和歌山県は2021年6月2日に、カジノを含む統合型リゾート(IR)で、県の優先権者候補に、カナダのクレアベストニームベンチャーズ及びClairvest Group Inc.のコンソーシアムを選定したと発表しました。IR整備法では、特定複合観光施設区域について、全国に作られる整備計画の数の上限が3であることが明示されており、自治体の議会の議決が必要です。現在、IR誘致を目指して、大阪府・市、横浜市、長崎県が公募(RFP)を行っており、それぞれ絞り込みに入っていますが、優先事業者を決めたのは和歌山県が初めてです。
【出展元】
→「和歌山県特定複合観光施設設置運営事業」の事業者公募における優先権者候補の選定について
クレアベストグループは、カナダ・トロントに本社を置くIR投資会社 で、北米を中心にカジノ業界へ投資し、成功を収めています。同社がトが提案するIRの事業コンセプトは「木の国・水の国」自然豊かな滞在・体験型IR」。日本遺産・和歌の浦に浮かぶ「浮遊都市」、自然災害に強い「安全・安心な都市」、長期滞在が可能な「癒しの都市」を開発テーマに据えました。
MICE施設として大会議場:3千人収容の大会議場を備える国際会議場に、展示面積約6万㎡の展示場、客室数:約2,700室のホテル、カジノ行為区画は床面積合計の3%以内を想定。特定複合観光施設の総延床面積は約56.9万㎡、初期投資額約4,700億円で年間約1300万人を集客し約2,600億円の経済波及効果を見込んでおり、開業予定時期は2027年秋頃との事です。
和歌山県は和歌山市南部の人工島「和歌山マリーナシティ」への誘致を目指していますが、同県のIR事業者の公募には、クレアベストの他にマカオのサンシティ・グループも手を挙げていました。しかしサンシティは新型コロナウイルスの感染拡大による業界への甚大な影響などから、5月12日に撤退を表明し、クレアベスト1社が候補者として残っていました。
施設概要
1)MICE施設
・国際会議場:約4.5万㎡、収容人数合計約6千人
・展示等:約14.3万㎡、展示スペース:約6万㎡
2)魅力増進施設:約2.4万㎡
日本遺産ミュージアム、和食レストラン、e-SPORTS施設、アーバンスポーツパーク、インドアスカイダイビングほか。
3)送客施設:約7.8万㎡
体験型エキシビジョンホール 観光資源をVRで紹介
4)宿泊施設:約21万㎡
客室数約2,700室
5)来訪・滞在促進施設:約3.1万㎡
ラグジュアリープール オリジナルスパ
6)カジノ施設:約3.8万㎡
カジノ行為区画は 床面積合計の3%以内
特定複合観光施設計:約56.9万㎡
和歌山のIR区域整備計画、県議会が否決(日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF19CXU0Z10C22A4000000/
和歌山県が和歌山市内の人工島「和歌山マリーナシティ」への誘致を進めるカジノを含む統合型リゾート(IR)について、同県議会は20日の本会議で、区域整備計画案の国への申請を反対多数で否決した。立地自治体の和歌山市はIR誘致に同意しており、県は本会議で可決されれば、28日までに国に計画案を提出する予定だった。