【再都市化ナレッジデータベース】←新規情報やタレコミはこちらのコメント欄にお願いします!

「(仮称)名古屋アリーナ」着工、2028年開業へ!収容客数1万人規模の多目的アリーナを整備“名古屋飛ばし”を終わらせる都市戦略とは?


名古屋アリーナの計画概要

2025年8月27日、名古屋市港区のみなとアクルスで「(仮称)名古屋アリーナ」が着工しました。事業主体は三井不動産・豊田通商・KDDI、設計・施工は大林組が担当します。2027年秋の竣工、2028年初頭の開業が予定されています。


  • 所在地:名古屋市港区金川町101番1

  • 敷地面積:約20,500㎡

  • 延床面積:約27,500㎡

  • 構造:鉄骨造・地上4階建

  • 収容人数:約10,000人

  • アクセス:地下鉄名港線「港区役所」駅 徒歩約8分

本アリーナは、B.LEAGUE1部「ファイティングイーグルス名古屋」のホームアリーナとして使用されるほか、音楽コンサートやスポーツイベント、展示会などに対応する施設となります。隣接する「ららぽーと名古屋みなとアクルス」との連携により、商業・エンタメ・居住が組み合わさった都市機能の強化が進められます。

名古屋が抱えてきた「アリーナ空白」

名古屋市はこれまで、1万人規模のアリーナが存在しないことが課題とされてきました。


  • バンテリンドームナゴヤ(約40,000人):大規模で、用途が限定される

  • IGアリーナ(約17,000人、2024年開業):大規模イベント向け

  • ポートメッセなごや、Aichi Sky Expo:展示・MICE利用中心

  • ZEPP名古屋、DIAMOND HALL:中小規模(数千人クラス)

この「極小~極大」の両極構造の間を埋める施設が不足していたため、全国ツアーなどで名古屋が外される「名古屋飛ばし」と呼ばれる現象が指摘されてきました。

関西の“警告”と名古屋への教訓

2024年2月、コンサートプロモーターズ協会(ACPC)関西支部会は、アリーナ不足が首都圏への一極集中を加速させ、関西での公演開催が難しくなると警告しました。


  • 首都圏では2030年までに1万人規模のアリーナが15施設以上開業予定

  • 関西圏は新設計画が3施設にとどまり、全国シェアは18%に低下

  • 関西公演は首都圏に比べて1.5倍の経費(移動・宿泊・輸送)が必要

  • 大阪城ホールは催事過密で、海外アーティストのスケジュール確保も難しい

このままでは「関西飛ばし」が加速するという懸念が示されました。こうした状況は名古屋にとっても無関係ではなく、都市として必要な規模の会場を確保することが重要と考えられます。

名古屋アリーナの目的と意図


1. 名古屋飛ばしへの対応

1万人規模の施設を整備することで、全国ツアーにおける名古屋開催の可能性を高め、アーティストやイベント主催者にとって採算の取りやすい選択肢を提供します。


2. 商業連動による経済効果

三井不動産が船橋で運営する「LaLa arena TOKYO-BAY」では、アリーナと隣接商業施設を連動させた結果、イベント日に来館者が30%増加したとされています。名古屋でも同様の回遊効果が期待されています。


3. スポーツ基盤整備

B.LEAGUE PREMIER参入を目指すFE名古屋にとって、1万人規模の本拠地は不可欠です。国際基準に対応した施設は観戦体験を向上させ、スポンサー獲得や経営安定に寄与します。


4. デジタル技術の導入

KDDIが参画することで、5GやXRなどを活用した「スマートベニュー」化が想定されています。来場者の体験価値を高め、名古屋をデジタル都市モデルの一つとして位置づける狙いがあります。


5. みなとアクルス第2期開発の中核

アリーナは「みなとアクルス」の中核施設として整備され、住宅・商業・多目的ホールと連携し、エリア全体の都市ブランドを高める役割を担います。

今後の展望と課題

名古屋アリーナの開業により、中部圏では「2,000人規模のライブハウス → 1万人規模の名古屋アリーナ → 1.7万人規模のIGアリーナ → ドーム級」という多層的な会場構造が完成します。規模に応じてイベントを誘致できる体制が整い、エンターテインメントやMICEの開催機会が広がるとみられます。

一方で、


  • 公演時の交通インフラ対策(名港線の混雑対応)

  • 周辺住民との調整(騒音・交通渋滞対策)

  • 稼働率を維持するための戦略的なイベント誘致

といった課題も残されています。

まとめ

名古屋アリーナは、
  • 名古屋飛ばしへの対策

  • 商業との回遊による経済効果

  • スポーツ・デジタル基盤の強化
    といった複数の目的を兼ね備えたプロジェクトです。

2028年の開業は、名古屋が文化・スポーツ・経済の各分野で存在感を高める契機となる可能性があります。

出典元


  • 三井不動産・豊田通商・KDDI「(仮称)名古屋アリーナ」着工プレスリリース(2025年8月27日)

  • 日本経済新聞「三井不動産、名古屋に1万人規模アリーナ着工」2025年8月27日

  • 音楽ナタリー「名古屋に収容1万人の新アリーナ建設、2028年初頭開業へ」2025年8月27日

  • オタク総研「脱“名古屋飛ばし”の一助に?収容1万人規模『名古屋アリーナ』着工」2025年8月28日

  • コンサートプロモーターズ協会 関西支部会「関西地区のアリーナ建設計画に関する声明」(2024年2月15日)

  • IGアリーナ(愛知国際アリーナ)公式発表・報道(2024年7月開業関連資料)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です