建替え後の第1展示館の完成イメージ。構想ではこれに加えてさらに施設を増設、トータルで10万㎡の総展示面積を目指している
名古屋市は、金城ふ頭にある国際展示場の拡張に向けて具体的な検討を開始しました。有識者で構成する「名古屋市における展示場のあり方構想懇の初会合を13年12月26日に開き、国内だけでなく海外からも展示会・見本市を誘致できる施設を目指すことを確認、14年度中にも構想を策定し、老朽化が目立つ第1展示館の建て替えから着手するそうです。
名古屋市の国際展示場は1973年に第1展示館が完成し、87年に第2展示館とイベント館、93年に第3展示館と交流センター、立体駐車場が整備されました。現在の総展示面積は約3.4万㎡で、総展示面積が8万㎡の東京ビッグサイト、7万㎡のインテックス大阪や幕張メッセの半分弱の規模です。また、1973年に完成した第1展示館は老朽化が目立つ上、空調設備がないため、使い勝手が悪くなっており、名古屋市は、07年度に現在地での第1展示館建て替え計画を作成、その後、金城ふ頭における都市施設の配置が見直され、国際展示場の駐車場と第1展示館の敷地にレゴランドの進出が決まり、新第1展示館は、あおなみ線金城ふ頭駅南側に移転することになりました。
懇談会では、こうした経緯も踏まえ、長期的視点から国際展示場全体のあり方が検討されます。初会合では、委員から「展示会・見本市は規模が大きいほど経済的な波及効果があり、ビジネスチャンスを生む」「第1展示館と第2、第3展示館が離れることで、一体感がなくなる」「展示会開催時の交通渋滞が大きな課題」などの意見が出ました。懇談会は今後、4回程度の会合を開き、14年度中に拡張整備構想素案をまとめる予定で、名古屋市はその後、港湾関係者と調整し、構想を策定します。
国内第二位のインテックス大阪の総展示面積は7万㎡(写真右)。旧ライカ本社跡や周辺遊休地を活用して総展示面積15万平米を目指して欲しい
【後れを取る日本の展示場】
日本の展示場施設は激しい国際競争にさらされており、総展示面積で後れを取っています。日本展示会協会が発表した2012年のデータによると、総展示面積の世界第1位はドイツのハノーヴァーにある見本市会場で面積はなんと47万㎡です。2位はフランクフルト(35.5万㎡)、3位ミラノ(34.5万㎡)、4位はアジア最大の広州(33.8㎡)、5位ケルン(28.4万㎡)、6位デュッセルドルフ(26.2万㎡)、7位パリ(24.2万㎡)、8位シカゴ(24.1万㎡)といった状況です。日本国内で最大規模の東京ビッグサイトの総展示面積は8万㎡で、これは世界ランキングで68位だそうです。アジア各国の力の入れようも凄いです。上海、台北、韓国などでは、10万㎡を超える展示場が国策として、官民の支援のもと次々と建設されており、10万㎡を超える展示場は全世界で56箇所もあります。
この国際展示場の整備状況を見ていると、海運や空港の動向と酷似していてゾッとします。港や空港は日本全国各地に中途半端な規模の施設が沢山造られましたが、本当に必要だった、世界に通用する大水深のコンテナバースを持つハブ港、オープンパラレル配置の複数滑走路を備えた24時間運用可能なスーパーハブ空港は造られず、結果としてハブの座をアジア各国に奪われてしまいました。展示場も気がつけば総展示面積10万㎡クラスが当たり前で、1級品は15万〜20万㎡クラスといった状況になっており、日本の展示場ビッグ3といえる東京ビッグサイ、インテックス大阪、幕張メッセの3つを合わせた規模が必要な時代になっています。
このまま展示場整備が遅れる状況が続くと、日本に会場が無い為に中国、韓国、マレーシア、シンガポールなどに展示会が流出するという情けない事態になります。そうなれば、展示会が生み出す巨大な経済効果や各業界の中心としての地位を日本が失うことになり、巨大な損失をもたらす事となります。
この世界的な潮流を敏感に感じ取っている名古屋市は2013年9月10日の市議会において「現在の展示場ポートメッセなごや(展示面積 3万4,000㎡)を拡張する計画があること」、および「新会場の規模は日本最大の東京ビッグサイトを超える、10万㎡を視野に入れること」を発表しました。 現在の東京ビッグサイトを超える規模の展示場の整備は国内だけで考えるとオーバースペックに思えますが、ワールドワイドの視点で考えると当然の事だと言う事が解ります。まだ正式に決定した訳ではありませんが、是非とも10万㎡クラスの展示場を実現して欲しいと思いました。
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しろきちさん
インテックス大阪は20万ではなく30万、いや40万にしましょう!
それこそ、見た目だけではなくイベント主催者にとって使い勝手のいい低コストで機能的なものを写真の左側に建設。
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展示場イベントは短期間ではありますが多数の人が集まるので経済効果はものすごいものがあります
同時に大容量の交通機関(鉄道や高速道路)やホテルを整備しないことには誰も利用してくれませんけど
展示場も空港ターミナルも、ゼネコンと建築デザイナーが無駄に気合と金を使っていた時代が長いこと続きましたが
空港ターミナルではここ数年でようやくシンプルで低コストなスタイルが受け入れられるようになってきました
展示場も見た目だけではなくイベント主催者にとって使い勝手のいい低コストで機能的なものが流行っても良い頃です
それと今回は名古屋が先鞭をつける形にはなりましたが、ポテンシャルでいえば大阪の方が上でしょう
名古屋の港湾部はいろいろな意味で頭打ちですが大阪はまだまだ開発の余地があります
問題は行政主導になると実用上の機能性を犠牲にしてしまいかねないことでしょうか(これはどこの自治体でも言えること)
実際に話が持ち上がった際には、各企業やイベント主催者の意見を取り入れて使い易い仕様になることを祈ります
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愛阪者さん
15万とは言わずに、2倍の「20万平方メートル」にしましょう!\(^o^)/
やはり、夢は大きい方が良いですしね(^^)
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「名古屋が10万やったら大阪はせめて15万にせんとあかんな。」と考えるのが民間。
手続きのことばっかり頭に思い浮かべて硬直した思考でボーッと眺めてるのが役人。
ほんまにしっかりしてもらいたいもんですね。
ところで「なにわ筋線」のほうがやっとこさ動き出すみたいですね。
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ハノーファーの展示場デカすぎるでしょ。なんですか四十七万て・・・
端数だけでインテックス大阪と並ぶじゃないですか・・・・・
それは兎も角、この展示場が完成を見れば名古屋のコミケが捗ることは間違いないでしょうね。
モーターショーなんかも開くとしたら、やっぱり広い方がいいでしょうし。
インテックス大阪もそろそろ改修とかやってくれればいいんですが、先立つものがないとやっぱり難しいんでしょうかね。
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世界標準に追いついていない日本の施設規模は残念な状況ですね。必要だとはわかっていてもできないのか、それとも不要だと判断しているのか。なにが世界競争への参戦を妨げているのか。やる気があるのか。やる気がないのか。私みたいな天邪鬼はともかく、日本人の皆が皆凋落の美学なんてものを求めているわけではないはずですが・・・国際競争に勝てる日本を!負けず嫌いなんで思想的国粋主義と無関係にそう思う私なのです。