする動きです。

新マルビルが完成する2030年に向けて、地区全体の歩行者空間化がどこまで具体化するのか。大阪駅南側の街並みと人の流れを変える取り組みとして、今後の進展が注目されます。




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