
京都市西京区の洛西ニュータウンで44年間営業し、2026年8月3日に閉店した髙島屋洛西店。その跡地を取得したハイネスコーポレーションが、2026年中に既存建物の解体工事へ着手する予定であることが分かりました。
跡地では、同社が展開するシニア向け分譲マンション「中楽坊」100~150戸程度を計画。従来報道では2027年夏ごろ着工、2029年夏ごろの入居開始が想定されています。高島屋は跡地を「マンション及び商業施設の候補地」としており、百貨店を中心とした街区から、住宅を軸に商業・公共空間を組み合わせるタウンセンターへの転換が進むことになります。
結局、何ができて、いつ変わる?
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 場所 | 京都市西京区大原野東境谷町2丁目5-5 |
| 旧施設 | 髙島屋洛西店。1982年4月開業、2026年8月3日閉店 |
| 取得者 | ハイネスコーポレーション |
| 既存建物 | 2026年中に解体着手予定 |
| 跡地利用 | シニア向け分譲マンションを中心に開発 |
| 住宅 | 「中楽坊」100~150戸程度を計画(報道段階) |
| 商業機能 | 高島屋は「マンション及び商業施設の候補地」と説明 |
| マンション着工 | 2027年夏ごろを想定(2025年時点の報道) |
| 入居開始 | 2029年夏ごろを想定(同) |
| 周辺再整備 | タウンセンター広場・小畑川中央公園などを一体整備 |
| 周辺完成目標 | 2028年度末ごろ |
なぜ髙島屋を壊して再開発するのか

出展:GoogleMAP
直接の理由は、築40年以上となった百貨店をそのまま維持することが難しくなったためです。高島屋によると、洛西店は2024年度に営業赤字となり、2025年度以降も黒字化の見通しが立っていませんでした。店舗を維持するには今後多額の設備投資も必要となる一方、その投資を回収できる見通しが立たないことから、営業終了と土地・建物の売却を決定しました。
| 閉店・再開発に至った要因 | 内容 |
|---|---|
| 採算 | 2024年度に営業赤字 |
| 将来性 | 2025年度以降も黒字化の見通しが立たず |
| 建物 | 1982年開業で40年以上が経過 |
| 投資 | 営業継続には多額の設備投資が必要 |
| 判断 | 投資回収が難しく、閉店・売却へ |
「百貨店跡のマンション化」だけではない

出展:ハイネスコーポレーション 「中楽坊」の施設イメージ。洛西の完成予想図ではありません。
今回の開発は、髙島屋跡地だけを見ると百貨店から住宅への用途転換ですが、背景には洛西ニュータウン全体の再生があります。京都市は2023年、洛西ニュータウンのタウンセンター地区でマンションを建設できるよう都市計画を変更しました。当時、市が掲げていたのは「賑わい×マンション」です。若い世代を呼び込む住まいづくりを進めるため、「ファミリー向け分譲マンション事業者と髙島屋との連携による一体的な整備」の検討にも着手していました。
ところが、その後は髙島屋自身が店舗存続を断念。最終的に跡地を取得したのは、ファミリー向けではなくシニア向け分譲マンションを主力とするハイネスコーポレーションでした。同社は約3,600㎡の敷地を取得し、「中楽坊」100~150戸程度を建設する計画と報じられています。京都府内では初進出となる見込みです。
ここは洛西再生の当初構想から変化した部分です。
一方、住宅導入そのものは京都市が進めてきたタウンセンター再編の方向性と一致しています。今後の焦点は、シニア向け住宅の導入と、地域の賑わいを支える商業機能をどう両立させるかになりそうです。
周辺も再整備、2028年度末ごろに大きく変わる
髙島屋跡地と並行して、京都市はタウンセンター広場と小畑川中央公園の一部を一体的に再整備します。計画では、商業空間と親水空間を結ぶ「ウォーカブルロード」、交流広場「ミクスドスクエア」、木陰やインクルーシブ遊具を備える「ラウンジパーク」などを整備。広場や公園、小畑川をつなぎ、子育て世帯をはじめ幅広い世代が利用・滞在できる空間への更新を目指しています。完成目標は2028年度末ごろです。
1980年代型ニュータウンの中心を再編へ
| 時期 | 動き |
|---|---|
| 1982年4月 | 髙島屋洛西店開業 |
| 2023年11月 | タウンセンター地区の都市計画を変更、マンション建設が可能に |
| 2025年10月 | 高島屋が洛西店閉店・土地建物売却を発表 |
| 2025年10月 | ハイネスコーポレーションによる「中楽坊」計画が判明 |
| 2026年8月3日 | 髙島屋洛西店が閉店 |
| 2026年9月1日 | タカシマヤローズショップ洛西開業 |
| 2026年中 | 旧髙島屋建物の解体着手予定 |
| 2027年夏ごろ | 「中楽坊」着工予定(従来報道) |
| 2028年度末ごろ | タウンセンター広場等の再整備完成目標 |
| 2029年夏ごろ | 「中楽坊」入居開始予定(従来報道) |
今回の動きを単純な「百貨店の閉店」と捉えると、全体像が見えにくくなります。洛西ニュータウンは1970~80年代に整備され、髙島屋はその中心商業機能を担ってきました。しかし開業から40年以上が経過し、街も施設も更新期を迎えています。
そのため今後は、百貨店を核としたタウンセンターから、住宅・商業・公園・広場を組み合わせた生活拠点へ再編されていくことになります。

2026年中に予定される髙島屋建物の解体は、その転換が目に見える形で始まる節目となります。跡地マンションの具体的な規模や商業機能が明らかになれば、洛西タウンセンターの将来像もさらに鮮明になりそうです。
出典
- 株式会社高島屋「高島屋洛西店の営業終了に関するお知らせ」
- 株式会社高島屋「高島屋洛西店終了と『タカシマヤローズショップ洛西』開設のお知らせ」
- 建設経済新聞「髙島屋洛西店跡の既存建物 令和8年中に解体着手を予定」(2026年9月28日)
- 毎日新聞「高島屋洛西店、26年8月閉店へ 跡地にシニア向けマンション 京都」
- 京都市「市長記者会見(2023年11月17日)」
- 京都市「洛西“SAIKO”プロジェクト みんなで進める!実行策」
- 京都市「洛西タウンセンターエリアにおける公共空間再整備構想」
- 京都市「タウンセンター広場再整備のイメージパース(基本設計時)」
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