大阪・彩都でデータセンター(DC)の建設ラッシュが起こっています。
世界的なデジタルインフラストラクチャ企業であるエクイニクスは、2021年12月16日付けのニュースリリースで、大手クラウドサービスプロバイダー(ハイパースケーラー)からの需要増大に応える為、xScaleデータセンターの国内2拠点目となるOS2xを大阪・彩都に開設したと発表しました。
OS2xは、大阪・彩都に開設された同社にとって西日本初(国内2拠点目)となるハイパースケーラー向けデータセンターで、2021年12月24日に開設されました。第1フェーズは約3,200㎡以上のコロケーションスペースを提供し、10メガワット(MW)以上のIT電力を供給する予定です。また、現在拡張工事(PHASE2)が行われており、最終フェーズ完成時には約4,900㎡のコロケーションスペースを提供し、14MWのIT電力を供給する予定となっています。
【出展元】
→エクイニクス、増大するハイパースケーラーの需要に応えるxScaleデータセンターを拡大
ハイパースケーラーの旺盛な需要が市場を牽引
市場調査などを手掛ける独Statista(スタティスタ)によると、2022年の世界のIT投資額は4.4兆ドルに達すると予測されており、インフレ率の上昇やロシアのウクライナ侵攻に代表される地政学的混乱、人材不足にもかかわらず、IT投資の減速は無いとみられています。
一方、2020年の国内クラウドプラットフォームサービス市場(IaaS/PaaS)は、約8,500億円と推定され、市場は急成長を遂げており、リモートワークの増加やDXに伴う柔軟なシステム環境の導入などが市場を牽引しています。今後も大企業のDXに関する継続的な需要増に加え、公共部門による採用増も寄与すると考えられており、2024年まで2桁の年平均成長率(CAGR)で推移し、国内市場は同年までに約1.74兆円に達すると予想しています。
エクイニクスが毎年発表している最新の年次市場調査「グローバル インターコネクション インデックス」(Global Interconnection Index、以下 「GXI」)の2021年版(GXI Vol. 5)によると、大阪圏のインターコネクション帯域は2020年から2024年にまでに50%のCAGRで増加することが見込まれています。
ハイパースケーラーは、クラウド導入に伴う高性能、一貫性、セキュリティ、耐障害性、ローカルデータレジリエンシーに対するニーズの高まりに対応するため、今後も大阪圏への投資を拡大していくものと思われます。
※ハイパースケーラー
AWS、Azure、Google Cloudなどの大手クラウドサービスプロバイダーを含む、グローバルな大規模事業者
※コロケーション
データセンター内に利用者が所有するサーバーやネットワーク機器などを設置するスペースを借りることのできるサービス
※インターコネクション帯域
企業やサービス間を直接相互接続する直接的および私的なトラフィック交換。企業間データ交換はプライベート接続へシフトする傾向にあり、2024年にはインターネット帯域の15倍にも拡大すると見込まれている
※レジリエンス/レジリエンシー
システムがサイバー攻撃を受けたとき、その影響を最小化し、早急に元の状態に戻す仕組みや能力のこと
計画概要
名称:OS2x(PHASE2)
所在地:大阪府箕面市彩都粟生北4丁目5番
用途:データセンター
構造:鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造
高さ:22.00m
階数:地上3階、地下1階、棟屋1階
敷地面積:28,163.58㎡
建築面積:12,000.00㎡ ※全体計画
延床面積:37,000.00㎡ ※全体計画
建築主:エクイニクス・ハイパースケール1・ジャパン特定目的会社
設計者:日建設計
施工者:清水建設
着工:2022年03月
竣工:2024年08月(予定)
2022年8月の様子
現地の様子です。エクイニクス「OS2x」は彩都の丘の上に位置しています。データセンターの立地には、地盤が強固で地震の影響を比較的受けにくく、河川から離れていて水害の可能性が低いなど、自然災害リスクが低い地域であることが求められます。
「OS2x」のメインエントランス付近の様子です。
撮影ポイントを変えて、北側から見た様子です。
敷地東側で拡張工事が行われています。
最後は離れた所から見た現地の様子です。