
仙台市中心部で計画されている「一番町三丁目七番地区第一種市街地再開発事業」が、実際の工事に向けて動き始めました。
一番町三丁目七番地区市街地再開発準備組合は2026年9月1日、北街区と南街区の先行整備部分を対象とする解体・新築工事について、施工者の公募型入札を公告しました。施工者は2027年1月に決定する予定で、同年4月から既存建物の解体に着手します。
2023年に公表された計画では、高さ約180mの南棟と約135mの北棟によるツインタワーが示されていました。今回、北棟やアネックス棟、地下インフラの工期が具体化し、長期構想だった再開発が施工段階へ進みます。
北棟は2028年7月着工、2031年10月完成へ

今回の公募対象は、北街区と南街区の一部です。まず2027年4月から既存施設を解体し、南街区ではアネックスA棟や地下トレンチを先行整備。その後、北街区で北棟の建設に入ります。
| 工程 | 最新スケジュール |
|---|---|
| 施工者公募開始 | 2026年9月1日 |
| 提案資料提出期限 | 2026年11月30日 |
| 落札者決定 | 2027年1月8日 |
| 解体工事開始 | 2027年4月 |
| アネックスA棟・トレンチ着工 | 2028年1月 |
| 北街区解体完了 | 2028年6月 |
| 北棟着工 | 2028年7月 |
| アネックスA棟完成 | 2029年10月 |
| 北棟完成 | 2031年10月 |
北棟の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 仙台市青葉区一番町三丁目7番地内 |
| 敷地面積 | 3,500.93㎡ |
| 延床面積 | 48,125㎡ |
| 階数 | 地上24階・地下1階・塔屋1階 |
| 高さ | 約135m |
| 用途 | 事務所、宿泊施設、店舗、駐車場など |
| 構造 | 地上S造、地下SRC造ほか |
| 基本設計 | 三菱地所設計 |
| 着工予定 | 2028年7月 |
| 竣工予定 | 2031年10月 |
北棟の延床面積は約5.4万㎡から4.81万㎡へ
今回の資料では、北棟の延床面積も具体化しました。2023年の都市計画段階では約54,000㎡とされていましたが、最新資料では48,125㎡となり、約5,900㎡縮小しています。一方、地上24階、高さ約135mという建物規模や、オフィス・宿泊・商業を組み合わせる基本構成は維持されています。設計の具体化に伴う調整とみられますが、床面積縮小の理由は現時点では明らかにされていません。
南街区はインフラを先行整備、電力ビルを使いながら段階更新

再開発では、街区全体を一度に建て替えるのではなく、既存施設を使いながら段階的に更新します。南街区では、まず電力ビル別館や立体駐車場などを解体し、その跡地に地下2階・地上2階、延床約2,550㎡の「アネックスA棟」を整備します。用途は変電所と集会所です。さらに地下には、全長約82m、最大深さ約11mのトレンチを新設し、街区内のインフラ機能を再構築します。
現在の電力ビル本館には、1960年開館の1,000席規模の「電力ホール」があります。東日本興業によると、同ホールは2030年度ごろまで営業を継続する予定です。
このため、北棟とインフラ施設を先行整備し、既存の電力ビル機能を維持したまま後期工事へ移る工程が組まれています。
最終形は180m級と135m級のツインタワー

街区全体の開発区域は約1.8haです。都市計画では、南街区と北街区にそれぞれ高層棟を建設し、オフィス・商業・ホテル・ホールなどを配置します。
| 南街区 | 北街区 | |
|---|---|---|
| 階数 | 地上35階 | 地上24階 |
| 高さ | 約180m | 約135m |
| 延床面積 | 約118,000㎡ | 48,125㎡ |
| 主用途 | オフィス、商業、ホールなど | オフィス、ホテル、商業など |
仙台駅前ではなく、一番町・広瀬通という既存都心の中心部に、180m級と135m級の高層棟が並ぶ点がこの計画の大きな特徴です。
当初計画から約2年後ろ倒し、それでも施工段階へ
事業スケジュールは、当初想定より遅れています。2023年時点では、2024年度の組合設立、2025年度の権利変換・工事着手、北街区は2029年ごろの完成が想定されていました。
しかし2026年9月時点でも事業主体は再開発準備組合の段階にあり、最新工程では北棟完成が2031年10月となっています。
仙台市では、建築費の高騰によって再開発事業の採算性確保が難しくなっていることを踏まえ、都市再生特別地区を対象とした支援制度を拡充しています。
今回の計画も、建設コストの上昇や事業条件の調整を経て、当初計画より工程が後ろ倒しになったものとみられます。
一方で、今回の施工者公募によって、解体、着工、竣工までの具体的な工程が初めて明確になりました。計画はようやく、構想段階から実際の建設工程へ移りつつあります。
広瀬通駅と一番町を結ぶ都心再編

計画地は広瀬通と東二番丁通の交差点南西側に位置します。
地下鉄南北線・広瀬通駅に近接し、目の前には多くのバス路線が発着する「電力ビル前」停留所、西側には一番町の商業エリアが広がります。
再開発では、広瀬通駅と一番町をつなぐ歩行者動線や広場を整備し、交通、商業、業務、宿泊、文化機能を一体化します。
都市再生特別地区の指定により容積率は最大1,200%まで引き上げられ、街区中央には緑化広場も整備される計画です。
今回の施工者公募で先行整備の工程が具体化したことで、電力ビル街区の再編は実行段階に入りました。まず北棟とインフラを整備し、その後に南街区本体の更新へ進む長期プロジェクトとなります。
出典・参考資料
- 一番町三丁目七番地区市街地再開発準備組合「施工者公募型入札の実施について」(2026年9月1日)
- 一番町三丁目七番地区市街地再開発準備組合「仙台市青葉区一番町三丁目七番地区第一種市街地再開発事業 北街区および南街区先行整備エリアに係る既存建物等解体工事ならびに施設建築物等新築工事 入札要項」(2026年9月)
- 仙台市「(仮称)一番町三丁目七番地区第一種市街地再開発事業」
- 仙台市「『グリーンビルディングの整備を促進するための方針』に基づく第1号案件を認定します」(2023年5月23日)
- 仙台市「都市計画の決定・変更のお知らせ」― 一番町三丁目七番地区(2023年12月27日告示)
- 内閣府 地方創生推進事務局「都市再生緊急整備地域・仙台都心地域」― 一番町三丁目七番地区(電力ビル)
- 東日本興業「ホール事業 ― 電力ホール」
- 仙台市「市街地再開発補助金制度および企業立地促進助成金制度を改正します」(2026年1月27日)
- 建設通信新聞「9月8日まで参加受付/北街区・南街区先行整備エリア施工/一番町三丁目七番地区再開発準備組合」(2026年9月1日)
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