ポートライナ三宮駅リニューアル実施!船の帆をイメージした外観デザインに刷新、ホーム拡張・新駅ビル接続で何が変わるのか?



神戸市は2026年度から、ポートライナー三宮駅の大規模リニューアルに着手すると発表しました!1981年の開業以来、初となる本格的な更新で、完成は2029年度末を目標としています。今回の計画は、駅舎デザインの刷新にとどまらず、ホーム拡張、動線再編、耐震補強、さらに三宮新駅ビルとの接続強化まで含む、駅機能そのものの再構築と言えます。

リニューアルの全体像


外壁撤去と「開放的な駅」への転換

象徴的なのが、駅舎の外壁を取り払い、船の帆をイメージした丸みのある透光性膜材で駅全体を覆う外観刷新です。外部からポートライナー車両の走行が視認でき、内部には自然光が入りやすくなります。この意匠は単なるデザイン変更ではなく、都市の玄関口としての視認性と分かりやすさを高める設計です。神戸空港の国際化を見据え、初めて三宮を訪れる来訪者でも直感的に理解できる駅空間を意識しています。


ホーム拡張と安全性の底上げ

機能面で中核となるのが、ホームの東側への約25m拡張です。これにより滞留スペースが拡大し、朝夕ピーク時の混雑緩和と安全性向上が図られます。併せて、昇降設備の再配置・新設、階段動線の整理、駅舎の耐震補強、列車停止位置の変更などが一体的に進められます。これらは神戸市の再評価資料で費用便益分析(B/C=1.3)として整理されており、輸送力・安全・耐震を同時に解決する投資と位置付けられています。

三宮新駅ビルとの接続が持つ意味

今回のリニューアルで重要性が高いのが、三宮新駅ビルとの接続強化です。計画では、ポートライナーのホーム階に新たな改札(西改札)を設け、JR三ノ宮駅の新駅ビル上層階と直接接続する構成が示されています。既存改札に加えて接続点を増やすことで、JR・地下鉄・バスとの乗換距離を短縮し、移動の分かりにくさを解消します。

これまで三宮は「駅同士は近いが、乗換が複雑」という課題を抱えてきました。今回の接続改善は、ポートライナー単体の改修ではなく、周辺デッキ整備やバスターミナル再編と一体で進めることで、“複数の駅を1つの駅として使える構造”へ近づける狙いがあります。

なぜ今、この規模で更新するのか

背景にあるのは、神戸空港の機能強化です。国際チャーター便の運用開始を経て、2030年前後には国際定期便化が視野に入っています。空港側の処理能力が上がれば、都心側、とりわけ三宮での混雑が顕在化します。

実際、ポートライナーの利用者数は2024年度に約2,680万人と、2006年度比で約1.6倍に増加しています。すでに需要は伸びており、今回のリニューアルは「将来予測への対応」であると同時に、現実の混雑への対処という側面も持ちます。

二重構造の投資をどう評価するか

本事業は、


  • 機能更新:ホーム拡張、耐震、動線改善、新駅ビル接続

  • 象徴更新:外壁撤去、膜材による開放的デザイン

という二重構造で進みます。前者は通勤・通学者の日常的な安全と効率を支え、後者は来訪者への受入品質を高めます。重要なのは、費用が何に使われ、どの効果を買っているのかを切り分けて説明できるかです。ここが曖昧になると、「見た目重視」という誤解を招きやすくなります。

リスクと成功条件

リスクは大きく二つあります。一つは、神戸空港の国際定期便化の進捗次第で、需要増のタイミングがずれる可能性。もう一つは、駅改良・駅舎刷新・周辺再整備が同時進行することによる工期やコストの上振れです。成功を測る指標は完成時点ではなく、完成後の運用状況です。実測の乗換時間、ピーク時の滞留密度、案内の理解度、維持管理コストの実績といったKPIを継続的に示せるかが問われます。

まとめ

ポートライナー三宮駅リニューアルは、外観を新しくするだけの事業ではありません。ホーム拡張と新駅ビル接続を通じて、三宮を「使いやすい1つの駅」に再編する都市インフラ更新です。玄関口としての象徴性と、輸送拠点としての処理能力。その両立を丁寧に説明できれば、本事業は神戸の都市機能を一段引き上げる合理的な投資として評価されるでしょう。






出典

  • 神戸新聞(2026年2月16日)

  • 神戸市 公開資料(新交通三宮駅改良事業、都心三宮再整備、神戸空港機能強化)

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