J.フロントが『神戸旧居留地25番館』を取得! 百貨店と連携し、旧居留地エリアの回遊性向上を図る

J.フロント リテイリングは2026年1月16日、子会社のJ.フロント都市開発株式会社が、複合商業施設「神戸旧居留地25番館」を取得すると発表しました。契約締結日は同日で、取得額は非公表としています。

同社は、傘下の大丸神戸店との連携を軸に、周辺店舗との相乗効果を生み出し、旧居留地エリアの回遊性を高めることで、街全体の魅力向上を目指すとしています。あわせて、収益性の高い物件である点にも期待を示しています。

取得対象となる施設の概要と立地

神戸旧居留地25番館は、アクティビア・プロパティーズ投資法人から取得されます。施設内には、ホテル機能と商業機能が一体的に整備されており、「バーニーズ・ニューヨーク」や「ビームス ハウス」などの高級衣料店が出店しています。

同施設は、仲町通りを挟んで徒歩約5分の位置に大丸神戸店が立地しており、百貨店と複合商業施設が近接する配置となっています。この距離関係は、旧居留地内での回遊動線を構築するうえで重要な要素といえます。

ホテル名称変更について

出展:Plan・Do・See

神戸旧居留地25番館のホテル部分は、現在「オリエンタルホテル神戸」として運営されていますが、商標使用許諾契約の終了に伴い、2026年2月1日から「THE ORIENT(ジ・オリエント)」に名称変更される予定です。名称変更後も、宿泊・飲食・催事といったホテル機能は継続される見通しで、施設全体の運営形態や旧居留地における役割が大きく変わるものではないとされています。

大丸神戸店との連携による展開


大丸神戸店は1987年以降、旧居留地においてブランド誘致や周辺店舗開発を通じた街の活性化に取り組んできました。今回の25番館取得により、J.フロントグループは、百貨店単体では実現しにくかった施策を検討できる環境を整えた形となります。

具体的には、


  • ホテルを活用した催事やイベントの開催

  • 旧居留地エリアに不足している業態・店舗の展開

  • 商業と宿泊を横断した来街動線の設計

などが想定されており、百貨店と街全体を連動させた取り組みが視野に入っています。

重点都市・神戸で進める「地域共栄」戦略

J.フロント リテイリングは、「地域共栄」を掲げ、名古屋や大阪などの重点都市で複合商業施設の開発やエリア価値向上に取り組んでいます。神戸も重点都市の一つに位置付けられており、旧居留地での継続的な投資は、その戦略の一環といえます。百貨店事業に不動産・都市開発機能を組み合わせ、街全体の価値を引き上げる方針が、今回の取得からも確認できます。

回遊性と滞在時間を高めるための中核施設取得

神戸旧居留地25番館の取得は、単なる収益物件の追加ではありません。旧居留地全体の回遊性と滞在時間を高めるための中核となる施設を確保した動きと捉えられます。

旧居留地は、街区や建築の完成度が高く、大規模な再開発による価値創出が難しいエリアです。そのため、来街者の動線設計や滞在時間の拡張といった運営面での工夫が、エリア価値を左右します。商業施設に加えホテル機能を内包する25番館は、買い物中心の短時間滞在にとどまらず、宿泊や飲食、催事を通じて街に時間を使わせる役割を担います。大丸神戸店との連携を前提に、百貨店の集客力を旧居留地全体へ広げる装置として位置付けられている点が、本件の特徴です。

まとめ

J.フロント リテイリングによる神戸旧居留地25番館の取得は、百貨店と複合商業施設が近接する立地を生かし、旧居留地エリア全体の回遊性と滞在価値を高める取り組みといえます。

ホテル名称の変更という節目を迎えつつも、商業と宿泊を組み合わせた中核施設としての役割は維持され、街を「運営によって価値を更新する」モデルの一端を担うことになります。今後、具体的な施策がどのように展開されるのかが注目されます。






出典元

  • J.フロント リテイリング株式会社
     「神戸旧居留地25番館を取得 ~神戸・旧居留地の活性化に継続して取り組みます~」

  • 日本経済新聞
     「Jフロント、神戸旧居留地25番館を買収 百貨店と連携展望」

Visited 101 times, 103 visit(s) today