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 阪急本店(阪急うめだ本店、阪急メンズ大阪)の売上高は2507億円、伊勢丹新宿を猛追中!



H2Oリテイリングは2019年5月14日に2019年3月期の決算短信を発表、同社の旗艦店である阪急本店(阪急うめだ本店、阪急メンズ大阪)の売上高が2507億円(前年比104.3%)に達し、初めて2500億円を突破した事が明らかになりました。売上高伸長の内訳は、国内顧客が6割、インバウンド顧客4割で、阪急本店の免税売上高前年同期比116%、構成比12%との事です。

 

出展:エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社>20193月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

 

H2Oリテイリング 百貨店 店別売上高、入店客数および営業面積

金額:百万円 前年比 入店客数:千人 前年比 営業面積:㎡
阪急本店 ※1 250,747 104.3% 50,297 99.5%   98,733
阪神梅田本店 51,383 92.5% 32,955 117.6%   27,811
千里阪急 15,999 98.3% 4,898 98.5% 13,902
川西阪急 15,682 97.9% 6,061 96.9% 15,528
宝塚阪急 7,565 98.5% ※2 6,148
西宮阪急 25,748 99.7% 13,483 101.4% 25,099
三田阪急 1,391 97.8% ※2 2,143
博多阪急 51,624 108.9% 27,843 101.2% 41,835
阪急メンズ東京 14,218 98.9% 2,568 99.7% 11,445
大井食品館 4,518 98.7% 5,506 97.6% 2,042
都筑阪急 4,776 98.8% 3,811 99.6% 6,736
あまがさき阪神 2,962 101.7% ※2 2,855
阪神・にしのみや 4,558 100.2% 4,458 109.4% 4,998
阪神・御影 531 98.6% 4,881 99.6% 804
支店計 149,576 99.6% 73,512 97.9% 133,534
全店計 451,708 101.3% 156,766 102.0% 260,078
※1.阪急メンズ大阪を含む
※2.入店客数計測器を設置していないため
※3.堺 北花田阪急を含まない(2017年7月31日閉店)

 

 

 

 

阪急うめだ本店が伊勢丹新宿を猛追

 


出展:日経MJ、三越伊勢丹HD、H2Oリテイリング決算資料より 単位:億円

百貨店の売上高は伊勢丹新宿本店が日本一と言われています。だた、伊勢丹新宿の売上には、日本最強と言われた「三越本店」で計上されていた外商法人部の売上及びEC事業、一部小型店の売上が加算されています。伊勢丹新宿に加算されている外商・EC・小型店売上高は具体的なデータが見当たりませんでした。そこで有価証券報告書やニュース記事などから、加算額を推測してみました。

外商売上を推測する大きな手がかりは2011年度の決算にありました。この年から三越本店の外商売上が伊勢丹新宿に移されており、同年度の三越本店の売上高は前年から約400億円減少している事が確認できます。単純に400億円全てが外商売上と断定するのは乱暴ですが、近年売上が減少していた伊勢丹新宿がこの年は155億円のプラスとなっています。続いてEC事業の売上高ですが、2015年度の実績は114億円でした。伊勢丹三越はEC売上高を2019年度に350億円まで増やすと公言しています。

 
年度 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
伊勢丹新宿本店 2460 2236 2195 2350 2368 2655 2584 2724 2685 2741 2888
三越日本橋本店 2531 2157 2056 1652 1631 1736 1655 1683 1651 1553 1447
阪急うめだ本店 1729 1441 1311 1245 1446 1922 1978 2183 2205 2403 2507
↑外商売上の計上店舗が三越本店→伊勢丹新宿に変更された
単位:億円
出展:日経MJ、三越伊勢丹HD、H2Oリテイリング決算資料
http://www.kansai-u.ac.jp/Keiseiken/publication/report/asset/sousho156/156_05.pdf
https://www.bci.co.jp/nichiryu/article/1703


 

 

 

実店舗の売上高は阪急が伊勢丹に肉薄!?



あくまで推測ですが、伊勢丹新宿の外商売上高は、変化点である2011年度の三越本店の減少分400億円から若干低く見積もって350億円程度(売上比12.1%ではないでしょうか。また2018年度のEC売上高は発表されていませんが、2019年度目標の350億円からかなり低く見積もって150億円と仮定します。合計すると伊勢丹新宿に加算されている売上は500億円になります。

阪急本店の外商売上は発表されていませんが、私鉄系なのでかなり少ないと聞いています。仮に売上高の5%とすると、2018年度は125億円となります。

両店舗の売上高から上記の値を引くと、伊勢丹新宿の実店舗売上高は2388億円、阪急本店は2382億円となり、伊勢丹新宿に肉薄している事と推測できます。

今後は伊勢丹新宿に加算されているEC事業の売上が伸びれば同店舗の売上高は3000億円を超えるかもしれません。対する阪急本店は、ほぼリアル店舗の実績で2700億円を目指すとしており、実店舗の売上は確実に阪急本店が日本一になると思います。ただし、伊勢丹はプライドにかけて売上日本一の称号を守るでしょう。

 

※上記の値は、あくまで僕が推測した数値で、信憑性は保証できません。

6 COMMENTS

o-kinix

新宿の伊勢丹の売り場面積は
本館とメンズ館合わせて64,296㎡ですね(ウィキベディアによる)

ころろ

去年の台風災害もあった上での数値ですからすごいですね。
期間後半で大幅に盛り返したことがよくわかります。
客数はそれもあって落ち込んだんでしょうが、客単価が伸びたことが意味しているのは、それだけ阪急の商品展開力の力を見せ付けた格好でしょうか。

なんだか阪神百貨店は横ばいだーとデータを良く見もせずにディスっている人がいらっしゃいますが、
台風災害、立替による売り場面積の減少などもありながら、横ばいで推移しているのは、堅調な経営をしていると判断するのが妥当でしょう

副首都

戦略の違いと売り場面積の違いが出てきた。
東京で百貨店を名乗るには新宿で15万平方メートルは必要で、日本全域、および東アジア全域を商圏とするくらいでないと成り立たない。
阪急はヨドバシの戦略を取り入れ、西日本全域を商圏として成功している。
ヨドバシ梅田が10万平方メートルとなり、更にパワーアップ、梅北二期完成時には伊勢丹を圧倒しているのでは。

再都市化大ファン

素晴らしい分析ですね!プライドをかけた日本一の闘い!阪急がここまでいい勝負ができるとはすごいですね!

サジャ

比較の三店舗で売り上げが伸びているのは阪急梅田店だけですよね。他店は横ばいか下がっています。それが現在の日本の状況だと思いますが、そんな中で阪急の頑張りは凄いですね。それに元々新宿は日本最大のターミナルで首都圏の人口を考えると逆にどうしてそんなにも百貨店が弱いのかが気になります。

SH

早く追い抜いて欲しいですね
地方の底力を見せてやりたい

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