『IGアリーナ(愛知国際アリーナ)』愛知県新体育館 の最新状況 25.11【2025年7月13日開業済】


2025年7月13日、名古屋市北区・名城公園北園に「IGアリーナ(愛知国際アリーナ)」が開業しました。老朽化した旧愛知県体育館の建て替えとして、愛知県が整備主体となり、前田建設工業・NTTドコモ・アンシュッツ・エンターテイメント・グループなどが出資するSPC「株式会社愛知国際アリーナ」が運営を担います。


設計は前田建設工業、隈研吾建築都市設計事務所、大建設計の共同体。外観には隈研吾氏による木質と鉄骨を組み合わせた「樹形アーチ」が採用され、名城公園の自然と調和する建築として注目を集めています。

【出展元】
グローバルアリーナ「IGアリーナ」が誕生

愛知県新体育館の名称は『IGアリーナ』に決定!英フィンテック企業が命名権取得、名古屋に国内最大級1.7万人収容の新アリーナ誕生【2025年7月オープン予定】


これまでの経緯

株式会社愛知国際アリーナは2022年7月7日に愛知国際アリーナ(愛知県新体育館)の起工式を名城公園内建設予定地にて実施しました。旧:愛知県体育館は1964年の竣工から既に半世紀が経過し老朽化が進んでいた事や、施設規模・機能が、近年のスポーツの国際大会で求められる水準を満たさなくなっていました。その為、2026年に開催予定のアジア競技大会に向けて新体育館の整備が進められる事になりました。

旧愛知県体育館は1964年に完成し、以来、半世紀以上にわたり大相撲夏場所の開催などを通して県民に親しまれてきました。しかし、老朽化とともに、施設・規模とも国際水準を満たしていないため、2026年に名古屋市と共催する第20回アジア競技大会に利用できるよう、現在の名古屋城二之丸から名城公園北園の一部に移転新築する事になりました。

【出展元】
愛知県新体育館 起工式を実施

 

 


愛知国際アリーナの計画地は北区名城1の敷地約4.6ha。メインアリーナ、サブアリーナ、多目的ホールなどで構成されます。規模はRCS5階建築面積:26,500㎡ 延床面積:63,000㎡ 最高高さ:41.0m 最大収容人数 固定席:15,000人 最大17,000人(立ち見含む)でメインアリーナの天井高さは30m。観客席はオーバル型と馬蹄型を組み合わせた「ハイブリッドオーバル型」とし、各種スポーツ、音楽イベントに対応可能な世界水準の施設となります。

「Aichi Smart Arenaグループ」が落札


出展:愛知県知事公式Twitter @ohmura_hideaki

愛知県は2021年2月17日に、2026年夏季アジア大会の会場となる新しい県体育館建設に伴う、PFI方式とコンセッション方式を組み合わせた県新体育館整備・運営事業の一般競争で、NTTドコモや前田建設工業などの「Aichi Smart Arenaグループ」が落札したと発表しました。落札額は199億9910万円、予定価格は200億円でした。

【出展元】
愛知県新体育館整備等について


出展:愛知県知事公式Twitter @ohmura_hideaki

計画地は名古屋市北区名城1丁目の名城公園北園内の一角。公園との一体感を表現するため木の柱で覆う大胆なデザインの外観が特徴的です。設計は建築家の隈研吾氏が手掛けました。


出展:愛知県知事公式Twitter @ohmura_hideaki

施設規模は鉄筋コンクリート・鉄骨造5階建て延べ約5.84万㎡、メインアリーナはハイブリッドオーバル型(オーバル型+馬蹄形)の観客席を配置で、天井高30m以上を確保し各種イベントに対応。最大収容人数は1.7万人(立ち見含む)。座席計画は大相撲1.1万席、バスケットボール1.5万席、フィギュアスケート1.41万席を想定。ドコモの持つ最先端の情報通信技術(ICT)を活用しスポーツの試合やコンサートのライブ配信を行う計画です。

事業期間は、設計・建設期間が2021年6月~2025年3月。運営期間は2025年度から30年以内とし、26年アジア競技大会での利用を視野に、25年夏のオープンを予定しています。

計画概要


名称:IGアリーナ(愛知国際アリーナ)
所在地:愛知県新体育館整備・運営等事業
所在地:愛知県名古屋市北区名城一丁目4-1名城公園内(名城公園北園の一部)
交通:名古屋市営地下鉄名城線「名城公園」駅
構造:鉄筋コンクリート造、鉄骨造
階数:地上5
高さ:最高部約41m、アリーナ内天井約30m
施設構成:メインアリーナ、サブアリーナ・多目的ホール
敷地面積:約46,000
建築面積:約26,500
延床面積:約63,000
施設構成:メインアリーナ、サブアリーナ・多目的ホール
最大収容人数:約17,000人(着席:15,000人)
コンソーシアム:Aichi Smart Arenaグループ
※前田建設工業
NTTドコモ、
Anschutz Sports Holdings(AEG)
三井住友ファイナンス&リース
東急
中部日本放送
日本政策投資銀行、
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド
事業範囲:統括マネジメント業務・設計建設業務・維持管理業務・運営業務 等
着工:2022年07月 ※起工式
竣工:202503
開業:20250713日予定(グランドオープン)
維持管理・運営期間:202504月~205503月まで(30年間)


愛知県新体育館基本計画、日本トップクラスの新アリーナが名古屋市に誕生へ!


完成イメージパース


出展:愛知県知事公式Twitter @ohmura_hideaki

公園の木々との一体感を感じるデザインで、建物の内と外が曖昧に感じる大胆なデザイン。館内は「木かげにいるような安心感を与える空間をつくり、来場者をやさしく迎え入れる施設となります。


出展:愛知県知事公式Twitter @ohmura_hideaki

大相撲開催時のイメージ。観客席は11,000席を確保可能。


出展:愛知県知事公式Twitter @ohmura_hideaki

コンサート開催時のイメージ。立ち見席を含め最大17,000人が収容できます。メインアリーナは、スポーツ観戦に適したオーバル(楕円)型とコンサートに適した馬蹄型を組み合わせた「ハイブリッドオーバル型」の観客席。天井高は30mを確保し、各種スポーツから音楽イベントまで、質の高い観戦・鑑賞体験が提供できるグローバル水準の施設となります。

2025年11月の様子



■ 都心に誕生した大型アリーナ、アクセスと施設規模:IGアリーナは名城公園北園の旧野球場・名城プール跡地に建設されました。地下鉄名城線「名城公園駅」から徒歩0分、名古屋駅から約15分という都心立地が最大の特徴です。

敷地面積は約46,000㎡、延床面積は約63,000㎡。地上5階建て、高さ41mの大規模建築で、4階まで観客席が配置されています。事業方式には「BT+コンセッション方式」を採用。設計・建設から維持管理・運営までを一体的に行う官民連携モデルで、長期安定運営を目指しています。



■ メインアリーナ、最大17,000人収容の多目的空間:メインアリーナは最大収容17,000人(立ち見含む)、バスケットボール開催時で約15,000人を収容。形状はスポーツに適したオーバル型と、コンサートに適した馬蹄型を融合した「ハイブリッドオーバル型」を採用。天井高は30m、吊り下げ荷重は100トンを超え、海外アーティストが大型ステージセットをそのまま持ち込める仕様です。

中央には直径約12m・高さ約5.5mの8面体センターハングビジョンを設置。全長220mのリボンビジョンと館内250枚のデジタルサイネージが連動し、演出の自由度を飛躍的に高めています。

 


■ サブアリーナとホスピタリティ施設、観戦体験の質を高める空間:サブアリーナは観客席を持たない体育館構造で、バレーボールコート2面分の広さを確保。メインアリーナの補助施設としてトレーニングやイベントに活用されます。

アリーナ内にはホスピタリティ施設も充実しており、国内アリーナの中でもトップクラスの仕様です。


  • MUFGスイート(スイートルーム):40室・約1,000席

  • d CARD LOUNGE(プレミアムラウンジ):約950㎡・870席

  • 専用バー「IG Castle View Bar」

  • 飲食店舗20区画+ワゴン12区画(計32区画)

飲食メニューは「なごやめし」から各国料理まで幅広く、観戦とグルメが融合した都市型エンターテインメント空間を形成しています。


■ 隈研吾氏によるデザイン、名城公園と調和する「樹形アーチ」:外観・内装デザインは隈研吾建築都市設計事務所が担当。名城公園の緑と連続するように設計された「樹形アーチ」と、内部の「木陰天井」が特徴です。鉄骨の側面に木板を張り、強度と温かみを両立。日中はアーチの隙間から光が差し込み、時間とともに表情が変わります。



現地で見た印象としては、完成形はイメージパースに近いものの、木組み装飾の密度感はやや控えめで、ここは少し残念に感じました。とはいえ、素材の仕上がりは丁寧で、周囲の緑との調和性は非常に高く、公園との一体感は見事でした。


■ スマートアリーナとユニバーサルデザイン:IGアリーナは、ICT技術と快適性を融合した次世代型「グローバル・スマートアリーナ」です。NTTドコモのミリ波・Wi-Fi7・IOWN APNを同時導入し、通信環境は国内最高水準。公式アプリでチケット・決済・モバイルオーダーを完結できる完全キャッシュレス運営を実現しました。


また、PSZ技術を活用したオープンイヤー型スピーカー「nwm WIRED」の貸出により、観戦中に実況やデータを同時体験できるなど、デジタルと臨場感を融合した観戦スタイルを提供しています。ユニバーサルデザイン面では、車いす席150席超、ヒアリングループ席、バリアフリートイレ18か所を設置。全席にクッションとドリンクホルダーを備え、緩やかな傾斜配置によりどの席からも視認性を確保しています。



■ 命名権と運営体制:2024年2月、イギリスの金融会社「IGグループ」が命名権を取得し、2025年から10年間「IGアリーナ」として運用されています。日本法人「IG証券」が公式パートナーです。さらに2024年11月には、日本特殊陶業がファウンディングパートナーとして参画し、ゲートネーミングなど施設内ブランディングにも関与しています。



■ 「名古屋飛ばし」解消への期待:これまで名古屋は、主要ライブツアーで“名古屋飛ばし”と呼ばれるほど開催頻度が低い状況でした。
IGアリーナの開業により、ガイシホールを超える規模と機能を備えた会場が誕生。国内外のアーティストがツアーに組み込みやすくなり、名古屋のエンタメマップが大きく塗り替えられると期待されています。
愛知県の大村知事も「名古屋飛ばしの解消につながる施設」と強調しており、国際大会や大型イベント誘致の拠点としても注目されています。



■ ライブイベント経済と都市の価値:近年、音楽業界はCDやDVD販売による収益構造が崩壊し、サブスクリプション時代へ移行しました。アーティストの主な収入源はライブイベントへとシフトしており、ライブを開催できる都市こそが経済と文化の発信地となっています。
この文脈で見れば、IGアリーナは名古屋の都市格を引き上げる「値千金の施設」といえます。宿泊・飲食・交通などへの波及効果は大きく、都市経済の循環を生み出す中核拠点になるでしょう。

 

■ 今後の展開と展望:2025年12月には「ISUグランプリファイナル国際フィギュアスケート競技大会2025愛知・名古屋」を開催予定。2026年には「アジア競技大会」「アジアパラ競技大会」、2027年には「B.LEAGUE ALL-STAR GAME」も控えています。スポーツ・音楽・エンターテインメントの多様な舞台として、国内外からの注目が高まっています。

IGアリーナは、規模・設備・アクセスの三拍子が揃った都市型アリーナです。
ライブツアー誘致、国際大会開催、地域経済波及、そのすべてを同時に実現し得るポテンシャルを持ち、名古屋の都市ブランドを新たな段階へと引き上げます。

“名城公園から世界へ”。IGアリーナは、東海エリアにおける新しいシンボルとして、名古屋の未来を象徴する存在となるでしょう。





■ 2025年の主な開催イベント


開催日 イベント名
7月13日〜27日 大相撲名古屋場所(こけら落とし)
8月18日〜20日 BLACK SAMURAI 2025 THE CAMP
8月23日 AI 25th best tour ←ALIVE→
9月7日 愛・地球博20周年記念 EXPO 20th anniversary REUNION
9月14日 Lemino BOXING 世界戦 井上尚弥 vs アフマダリエフ
9月17日 STING 3.0 JAPAN TOUR
9月20日〜21日 ヨルシカ LIVE TOUR 2025「盗作 再演」
9月28日 RIZIN.51
10月4日〜5日 名古屋ダイヤモンドドルフィンズ ホーム開幕節
10月18日〜19日 2025 aespa LIVE TOUR – SYNK : aeXIS LINE –
11月7日〜9日 TREASURE TOUR [PULSE ON] IN JAPAN

2024年12月末頃の様子


現地の様子です。前回の取材が2024年3月だったので、約9ヶ月ぶりの撮影です。


南東側から見た様子です。周囲を覆っていた足場の大半が解体され、建物が姿を表していました!


北東側から見た様子です。写真右側の青色の防護ネットがかかっている部分は「サブアリーナ」です。


北側から見た様子です。


西側から見た様子です。遠近感がおかしくなるほどの規模があります。


最後は特徴的な樹形デザインの装飾の様子です。隈研吾味がありますね。

2024年3月の様子


現地の様子です。前回の取材が2022年7月だったので、約1年8ヶ月振りの撮影です。


久しぶりに現地を訪れましたが、駆体がかなり出来上がっていて驚きました。


北西側からみた様子です。


北東側からみた様子ですです。


東側からみた様子です


名城公園のおふけ池越しに見た『IGアリーナ』の様子です。緑あふれる公園に隣接する、すばらしい立地です。


最後は名古屋のお掘り越しに見た、『IGアリーナ』の様子です。

2022年7月の様子


現地の様子です。2022年7月7月に起工式が執り行われ2025年夏の開館に向けて建設工事が始まりました!


敷地北側の様子です。


敷地面積が26,500㎡もあるので一回りするだけて結構時間がかかります。


北西側には立派な詰め所が設けられていました。


西側から見た様子です。奥には先日ご紹介した、名古屋造形大学新キャンパスが見えています。

 


南側から見た様子です。


最後は計画地付近から見た名古屋城天守閣と名駅付近の超高層ビル群の様子です。