札幌駅北口に新たなオフィスビル!西松建設×東急不動産「札幌北7西1建替えプロジェクト」が着工、延床1.27万㎡・2028年春竣工へ



西松建設と東急不動産は、札幌市北区で進める「(仮称)札幌北7西1建替えプロジェクト」について、2026年9月1日に本体工事へ着手しました。竣工は2028年春頃を予定しています。

計画地はJR札幌駅北口から徒歩4分、地下鉄東豊線「さっぽろ」駅から徒歩1分。地上10階、延床面積約1万2,696㎡のオフィス・店舗などを整備します。

札幌では近年、新築オフィスの供給が相次ぎ、空室率が上昇する一方、賃料は上昇基調を維持しています。市場は、慢性的な供給不足を背景にした局面から、立地や築年、設備、フロア効率などによって物件が選別される局面へ移りつつあります。

今回のプロジェクトは、そうした変化の中で札幌駅北口に加わる新たなオフィス供給となります。

「札幌北7西1建替えプロジェクト」の概要


項目 内容
計画名称 (仮称)札幌北7西1建替えプロジェクト
所在地 北海道札幌市北区北7条西1丁目18番1号
交通 JR札幌駅徒歩4分、地下鉄さっぽろ駅徒歩1分
用途 事務所、店舗、駐車場
構造 鉄骨造、一部CFT造
階数 地上10階
敷地面積 1,637.15㎡
延床面積 12,696.22㎡
貸室面積 9,230.32㎡
基準階面積 1,195.83㎡
事業主 西松建設、東急不動産
設計監理 西松建設
施工 西松・岩田地崎特定建設工事共同企業体
建物管理 西松地所
着工 2026年9月1日
竣工 2028年春頃予定

札幌駅北口に約300坪級の新築オフィス



計画地は、札幌駅の北東側にあたる北7条西1丁目です。

オフィスフロアは約300坪規模、天井高2,800mmの無柱空間を確保します。フロアプランでは約97坪、約208坪などへの分割利用も想定されており、企業の規模や働き方に応じて柔軟に使える構成とします。

事業は西松建設と東急不動産が共同で進めます。西松建設が持つ開発・設計・施工のノウハウと、東急不動産がオフィス事業で培ってきたリーシングや運営の知見を組み合わせ、札幌駅周辺での需要獲得を図ります。

札幌駅徒歩圏という立地に加え、まとまった面積を確保しやすい整形フロアを備えることで、拠点統合や移転需要にも対応しやすいオフィスとなりそうです。

北海道産素材をデザインと低炭素化に活用



建物のデザインコンセプトは、「北海道の自然と調和する温もりの空間」。外観には雪解けをイメージした縦方向のラインを設け、札幌軟石などの道産材を採用します。地域性を意匠に取り込みながら、札幌駅周辺の都市景観になじむ外観を目指します。

環境面では、西松建設、戸田建設、室蘭工業大学が研究開発を進める北海道産の火山ガラス微粉末を使用した低炭素コンクリートを、サブエントランスの壁面や土間などに使用する計画です。

セメントの一部を地域産材料に置き換えることで、CO2排出量の削減と建設資材の地産地消を進めます。札幌軟石を意匠に、火山ガラスを環境性能に活用することで、北海道産素材を建物のデザインと低炭素化の双方に取り込む点が特徴です。

札幌オフィス市場は「供給増でも賃料上昇」



札幌のオフィス市場では、2026年にまとまった新規供給が発生しています。CBREによると、2026年1~3月期に2.8%だった札幌中心部の空室率は、4~6月期に4.1%へ上昇しました。同期間には新築2棟で9,500坪を超える貸室が供給されています。

一方、想定成約賃料は1坪あたり1万6,190円から1万6,300円へ上昇しました。三鬼商事の2026年8月調査でも、札幌ビジネス地区の平均空室率は4.76%まで上昇する一方、平均募集賃料は1万1,371円/坪と上昇しています。

両社では調査対象や賃料の定義が異なりますが、共通するのは、新規供給によって空室率が上昇する一方、賃料は下落していない点です。

背景には、拡張移転や拠点統合、立地改善、新築・築浅ビルへの移転需要があります。新しいビルが需要を吸収する一方、移転元となった既存ビルでは二次空室が発生するケースも増えています。札幌市場は、床そのものが不足する段階から、企業がより条件の良いオフィスを選ぶ段階へ移行しつつあります。

2028年、札幌駅前で次の大型供給

本計画が完成する2028年は、札幌駅周辺のオフィス供給にとっても節目の年となります。札幌駅南口正面では、北4西3地区第一種市街地再開発事業が2028年7月末の竣工を予定しています。

地上33階・地下7階、延床面積約20.4万㎡。オフィス、宿泊施設、商業施設などで構成する大規模複合開発で、地下鉄南北線さっぽろ駅や札幌駅前通地下歩行空間とも接続します。また、2027年には札幌ダイビル再開発プロジェクトも竣工予定で、札幌中心部では新しいオフィス供給が続きます。

北7西1は、2026年の新規供給を市場が消化していく過程を経て、札幌駅周辺で次の供給サイクルが動き出すタイミングに完成します。
時期 主な供給
2026年 新築オフィスのまとまった供給で空室率上昇
2027年 札幌ダイビル再開発プロジェクト
2028年春 札幌北7西1建替えプロジェクト
2028年7月 北4西3地区第一種市街地再開発事業

「新築」だけではなく、立地と使いやすさが問われる市場へ



今後の札幌では新規供給が続く一方、コールセンターなど一部の需要では賃借面積を縮小する動きもみられます。このため、オフィス選びでは新築かどうかだけでなく、駅へのアクセス、フロア効率、設備、環境性能、賃料などを含めた総合的な条件が、これまで以上に重視されることになりそうです。

「札幌北7西1建替えプロジェクト」は、超高層の大規模再開発ではありません。一方で、札幌駅北口の駅近立地に、約300坪級の使いやすいフロアを確保する中規模オフィスという明確な特徴があります。

札幌のオフィス市場が供給不足から選別の局面へ移る中で、2028年の完成時にどのような企業を取り込むのか。今後は、正式名称や入居テナント、店舗構成などの具体化が注目されます。




出典

  • 西松建設・東急不動産「(仮称)札幌北7西1建替えプロジェクト」着工発表(2026年9月17日)
  • CBRE「北海道-市場動向と賃料相場 2026年3月期・6月期」
  • 三鬼商事「札幌の賃貸オフィスの賃料相場・空室率」2026年8月
  • ダイビル「札幌ダイビル再開発プロジェクト/北4西3地区第一種市街地再開発事業」

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