旧千里阪急ホテル、8月3日から解体へ 延床2.7万㎡、千里中央再整備が次の段階に


阪急阪神不動産は2026年7月29日、大阪府豊中市新千里東町の旧千里阪急ホテルについて、8月3日から解体工事に着手すると発表しました。工期は約1年半を予定しています。

千里阪急ホテルは1970年3月1日に開業し、約56年間にわたって営業してきましが、2026年3月30日の宿泊利用をもって営業を終了しました。今回の解体により、千里阪急や千里セルシー跡地を含む千里中央地区の再整備に向け、旧ホテルが立地する公園南街区でも用地整理が始まります。

旧千里阪急ホテル解体工事の概要


項目 内容
所在地 大阪府豊中市新千里東町二丁目1番1、1番2〈地番〉
解体着手 2026年8月3日
工期 約1年半
完了予定 2027年11月末〈地域向け説明〉
竣工 1970年
規模 地下2階・地上7階
延床面積 27,002.08㎡
所有者 阪急阪神不動産
施工者 オクダ大阪〈地域向け説明〉

建物は地下2階・地上7階建て、延床面積は2万7,002.08㎡。阪急阪神不動産は、周辺環境への配慮を最優先に工事を進めるとしています。公式発表に先立つ7月19日には、新千里東町地域自治協議会で、豊中市、阪急阪神不動産、施工会社のオクダ大阪が工事計画を説明しました。

地域向け資料では、工事期間を2026年8月3日から2027年11月末までとし、作業時間は原則8時から18時までとしています。地域からは、工事車両の通行や待機場所、歩行者の安全確保、騒音・振動、アスベストを含む建材の適切な処理などについて、質問や要望が出されました。

大阪万博とともに誕生した「北摂の迎賓館」

千里阪急ホテルは、1970年大阪万博の開幕直前に開業しました。新大阪駅や大阪国際空港、万博会場へのアクセスに優れ、ガーデンプールや庭園を備えた都市型リゾートホテルとして注目を集めました。

設計は、倉敷アイビースクエアなどを手掛けた建築家・浦辺鎮太郎氏。赤い瓦屋根やアーチ形の窓、周囲の緑と調和した低層の建物群が、一般的な駅前ホテルとは異なる景観を形づくっていました。

開業後は、宴会場や結婚式場、チャペルなどを段階的に増築。宿泊に加え、婚礼や成人式、家族の記念日、企業・地域団体の会合にも利用され、長年にわたり「北摂の迎賓館」として親しまれてきました。

千里阪急・セルシー跡地と一体的に再開発

旧ホテル敷地は単独で開発されるのではなく、千里中央駅東側の千里阪急と千里セルシー跡地を含む、千里中央地区再整備計画の一部に位置付けられています。計画区域は、千里阪急とセルシー跡地を含む「駅東街区」と、旧ホテル敷地を中心とする「公園南街区」に大別されます。


街区 検討されている主な機能
駅東街区 千里阪急を核とする延床面積10万㎡級の大型商業施設
公園南街区 商業、にぎわい・交流機能、千里東町公園との連携
両街区共通 広場、歩行者ネットワーク、バリアフリー動線

阪急阪神不動産とエイチ・ツー・オー リテイリングは、両社が所有する敷地を一体的に再開発する方針です。

駅東街区では、千里阪急が入居する延床面積10万㎡級の大型商業施設を検討しています。公園南街区には、商業施設に加え、隣接する千里東町公園と連携した、にぎわい・交流機能を導入する構想です。

このほか、セルシー広場の記憶を継承する広場空間や、千里中央駅から千里東町公園までを結ぶ歩行者ネットワーク、段差を解消したバリアフリー動線なども整備方針に盛り込まれています。

豊中市も、駅東街区と公園南街区の一体的な更新を千里中央地区の主要プロジェクトに位置付けています。商業だけでなく、業務、生活、交流、居住などの機能を組み合わせ、北部大阪の広域拠点として再構築する考えです。

解体は進むが、新施設の計画は未公表

今回発表されたのは、旧ホテル建物の解体工事です。再開発施設の新築着工ではありません。跡地に整備する施設の用途や延床面積、高さ、住宅・ホテル機能の有無、着工・完成時期などは、現時点で公表されていません。

隣接する千里セルシーでも既存建物の解体が進んでいます。セルシーに続いて旧ホテルの撤去が始まることで、駅東街区と公園南街区の双方で、再整備に向けた用地整理が進みます。

1970年大阪万博とともに誕生した千里阪急ホテルは、2025年大阪・関西万博を見届けた後、約56年の歴史に幕を下ろしました。今後は、跡地に導入する機能と再開発本体の規模、事業スケジュールがどこまで具体化するかが焦点となります。





出典:阪急阪神不動産、阪急阪神ホールディングス、豊中市、新千里東町地域自治協議会、阪急阪神ホテルズ

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