JNTO(日本政府観光局)は、2022年12月21日に、2022年11月の訪日外客数推計値を発表しました。政府は10月から個人旅⾏の受⼊れや査証免除措置の再開等を実施、11月の訪⽇外客数は93.4万人で、10月度の49.8万人から倍近くの伸びとなりました。このまま回復傾向が続けば12月には100万人を突破する勢いで2019年同月比では、4割近くまで回復した事になります。
東アジア地域において韓国からの訪⽇外客数が前月から大幅に増加したことや、その他の地域においてもシンガポールや米国をはじめ多くの市場で順調な回復が⾒られたことが11月の訪⽇外客数の押し上げ要因となりました。航空便においては増便の傾向が⾒られますが、新型コロナウイルス感染症拡大以前との比較では回復途上にあります。
【出展元】→訪日外客数2022年11月推計値を発表 934,500人、100万人も視野に
今後は観光⽴国の復活に向けて、観光地・ 観光産業について持続可能な形で「稼ぐ⼒」を⾼めるとともに、地方誘客や消費拡大を促進しつつインバウンドの V 字回復を図る必要があります。個人旅⾏の再開や⼊国手続き等の実用情報の的確な発信と併せ、これからの訪⽇観光の柱となるサステナブル ツーリズム等の情報発信や MICE 誘致等の取組を強化していくことが求められます。
全体的には、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の拡大以降減少した日本路線の航空座席供給量は回 復途上にあるほか、物価の高騰や航空券代の高騰、航空・旅行会社を取り巻く人手不足等の課 題が多くの市場で見られます。また、欧州地域においてはウクライナ情勢に伴う飛行ルートの変更によるフライト時間増加も訪日旅行の懸念材料となっています。東アジア
11月の東アジア各国の訪日客は、韓国が315,400人、中国が21,000人、台湾が99,500人、香港が83,000人でした。いずれの国も、日本への直行便は増便や復便がされており、前年同月と比較して回復傾向にあります。
ただし中国では、中国政府外交部より海外旅行自粛の指示が出されており、中国国民の日本からの入国については、陰性証明書の取得及び原則として5日間の施設での隔離、3日間の自宅での健康観察、複数回のPCR検査等が求められています。台湾における渡航警戒レベルでは、渡航の是非検討等に日本が含まれており、湾籍者が日本から入境する場合、入境後の7日間の自己防疫が必要となっています。また香港市民が日本から入境する場合は、陰性証明書の提出、入境時のPCR検査、3日間の医学観察、2日間の自宅観察、PCR検査等については入境後複数回の実施が求められています。
韓国:315,400 人(対 2019 年同月比 153.8%
中国:21,000 人(対 2019 年同月比 2.8%)
台湾:99,500 人(対 2019 年同月比 25.4%)
香港:83,000 人(対 2019 年同月比 41.6%)
東南アジア
11月の東南アジア各国の訪日客は、タイが52,100人、シンガポールが40,300人、マレーシアが17,500人、インドネシアが17,000人、フィリピンが21,700人、ベトナムが 33,600人、インドが8,400人でした。いずれの国も、日本への直行便数は前年同月と比較して回復傾向にあります。以下の国では、自国民が日本から入国する場合に以下が求められます。シンガポール、インドネシア、フィリピンでは、日本からの入国については、ワクチン接種証明書の提出が求められています。ベトナムでは入国から10日目までの自主的な健康観察等が求められます。
タイ: 52,100 人(対 2019 年同月比 37.1%)
シンガポール: 40,300 人(対 2019 年同月比 61.7%)
マレーシア: 17,500 人(対 2019 年同 月比 26.9%)
インドネシア: 17,000 人(対 2019 年同月比 45.7%)
フィリピン: 21,700 人(対 2019 年同月比 33.5%)
ベトナム: 33,600 人(対 2019 年同月比 80.2%)
インド: 8,400 人(対 2019 年同月比 56.5%)
豪州・北米
11月の豪州・北米からの訪日客は、オーストラリアが20,200人、アメリカが84,300人、カナダが15,900人、メキシコが2,000人でした。メキシコは、日本への直行便数は前年同月比を維持しており、他の国では回復傾向にあります。米国は、帰国時の行動制限の継続等があるものの、円安米ドル高の進行による影響等もあり、訪日外客数は84,300人となりました。
中東地域の訪日客は、6,500人となりました。ドバイ~関西間の増便などもあり、日本への直行便数は前年同月に比べ回復傾向にあります。中東地域は、アラブ首長国連邦に対する新たな査証免除措置の導入や日本の水際規制緩和の影響等もあり、これからの訪日外客数の増加が期待されます。豪州: 20,200 人(対 2019 年同月比 41.8%)
米国:84,300 人(対 2019 年同月比 56.6%)
カナダ:15,900 人(対 2019 年同月比 47.7%)
メキシコ:2,000 人(対 2019 年同月比 30.8%)
中東地域: 6,500 人(対 2019 年同月比 66.1%)
欧州
11月の欧州各国からの訪日客数は、イギリスが13,600人、フランスが10,800人、ドイツが9,700人、イタリア5,200人、スペイン3,600人、ロシアが2,000人となりました。イギリス、フランス、ドイツでは、日本への直行便数は前年同月と比較して回復傾向にあります。イタリアでは、ローマ~羽田間の新規就航により新型コロナ感染症の拡大以降運休が続いていた日本への直行便が再開されました。スペイン、ロシアでは依然として日本への直行便は運休が続いています。ロシアは、ウクライナ侵攻による各国からの制裁等による影響が続いていますが、その他の国では日本の水際規制緩和の影響等もあり、訪日客数が先月と比較して増加している地域もあり、今後の消費獲得に期待がかかります。
イギリス:13,600 人(対 2019 年同月比 36.1%)
フランス:10,800 人(対 2019 年同 月比 44.5%)
ドイツ:9,700 人(対 2019 年同月比 49.7%)
イタリア:5,200 人(対 2019 年同月比 42.1%)
スペイン:3,600 人(対 2019 年同月比 34.2%)
ロシア:2,000 人(対 2019 年同月比 15.2%)
中国の「ゼロ粉終了」で関空から中国各地を結んでいた便が順次回復しそうです。