JR芦屋駅南再開発、2026年9月着工へ! 総事業費277億円、約30年越しの駅前再編、交通広場・歩行者デッキ・公共施設を一体整備



JR芦屋駅南側で進む「JR芦屋駅南地区第二種市街地再開発事業」が、2026年9月に着工します。

再開発ビルと駐輪場は2030年3月末に完成し、その後、道路や交通広場を整備します。事業全体の完了は2030年度末、2031年春ごろの予定です。

目的は、歩行者と自動車が混在する南口の交通環境を改善することです。再開発ビルだけでなく、交通広場、歩行者デッキ、立体駐輪場、公共施設を一体的に整備します。一方、計画の長期化や建設費の上昇により、総事業費は約277億3,000万円に達しています。

計画概要


項目 内容
施行者 芦屋市
特定建築者 東急不動産
建物規模 地下2階・地上11階、高さ約45メートル
延べ床面積 約1万6,080平方メートル
主な用途 住宅51戸、店舗、飲食店、診療所、事務所、公共施設、駐車場
公共整備 交通広場、歩行者デッキ、立体駐輪場、駅前道路
着工 2026年9月予定
建物完成 2030年3月末予定
全体完成 2030年度末予定
総事業費 約277億3,000万円

歩行者と自動車が混在する南口を再編



JR芦屋駅南口は駅前道路が狭く、歩道や乗降スペースも十分ではありません。駅利用者、送迎車、路線バス、タクシーが限られた空間に集中し、交通安全と乗り換え機能の不足が長年の課題となってきました。

計画では駅前道路を拡幅し、バス・タクシー乗り場と一般車の乗降スペースを備えた交通広場を整備します。駅と再開発ビルを結ぶ歩行者デッキや立体駐輪場、周辺道路もあわせて更新します。

再開発ビルの設計・建設と保留床の取得は、特定建築者に選定された東急不動産が担います。

約30年に及ぶ計画の経緯


時期 主な動き
1998~2000年 地元組織が発足し、基本構想を策定。
2001年 市の財政悪化を受け、事業を休止。
2011~2017年 検討を再開し、基本計画と都市計画を決定。
2018年 市施行の再開発事業として事業計画を決定。
2020~2022年 事業費や施設規模を見直し、事業を再始動。
2023~2024年 市長交代後に計画を再検証。事業者辞退を経て、東急不動産を選定。
2026~2031年 2026年9月着工、2030年度末の全体完成を予定。

市長交代後に道路計画を再検証

2023年の市長交代後、高島崚輔市長は特定建築者の募集をいったん停止し、計画を再検証しました。

焦点となったのは、駅前を東西に通る道路を廃止し、歩行者広場を拡大できないかという点です。しかし、交通シミュレーションでは、道路を廃止すると周辺道路の交通負荷が高まる可能性が示されました。

このため、東西道路を残す従来案を維持し、歩行者デッキの下りエスカレーターも計画に残されました。

完成後には、東西道路や一般車ロータリーへの車両進入を一時的に止め、歩行者空間として活用する社会実験も検討されています。通常時の交通機能を確保しながら、イベント時などに駅前空間を柔軟に使う考えです。

公共施設は約2.6倍に拡大



再開発ビルの3階には、芦屋市が所有する公共施設が入ります。

市の取得面積は、従来計画の約417平方メートルから約1,070平方メートルへ、約2.6倍に拡大されました。大原町にある図書館分室と市民活動センターを再編・統合し、図書、市民活動支援、交流などの機能を設けます。

用途を固定しすぎず、将来の市民ニーズにも対応できる柔軟な空間とする方針です。市民参加型の検討組織「あしやエキラボ」では、施設の使い方や運営方法の具体化を進めています。

総事業費は約80億円増加

最大の課題は、事業費の増加です。2018年に示された再開発本体の事業費は約130億円でしたが、この金額には道路などの関連事業が含まれていません。関連事業を含む同一基準では約197億円で、最新の総事業費は約277億3,000万円です。

比較可能な基準では約80億円増加したことになります。主な要因は、補償費や計画変更に加え、資材費と労務費の上昇です。

国庫補助を市の要望どおり確保できた場合、市の実質負担は約172億円となります。一方、今後の補助が要望額の4割程度にとどまれば、市負担は約214億円まで膨らむ試算です。

Xでは南口の交通安全改善を期待する声がある一方、事業費の増加や市の財政負担を懸念する意見もみられます。高島市長や市議、地域メディアも、計画の見直しや工事工程、国庫補助の状況を発信しています。

完成だけでなく、完成後の使われ方が問われる

約30年に及ぶ計画は、ようやく建設段階に入ります。ただし、再開発ビルが完成すれば成功というわけではありません。

南口の交通安全を高め、駅前に滞在空間と新たな人の流れを生み出し、公共サービスを充実させながら、膨らんだ財政負担を管理できるか。公共施設や商業床が継続的に使われる駅前を実現できるかが、この再開発の評価を左右します。




主な出典

  • 芦屋市「JR芦屋駅南地区第二種市街地再開発事業」
  • 芦屋市「これまでの経緯」「事業計画」「管理処分計画」
  • 芦屋市「事業の一部見直し」「公共施設の検討」
  • 東急不動産「JR芦屋駅南地区第二種市街地再開発事業 特定建築者決定」

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