奈良県営競輪場、再整備へ本格始動 DBO方式で公募開始、整備上限額は約105億円

出展:奈良県

奈良県は、奈良市秋篠町にある奈良県営競輪場の再整備と運営を一体で担う事業者を選ぶため、DBO(設計・建設・運営)方式による公募型プロポーザルを公告しました。公告日は2026年4月1日で、WTO対象案件です。再整備業務の委託上限額は105億1817万4000円(税込)となっています。

今回の事業は、老朽化した施設の更新と、耐震性能に課題がある施設への対応を進めるものです。奈良県は、2030年度開催予定の国民スポーツ大会(国スポ)リハーサル大会を見据え、2029年度内の工事完了を目標にしています。

設計・建設・運営を一体で担うDBO方式を採用

今回の事業では、施設の設計・建設・維持管理・運営を一体的に民間事業者へ委ねるDBO方式が採用されました。再整備後の運営まで含めて一つの枠組みで進めることで、施設整備と運営の連続性を確保する狙いがあります。

今後の主なスケジュールは以下の通りです。


  • 4月13日、14日:募集要項などの説明会(現地説明含む)
  • 6月16日~22日:参加表明書の受付
  • 7月7日~13日:企画提案書の受付
  • 8月上中旬:優先交渉権者を決定

参加資格は代表企業と設計施工JVによるグループ

参加できるのは、事業統括管理業務と維持管理・運営業務を担う代表企業と、再整備業務(設計・施工・工事監理)を担う設計施工JVで構成するグループです。

主な参加要件は次の通りです。


  • 設計企業・工事監理企業
    1級建築士事務所に登録していること
  • 建設企業
    単体、または2~4者のグループで構成
    単体企業またはグループ代表企業は、建築一式工事の総合評定値1000点以上
    その他の構成企業は、同900点以上
  • バンク整備を担う事業者
    バンクの新設・改修工事などの実績を持つ事業者を、協力企業として選定すること

競輪場の再整備では、一般的な建築工事に加えて、競技施設としてのバンク整備が重要になります。そのため、バンク工事の実績を持つ事業者の関与が求められています。

老朽施設の集約と競技環境の更新を進める計画

奈良県営競輪場では、敷地内に老朽施設が点在しており、一部施設では耐震性能の不足も課題となっています。今回の再整備では、こうした施設を集約しながら、競輪場として必要な機能を更新していく計画です。

事業内容には、以下が含まれています。


  • 老朽化した施設の解体
  • 新スタンドの整備
  • バンクの全面改修
  • 女子選手宿舎の新設
  • 多機能棟の新設
  • 既存施設の改修
  • 施設の維持管理・運営

一部補修にとどまらず、競輪場全体の構成を見直す内容になっています。

敷地約6.6haのうち、主に南側約3.7haを整備

出展:奈良県

事業用地の面積は約6.6haです。奈良県は敷地を南北に分けて再整備を進める考えで、今回の事業で主に整備対象となるのは南側の約3.7haです。

この区域で予定されている主な整備内容は次の通りです。


  • 新スタンド
    S造3階建て、延べ3300㎡程度
  • 女子選手宿舎
    S造2階建て、延べ900㎡程度
  • 管理センター改修
    3階建て、延べ約1800㎡
  • バンク
    老朽化に対応するため全面改修

また、**敷地南西側のファンゾーン(民間提案エリア)**では、地域住民や子どもの居場所となる空間整備も想定されています。

競輪場機能に加え、地域利用も視野に

今回の計画では、競輪場としての機能更新に加え、地域との接点づくりも盛り込まれています。とくにファンゾーンについては、民間提案エリアとして位置付けられており、地域住民や子どもが利用できる空間の提案が求められています。

そのため、再整備後の競輪場は、競技開催時の機能だけでなく、日常的な地域利用も意識した構成になっていく可能性があります。公営競技施設としての役割を維持しながら、地域にどう開いていくかも提案のポイントになりそうです。

事業期間は2035年3月末まで

事業期間は2035年3月末までです。整備だけでなく、その後の維持管理・運営も含むため、事業者には長期的な視点での提案が求められます。

なお、要求水準書作成・事業者選定支援業務は、日建設計コンストラクション・マネジメントと森・濱田松本法律事務所が担当しています。技術面と法務面の両方から事業を支える体制が組まれています。

国スポ対応と施設更新を同時に進める再整備事業

出展:Wikipedia

奈良県営競輪場の再整備は、老朽化対応や耐震性の課題解消にとどまらず、2030年度の国スポリハーサル大会を見据えた競技環境の更新も目的としています。

整備上限額は約105億円。対象となるのは主に南側約3.7haで、新スタンド3300㎡程度、女子選手宿舎900㎡程度、管理センター約1800㎡の改修、バンク全面改修などが計画されています。加えて、地域住民や子どもの居場所づくりを意識したファンゾーンの整備も盛り込まれています。

今後は、8月上中旬に予定される優先交渉権者の決定に向けて、どのような提案が出てくるかが注目されます。






出典元

  • 日刊建設工業新聞
    「奈良県/競輪場(奈良市)再整備・運営DBOプロポ公告/整備の委託上限額105億円」

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