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JR西日本、金沢支社管内で初の「踏切ゲート」を導入へ!第4種踏切の解消に向けた今後の動き



JR西日本は、第4種踏切の安全対策として「踏切ゲート」を福井市内の越美北線2カ所に設置します。警報機・遮断機のない踏切での事故防止を目的とした施策で、金沢支社管内では初の試みとなります。

今回の設置場所は、福井市脇三ケ町の「第2脇踏切」と、同市市波の「下縄手踏切」。特に下縄手踏切では過去に軽乗用車と列車の接触事故が発生しており、安全対策の強化が求められていました。踏切ゲートの導入が、こうした事故の抑止につながるかが注目されます。

事故が相次ぐ第4種踏切の課題


出典:photo-ac

全国には3万2442カ所の踏切があり、そのうち第4種踏切は地方を中心に2408カ所も残っています(2023年3月末時点)。警報機や遮断機が設置されていないため、列車の接近に気付きにくい状況にあり、第1種踏切に比べて事故の発生率が高く、早急な対策が求められています。しかし、第1種踏切への改良には1カ所につき1500万~3000万円の費用がかかるため、特に中小の鉄道事業者にとっては大きな負担となっています。

「踏切ゲート」の仕組みと得られる効果



JR西日本は2021年に「踏切ゲート」を開発し、山陰線での試験導入を経て、本格導入に踏み切りました。「踏切ゲート」は、通行者に一時停止と左右確認を促す仕組みになっています。

この仕組みにより、通行者が無意識に踏切へ進入するのを防ぎ、安全確認を徹底しやすくなります。また、踏切を渡る際に必ずゲートを押す動作が加わるため、意識的に周囲を確認する習慣が身につくことが期待されます。JR西日本によると、簡易型の踏切ゲートを整備した第4種踏切では、これまでに事故は発生していません。

主な特徴は以下のとおり

1:常時遮断式:通常は閉じており、通行者が横断時にのみ開閉します。
2:半自動式:ゲートを押して通行すると、自動的に元の位置に戻ります。
3:設置位置:踏切の一旦停止線付近に設置し、安全確認を促します。
4:通行方法:進入・退出時ともにゲートを前に押して通行します。

 

第4種踏切の解消に向けた今後の動き



群馬県高崎市では、2024年に発生した9歳の女児が踏切事故で亡くなる痛ましい事故を受け、市内の第4種踏切をすべて廃止・改良する方針を示しました。また、茨城県筑西市では、第4種踏切の廃止に向けて、市が地元自治会と協議を重ね、近くの第1種踏切への迂回路を整備するなどの対応を進めています。

一方で、第4種踏切は住民の生活道路として利用されることが多く、廃止が難しいケースも少なくありません。そのため、国や自治体、鉄道事業者が連携し、安全対策を加速させることが求められています。特に、JR西日本が進める「踏切ゲート」は、第1種踏切への改良に比べて1割程度の費用で設置可能なケースもあり、現実的な安全対策の選択肢として注目されています。

第4種踏切の事故を防ぐためには、全国的な対策の強化が必要です。鉄道と地域の安全を守るための新たな取り組みが、今後どのように展開されていくのか、引き続き注目したいです。

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