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大阪・関西万博にダイハツが電動カート「e-SNEAKER」150台を提供!史上最大規模の「歩車共存社会」実証実験が万博会場で始まる!

公益社団法人2025年日本国際博覧会協会は、2025年4月13日から10月13日まで開催される「大阪・関西万博」において、「未来社会ショーケース事業出展」の一環である「スマートモビリティ万博・会場内来場者向けパーソナルモビリティ」の協賛概要を発表しました。本事業では、ダイハツ工業株式会社(大阪府池田市)が協賛企業として参画し、同社が開発した電動カート「e-SNEAKER(イー・スニーカー)」150台を提供。来場者の移動支援とともに、歩行者とモビリティが共存する未来交通の社会実装を見据えた大規模実証が行われます。


歩車共存の新たな都市像を描く──万博ならではのフィールド実証


本取り組みの最も注目すべき点は、歩行者とパーソナルモビリティがリアルタイムで混在する公共空間を、数千万人規模の来場者によって長期間運用・実証するという、国内外でも例を見ない試みにあると言えます。

国内では、羽田イノベーションシティや渋谷駅周辺、名古屋駅構内などでモビリティと歩行者の共存を想定した実証が行われた事例があるものの、それらは限定的な空間・時間・人数での実験にとどまり、制度面・運用面の広域的検証には至っていません。国外でも、ドバイEXPO2020や中国・深圳などでスマートモビリティ導入の先進事例が見られますが、実運用では空間的に歩行者と分離されているケースが多く、歩車混在型の大規模運用とは一線を画します。

こうした中で、大阪・関西万博では150台のパーソナルモビリティを会場全体で運用し、歩行者と同一空間で長期間にわたり共存させる設計となっており、その運用データや課題は、今後の制度設計や都市政策にも重要な示唆を与えることが期待されます。


「e-SNEAKER」の魅力と機能──安心・快適・日本らしさを備えた次世代モビリティ


提供される「e-SNEAKER」は、ダイハツが「お客様に寄り添い、暮らしを豊かにする」という理念のもと開発した1人乗り電動モビリティです。目線の高いアップライトパッケージは、利用者に安心感と見通しの良さをもたらし、同行者との自然な会話も可能にします。ステップはフラットで、乗り降りもスムーズ。特に高齢者や体力に不安のある方にとって、非常に扱いやすい設計です。

搭載されるバッテリーは脱着式のリチウムイオン型で、軽量かつ充電場所を選ばない仕様となっており、運営面での柔軟性にも優れています。安全性においては、障害物検知機能や接触停止機能を標準装備し、混雑した会場内でも安心して利用できます。収納スペースも備えられ、利便性にも配慮されています。

さらに、外装には日本の伝統色と文様を採用し、視認性とデザイン性を両立。桜色+花柄、藍色+亀甲、抹茶色+青海波、鬱金色+市松模様といった4種のバリエーションで、日本文化の美しさを表現しています。


サービスの運用概要──誰もが使える“未来の足”

本モビリティサービスは、「静けさの森」など一部エリアを除く一般来場者エリア内で運用され、対象者は高齢者や長距離歩行が困難な方に加え、一般来場者も利用可能。1回の貸出は最長4時間まで、予約不要の当日貸出制となっており、利用は無料です。貸出受付は20時まで、返却は21時まで随時対応されます。

会場内には貸出拠点(赤)、駐機場(青)、ロボットモビリティステーション展示(緑)を複数設置。視覚的にわかりやすい案内と導線で、スムーズな運用が図られます。


モビリティの実験場となる夢洲──多様な移動手段が交差する空間


大阪市此花区の人工島・夢洲を舞台に展開される大阪・関西万博の会場面積は約155ha。2005年の愛知万博(約173ha)よりややコンパクトながら、徒歩を基本とした回遊設計と、多様な移動支援技術が融合する空間となります。

会場外周では、EVバスが数分おきに運行され、一部車両では自動運転や走行中給電といった最新技術の実証が実施される予定です。また、物流支援として、営業中のパビリオンにも物資を届けるため、会場内には6カ所の踏切が整備され、30分ごとに最大3分間、来場者の動線を一時的に制限する運用が導入されます。


ダイハツの“万博スピリット”──55年ぶりの進化と継承

 

1970年の大阪万博では、ダイハツはパビリオンカーや警備用・移送用の電気自動車を提供し、会場の移動支援を担ってきました。今回の「e-SNEAKER」提供は、それから55年を経た再登場であり、技術と思想の両面で継承と進化を体現しています。

同社が提案するモビリティは単なる移動手段にとどまらず、「誰もが自由に移動できる社会」そのものを具現化するビジョンの一環であり、万博のテーマ「いのち輝く未来社会」にも合致する取り組みとなっています。

【出展元】
ダイハツ、2025年大阪・関西万博の未来社会ショーケース事業「スマートモビリティ万博・パーソナルモビリティ」に、「e-SNEAKER」を提供
ダイハツの電動カート「e-SNEAKER」、大阪・関西万博2025で150台を起用
Smart Mobility Expo スマートモビリティ万博

1 COMMENT

よっさんdsnmb

「人類の進歩と調和」
ダイハツの提供する電気で動く移動手段の進化と課題への取り組みは、正しく人類の進歩と調和そのものと言えます。

街は人が主体となるもの。
しかし、移動が困難な方もいる。
全ての方へ移動が楽な楽しい街へ。
そういう街は「いのち輝く未来社会」の「デザイン」がなされた街なんだと思います。

大阪、日本国のトップランナーです。

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