高松空港の国際線ターミナル増築部が完成!チェックインを2階へ移転、2027年春に「同時間帯3便対応」へ


出典:高松空港株式会社/パース提供:大成建設株式会社

高松空港で進められている国際線エリアの増改修事業が、新たな段階に入りました。

2026年10月5日、旅客ターミナル西側に整備された増築部の竣工式が行われ、10月15日には国際線チェックインカウンターが1階から2階の新エリアへ移転し、供用を開始しました。

今回の増築部は鉄骨造3階建て、延床面積約3,300㎡。今後は既存部分約2,500㎡の改修を進め、2027年3月末までに国際線の出発・到着機能を拡張します。最終的には、同時間帯に国際線3便を受け入れられるターミナル機能の確保を目指しています。

高松空港の2025年度国際線旅客数は約51万8,000人と過去最高を記録。2026年冬ダイヤでは週36往復の国際線が設定され、中四国有数の国際航空拠点へと成長しています。

今回の増改修は、増加する旅客への対応に加え、航空会社が希望する時間帯に複数便を受け入れられる体制を整え、さらなる路線拡大につなげるための投資です。

10月15日から新チェックインエリアを供用


出典:高松空港株式会社/パース提供:大成建設株式会社

新たな国際線チェックインエリアは、ターミナル2階の増築部分に整備されました。

従来の国際線カウンターは1階に設けられていましたが、今回の移転によって、チェックインから保安検査、出国審査、搭乗までの主要な出発手続きを2階に集約しています。

国際線エリア増改修計画の概要

項目 整備内容
事業名 高松空港旅客ターミナルビル 国際線エリア増改修工事
増築部分 鉄骨造3階建て、延床約3,300㎡
既存部改修 約2,500㎡
チェックイン 1階から2階へ移転
国際線カウンター 16→20カウンター(25%増)
カウンター総数 国内線との共用分を含め23カウンター
チェックイン待機スペース 従来の約2倍
搭乗待合室・出発ゲート 施設容量を約50%拡大
入国審査場・手荷物受取場 施設容量を約100%拡大
最終目標 国際線の同時間帯3便受入れ
新チェックインエリア供用 2026年10月15日
出発・到着機能の拡張完了 2027年3月末まで
※施設容量の拡大率は、2024年12月発表の当初計画に基づく数値です。

新しいチェックインエリアでは、旅客の待機スペースを約2倍に拡張。混雑が集中しやすかった昼前後の時間帯にも対応しやすくなりました。

また、従来は1階で手続きを終えた後、2階の保安検査場へ移動する必要がありましたが、出発手続きの主要機能を同一フロアに配置することで、旅客動線を簡素化しています。

航空会社やグランドハンドリング事業者の作業環境にも配慮されており、手荷物搬送設備の床面との段差をなくすなど、業務効率の改善も図られています。

最大の目的は「国際線3便を同時間帯に処理できる空港」への転換


出典:高松空港株式会社/パース提供:大成建設株式会社

今回の増改修で重要なのは、ターミナルの床面積以上に、ピーク時間帯の処理能力を引き上げることです。

高松空港は2024年12月に増改修計画を発表した際、従来の国際線施設では同時2便の受入れにも十分な容量がないことを課題として挙げていました。

このため、航空機の駐機機能からチェックイン、保安検査、出国審査、搭乗待合室、入国審査、手荷物受取まで、一連の工程を段階的に増強しています。

段階的に進む国際線の受入能力強化

時期 主な整備・改善内容
2023年12月20日 国際線保安検査場を1→2レーンに拡張
2024年3月 国際線チェックインカウンターを共用化
2025年10月16日 7番スポット旅客搭乗橋の供用開始
2026年10月15日 2階新チェックインエリアの供用開始
2026年12月頃 国際線到着動線・入国審査場の拡張移転予定
2027年3月末まで 出発・到着機能の拡張完了予定
2025年10月16日には、7番スポットの旅客搭乗橋(PBB)が供用を開始しました。これにより、搭乗橋を利用できる国際線の駐機能力は、従来の最大同時2便から3便へ拡大しています。

ただし、航空機を3機駐機できても、ターミナル内部で3便分の旅客を処理できなければ、空港全体の受入能力は十分に高まりません。

今回のチェックイン機能の拡充に続き、出発ゲートや搭乗待合室、入国審査場、手荷物受取場を整備することで、駐機場から出発・到着手続きまでを一体で強化する計画です。

同時間帯3便対応は、単一の設備増強ではなく、空港内の複数のボトルネックを解消することで実現します。

国際線旅客は年間約52万人、中四国最多の規模に

高松空港の2025年度国際線旅客数は約51万8,000人となり、過去最高を更新しました。KSB瀬戸内海放送によると、国際線旅客数は全国の空港で11位、中四国では最多です。

2026年に入ってからも、韓国・台湾方面を中心に航空ネットワークの拡充が進んでいます。

高松空港の国際線利用・運航状況

指標 実績・計画
2025年度国際線旅客数 約51万8,000人(過去最高)
全国順位 11位
中四国順位 1位
2026年8月国際線旅客数 36,070人(公表対象路線)
同・前年同月比 123.9%
同・座席利用率 88.8%
2026年冬ダイヤ 週36往復
運航先 アジア6都市(定期チャーター便を含む)
※2026年8月の旅客数は、非公表の香港線・台中線およびチャーター便を除く速報値です。前年から路線構成が変化しているため、増加率は同一条件の路線比較ではありません。

高雄線が就航、釜山線も運航期間を延長

2026年9月17日には、チャイナエアラインが高松―高雄線の定期チャーター便を開設しました。A321neo(235席)を使用して週3往復運航し、2027年3月27日まで継続する予定です。当面は台湾側のみで航空券を販売しています。

また、2026年3月31日に就航したエアプサンの高松―釜山線も、好調な利用状況を背景に運航期間を2027年3月27日まで延長。10月25日からは運航曜日を月・木・土曜日に変更し、週3往復を維持します。

これにより、運休中の上海線を除き、ソウル、釜山、台北、台中、香港、高雄の6都市に国際線ネットワークが形成されています。

香川県はさらに、ベトナムやタイなど東南アジア方面への新規路線誘致にも意欲を示しています。

高松空港の国際線エリア増改修は、既存路線の混雑緩和にとどまらず、今後の新規就航や増便に必要な受入余力を確保する意味を持っています。

地方空港で重要性を増す「複数便同時処理」


出典:高松空港株式会社

国際線需要が拡大する地方空港では、滑走路や駐機場に余力があっても、ターミナル内部の処理能力が増便の制約になる場合があります。

茨城空港も、同様の課題を抱える地方空港の一つです。

同空港の旅客ターミナルは2010年、国内線・国際線それぞれ1時間当たり最大1便の受入れを前提に設計されました。

しかし、複数便が集中すると、保安検査場やチェックインカウンター、搭乗待合室、手荷物受取場などで処理能力が不足することから、茨城県は2025年7月に策定した「茨城空港将来ビジョン」で、国内線・国際線それぞれ1時間2便以上への対応を目指す方針を示しています。

地方空港における施設能力強化の方向性

空港 従来の施設能力・課題 整備の方向性
高松空港 国際線2便同時処理にも容量不足 同時間帯3便対応へ拡張
茨城空港 国内・国際それぞれ1時間1便を前提に設計 国内・国際それぞれ1時間2便以上に対応
地方空港に一律の「2便同時対応」という整備基準があるわけではありません。しかし、航空路線の拡充が進むほど、希望する時間帯に航空機と旅客を受け入れられる能力が重要になります。

航空会社は、相手国側の発着枠、機材や乗務員の運用などを組み合わせてダイヤを設定するため、空港側の都合だけで発着時間を変更することは容易ではありません。

航空会社にとって使いやすい時間帯を提供できるかどうかは、地方空港の路線誘致競争にも影響します。

高松空港が同時間帯3便対応を目指す背景には、こうした航空ネットワークの拡大に伴う施設需要の変化があります。

2027年春に出発・到着機能の拡張完了へ

2026年10月の増築部供用は、国際線エリア増改修事業の一段階にすぎません。

高松空港は今後、既存国際線エリアの改修を本格化させ、2026年12月頃には入国審査場などの到着動線を増築部1階へ移転する計画です。

出発・到着機能の拡張は2027年3月末までに完了させる予定で、国際線搭乗待合室内の商業エリアについては2027年度上期の完成が見込まれています。

今後の整備スケジュール

時期 主な整備内容
2026年12月頃 国際線到着動線・入国審査場の拡張移転
2027年3月末まで 出発ゲート、搭乗待合室、入国審査場、手荷物受取場などの機能拡張完了
2027年度上期 国際線搭乗待合室内の商業エリア拡充
空港機能としての受入能力を2027年春までに整え、その後、免税店などの商業機能を充実させる工程です。

高松空港は四国・瀬戸内の国際ゲートウェイとして新たな段階へ


出展:国土交通省

高松空港では、国際線旅客数が年間50万人を超え、複数のアジア路線が日常的に運航されるようになりました。

かつての地方空港では、国際線を誘致し、路線を維持すること自体が重要な課題でした。しかし、高松空港では路線網の拡大に伴い、複数便が集中する時間帯の旅客をいかに円滑に処理するかが、次の成長を左右する要素になっています。

今回の増改修によって、国際線を同時間帯3便受け入れられる体制が整えば、航空会社のダイヤ設定に対する柔軟性が高まり、既存路線の増便や新規就航の可能性も広がります。

もちろん、施設能力の拡充だけで新たな路線が実現するわけではありません。持続的な旅客需要の確保や地域の誘客活動も必要です。

それでも、航空会社が就航を検討する際に、空港の施設容量が制約になりにくい環境を整える意義は大きいといえます。

高松空港の国際線エリア増改修は、四国・瀬戸内と海外を結ぶ航空ネットワークの成長を支える基盤整備として、重要な節目を迎えています。




出典

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