新石川県立中央病院は、隣接地に移転後、30年以上が経過し老朽化が進行してる現在の病院を建て替える、大型病院の建て替え計画で2018年1月9日に開院しました。旧病院施設は、何度も増築や改築を行ってきましたが、高度医療施設が導入出来る部分が不足しており抜本的解決策として建て替えが決定され、新病院が建設されました。
→石川県公式HP
http://www.pref.ishikawa.lg.jp/iryou/kentyu/documents/kihonsekkeinoyouten.pdf
(1)敷地概要
・所在地 :石川県金沢市鞍月東2丁目 地内 ・敷地面積 :約 96,000 ㎡ ・用途地域 :第二種住居地域、商業地域 ・法定建ぺい率:60%、80% ・法定容積率 :200%、400%
・建物名称 :石川県立中央病院 ・建物用途 :病院 ・建築面積 :約 11,000 ㎡ ・延床面積 :約 62,000 ㎡
(3)配置計画
①敷地北側に建設
・現病院を運営しながら建て替えを行うため、敷地北側(現病院の職員駐車場)に新病院を建設する。
・敷地南側には、まとまった駐車場を確保する。
②北側道路(西部中央通り線)に平行に配置 ・新病院は北側道路に平行に配置し、自然な街並み形成を図る。
・新病院配置を敷地形状に合わせることで、効率的に敷地を活用する。
・新病院南側に正面入口を設け、わかりやすい来院者動線を確保する。
・北側道路に救急車専用入口を設け、来院者と動線を分離する。
医療養環境と看護動線を重視したツインクロス型病棟
最近の大病院で見られるツインクロス型病棟が採用されています。ツインクロス型病棟は上の図の様な形状の病棟で、1フロア2看護単位を基本としたレイアウトで、患者・見舞客とスタッフの動線を分離し、スムーズな移動を実現する他、スタッフステーションを取り囲むように病室が配置されており、看護動線短縮と病室の見通しが良くなります。 また、多くのベッドサイドに十分な採光が取れる為、療養環境の向上が見込める形状となっています。
新病院は地下1階、地上10階で、延べ床面積は6.2万㎡で、屋上には来年秋導入予定のドクターヘリ用のヘリポートを備えています。外観は茶色と黒が基調で、近くにある石川県庁にも通じる色彩プランとなっています。総事業費は430億円。全国初となる女性専用外来や、手術室と小児病棟を同じフロアに配置した総合母子医療センターが整備されました。最新機器を備えた高度専門医療と、快適な療養環境で県民の健康を支えます。
順番に新病院を見てゆきます。まず驚いたのが身障者用の駐車スペース。雪国のお国柄を反映して、積雪に絶えられる広大な屋根が設置されていました。冬期の吹雪などを想定した、とてもありがたい造りです。
さらに病院正面の車寄せ。空港もビックリの広大さ!身障者用駐車スペースと同じく、雪よけの為に屋根が車道を覆う造りになっています。上の写真では天井が低く感じますが、実際は天井は十分以上の高さがあます。雪よけの為に車道に張り出した屋根が大きすぎて、錯覚をおこしています。
正面エントランスの様子です。
総合案内所付近の様子です。
奥は2階吹き抜けになっていました。
再び外にでて、新病院を見てゆきます。外装の茶色は石川県庁によく似ています。
県庁はこんな感じです。中央官庁もビックリの豪勢さです。
その石川県庁の最上階は展望スペースがあり、一般に開放されています。
新病院が完成した石川県立中央病院。現在は旧病院施設を解体し、駐車場やロータリーなど周辺整備が行われています。敷地面積が9.6ヘクタールもあるので将来は敷地内に他の施設が建設されるかもしれませんね。