
三交不動産株式会社と株式会社三交インは、近鉄四日市駅近くで複合ビル「四日市三交ビル ANNEX」を建設します。2026年4月1日に新築工事に着手し、2028年春の開業を予定しています。計画地は近鉄四日市駅から徒歩3分、駅前のメインストリート「中央通り」に面する立地です。建物は1階に店舗、2階から13階にホテルを配置する構成で、駅前の新たな複合拠点として整備されます。
今回の計画の特徴は、昨年8月に開業した隣接の「四日市三交ビル」と一体で駅前機能を強化する点にあります。既存の四日市三交ビルがオフィス主体、ANNEXがホテル主体という役割分担となっており、業務、宿泊、商業の機能を駅前に重ねることで、近鉄四日市駅前の都市機能をさらに厚くする狙いです。
駅徒歩3分の立地に地上13階建て複合ビルを整備
「四日市三交ビル ANNEX」の所在地は四日市市浜田町40番他。近鉄四日市駅から徒歩3分に位置し、近鉄四日市駅とJR四日市駅を結ぶ中央通りに面しています。敷地面積は1,116.06㎡、建物は地上13階建てで、1階に店舗、2階から13階にホテル152室を配置する計画です。設計監理は株式会社石本建築事務所、施工は株式会社ナカノフドー建設が担当します。
この場所にはもともと、昭和47年竣工の旧「四日市三交ビル」がありました。2025年1月時点では、この既存ビルを建て替え、ホテル約170室を備えた複合ビル「四日市三交ビル アネックス」として再整備する構想が公表されていました。その後、2026年3月の発表で客室数は152室に具体化され、あわせて設計監理、施工、着工時期などの詳細も明らかになりました。計画が構想段階から実施段階へ移ったことが確認できます。総事業費は約50億円です。
ホテルは「三交イン Grande 四日市」 上位ブランドを導入
ANNEXの中核となるのは、三交インが運営する「(仮称)三交イン Grande 四日市」です。Grandeは三交インホテルズの中でも1ランク上のブランドで、客室は15㎡以上、バス・トイレがセパレート仕様となるのが特徴です。駅前の宿泊施設として、一般的なビジネスホテルよりも快適性を重視した商品設計が打ち出されています。
館内機能も比較的充実しています。最上階の13階には大浴場、露天風呂、サウナ、湯上り処を配置し、12階にはフロント、ロビー、朝食ラウンジを設ける計画です。客室はビジネス利用だけでなく、家族連れやグループ、インバウンドを含む幅広い需要に対応できるよう、多様なタイプを想定しています。駅前立地の利便性に加え、滞在そのものの質を引き上げる構成といえます。
今回の出店により、三交インのホテルチェーンは全17ホテル、合計2,384室の展開となる予定です。三重県内では既存の「三交イン四日市駅前」に続く展開となりますが、四日市駅前に上位ブランドを投入する点が今回の大きな特徴です。
隣接する「四日市三交ビル」との連携
今回の計画を理解するうえで重要なのが、隣接する「四日市三交ビル」との関係です。四日市三交ビルは四日市市浜田町41番1他に整備された地上14階建ての大型賃貸オフィスビルで、敷地面積は2,195.38㎡。1階に店舗、2階から14階にオフィス賃貸フロアを配置し、自走式駐車場125台を備えています。総事業費は約80億円で、三重県下最大の賃貸オフィスビルと位置付けられています。
これに対し、ANNEXはホテル主体の複合ビルです。オフィスビルとホテルビルが並ぶことで、就業、来訪、宿泊、滞在といった機能が駅前で重なり合い、人の流れをより厚くすることが期待されます。2025年1月時点の公表資料でも、両棟を調和したデザインで整備し、近鉄四日市駅前の新たな景観形成やにぎわい創出につなげる方針が示されていました。完成予想図でも、2棟が一体的に駅前景観を構成する姿が描かれています。
背景には近鉄四日市駅前の再整備
ANNEX計画の背景には、近鉄四日市駅前で進む公共空間の再整備があります。駅前周辺では、国の「バスタプロジェクト」や四日市市の「近鉄四日市駅前周辺等整備事業」が進行しており、円形デッキ「よんまるテラス」も供用を開始しています。中央通りを軸に、歩行者動線や交通結節機能の改善が進められている状況です。
ANNEXは、こうした公共整備とタイミングを合わせて進む民間プロジェクトです。公共側が交通と歩行空間を整え、民間側がオフィス、ホテル、店舗を供給することで、駅前の利便性と滞在価値を同時に高める構図となっています。単独の建て替え計画として見るよりも、四日市駅前再編の一部として捉えるほうが実態に近いでしょう。
四日市駅前は「供給拡大」から「機能の質向上」へ

今回の計画からは、四日市駅前の開発が、単純に建物を増やす段階から、駅前機能の質を高める段階へ移りつつあることが見えてきます。大型オフィスビルに続き、今度は上位ブランドホテルを整備し、大浴場、露天風呂、サウナなどを備えた滞在機能を加える。これは駅前を通過点ではなく、滞在拠点として強化する動きです。
四日市は産業都市としてのビジネス需要を持つ一方、名古屋圏との結びつきも強い都市です。そうした都市において駅前に求められるのは、移動しやすさだけではありません。仕事、宿泊、来訪を高い水準で受け止める都市機能が必要です。「四日市三交ビル ANNEX」は、その受け皿を広げるだけでなく、質の面でも更新するプロジェクトとして注目されます。
計画概要
計画名称:四日市三交ビル ANNEX
所在地:三重県四日市市浜田町40番他
交通:近鉄四日市駅 徒歩3分
階数:地上13階建
構成:1階 店舗、2階~13階 ホテル
客室数:152室(予定)
敷地面積:1,116.06㎡
設計監理:株式会社石本建築事務所
施工:株式会社ナカノフドー建設
着工:2026年4月1日
開業予定:2028年春
総事業費:約50億円
出典元
- 三交不動産・三交イン「複合ビル『四日市三交ビル ANNEX』新築工事、2026年4月1日着工のお知らせ」
- 三交不動産「(現)『四日市三交ビル』建替え計画について/『(仮称)四日市駅前三交ビル』の名称決定について」





