県が発表した最新の完成イメージ
香川県は高松市の再開発地区「サンポート高松」に、多目的アリーナ「新香川県立体育館」を建設する計画を進めています。新県立体育館は地上2階、地下1階で延べ床面積約3万平㎡で、最大1万人収容のメインアリーナなどを設ける計画です。旧:香川県立体育館は1964年に竣工し老朽化が進んでいる事に加え、2012年7月に耐震改修に向けた調査で競技場の天井が落下する恐れがあることが判明したため競技場の使用を中止、2014年9月末に閉館し、新築移転を検討する事になりました。
【出展元】→香川県>新香川県立体育館 設計概要
SANAAが提案イメージ。実施計画と見比べるとSANNA案にかなり近い内容で実現されている事が解る
県は「新香川県立体育館基本・実施設計業務公募型プロポーザル」を実施し、2018年6月にSANAAを最優秀者に選定しました。SANAAの提案は、瀬戸内海や讃岐平野にある山々の風景への連続性を感じさせる有機的なフォルムで、高さを低く抑えた1枚の大きな屋根でメインアリーナ、サブアリーナ、武道施設兼多目的ルームの三つをつないでいるのが特徴です。スポーツやコンサートなどのイベントで使いやすいだけでなく、周辺環境と体育館が一つになり、公園のような公共性があることも評価されました。
【出展元】→新香川県立体育館基本・実施設計業務 公募型プロポーザル 二次審査結果について
県は、中四国最大級となる1万人規模のメインアリーナを備えた新体育館関連の建設工事を公告しました。「新香川県立体育館(仮称)建築工事」「同空調設備工事」「同電気設備工事」「同給排水衛生設備工事」の4件はいずれも一般競争入札で総合評価落札方式(技術提案型)を適用します。2021年度中の着工を目指しており、工期は32ヶ月で2024年度に完成する予定です。
新体育館は、様々な用途に利用できる多目的アリーナで、スポーツの国際大会・全国大会、コンサートツアー、展示会などに利用可能なマルチ対応可能な施設となります。最大収容人数は中四国最大級の1万人で、メインアリーナの固定席は5024席です。【出展元】
→建設通信新聞>建築、9月22日まで申請書/中四国最大級延べ約3万㎡新体育館4件公告/香川県
エントランス広場
新体育館は、交流エリアを設けた新しい発想のアリーナ で、競技フロア、観客席、交流エリアが一体となった、様々な利用ができる空間を目指しています。
サンポートの環境に調和した、利用しやすい施設は多方向からアクセス可能で、人々が気軽に立ち寄り、回遊できる開かれた施設 となります。エントランス広場や交流エリアなど、建物内外に公共空間を確保 ・高さを低く抑えた曲線状で構成し、サンポート高松の景観に調和 ・ユニバーサルデザインにも対応しています。
交流エリア
交流エリアは、競技フロア・観客席・ロビーが一体となった、新しい空間です。観客席上部に壁を設けないことにより、アリーナ面と一体感を確保 し、イベント時には、ロビー・通路として利用でき、関連する催しや物販等の利用も想定 しています。
海への眺望も開けた北側は単独での利用も可能であり、キッチンカーの乗り入れも可能 です。イベントが開催されない際にも県民が「つどえる場所」として活用する予定です。
メインアリーナ
メインアリーナは、固定席 :5,024席(別途、車いす席28席) で最大収容人数は中四国最大級の10,000人 。競技フロアはコンクリート床で78m×48mの広さがあり、バレーボールなら4面、バスケットボール3面、ハンドボール2面を取る事ができます。最高天井高さは27.6mで 、スポーツ時には木製床(ポータブルフロア)を設置します。また870席程度移動式可動席が利用が可能です。
メインアリーナは、スポーツに配慮した設備の導入 ・照明設備は、LED照明を採用。調光機能により、競技種目に応じた照度設定が可能 で、空調方式は、大空間における空調効率が高いとされる「居住域空調方式」を採用。観客席より上部が熱気だまりとなり、効率的な空調が可能です。
送風口の配置や送風温度、風速・風量の設定にあたっては、バドミントン等、風の影響を受けやすい種目に配慮し、シミュレーションを実施 複数のコートを設定した場合でも、バドミントンの世界大会で採用されている国際基準(風速0.2m/秒)をクリアできることを確認しています。
メインアリーナは、トップアーティストによるコンサートアリーナツアーの開催が可能で、コンクリート床は大型トラック(11t)の乗入れが可能です。これに加え、メインアリーナ北側車寄せや南側からもフォークリフト等で機材の搬出入ができる計画 となっています。また、コンサートを想定した天井高、天井荷重を確保、ステージ設営がしやすいようキャットウォークを配置。エンドステージ上で天井高は20m以上、吊り荷重は40t以上を確保しています。
メインアリーナは、展示会等のMICEの開催 ・飲食イベントや展示会等のMICE利用も可能です。床には、電源供給ピット、競技フロア壁面には、電源盤やガス取出し口、給水設備を設置しています。
サブアリーナ
サブアリーナはスポーツ大会、日常のスポーツ活動の場です。固定席 :1,002席(別途、車いす席8席) 、競技フロアは47m×38mの広さで、木製フローリングを採用。バレーボール2面、バスケットボール2面、ハンドボール1面を取る事ができます。最高天井高さは17.5mで、室内で実施される主要な競技に対応する事ができます。また、各競技種目に応じた照明、空調設備を完備しています。
武道施設兼多目的ルーム
武道施設兼多目的ルームは、固定席 :327席(車いす席18席) ※車いす席は、固定席の一部を取り外して設置、競技フロアの広さは46m×21m で、柔道3面、剣道3面を取る事ができます。有効天井高さは6.5m以上あり可動間仕切りにより3分割可能です。 武道施設で実施される主要な競技に対応する他、各競技種目に応じた照明、空調設備を完備しています。
計画概要
計画名称 | 新香川県立体育館(仮称)建築工事 |
所在地 | 香川県高松市サンポート5、6付近 |
交通 | JR高松駅 |
階数 | 地上2階、地下1階 |
高さ | 最高部27.7m |
構造 | 鉄骨造、鉄筋コンクリート造 |
杭・基礎 | 杭基礎 |
主用途 | 多目的アリーナ |
敷地面積 | 18950㎡ |
建築面積 | |
延床面積 | 31212.5㎡ (東側駐車場含む) |
容積対象面積 | |
建築主 | 香川県 |
設計者 | SANAA事務所 |
施工者 | 未定 |
着工 | 2021年度予定(工期32ヶ月) |
竣工 | 2024年度予定 |
備考 | メインアリーナ:固定席5024席 サブアリーナ:固定席1002席 武道施設兼多目的ルーム:固定席 327席 東駐車場:68台(身障者用2台含む) 西駐車場:32台(身障者用2台含む) 建設工事費:186億円(税込み) |
着工前の計画地付近の様子