奈良県立医科大学は、現キャンパスの建物の老朽化が進み手狭な事から新キャンパス整備を進めています。予定地は、橿原市四条町にある同大の現教育・研究部門を約1㎞離れた旧農業研究開発センター跡地約10.6haで、老朽化している教養教育部門と看護学科の施設などを先行整備する計画です。また、今回の1期整備の後に、研究棟2棟と総合研究棟、交流施設、事務局棟、エネルギーセンターなどが整備されます。
【出展元】
→奈良医大 キャンパスだより2023 .vol.13
→奈良県立医科大学新キャンパス整備基本計画書(PDF)
奈良県立医科大学は2020年6月3日に「奈良県立医科大学新キャンパス建設工事基本・実施設計業務」の総合評価一般競争入札を公告しました。8月17日に開札します。移転事業の第1期として実習棟や講義棟など5棟総延べ2万5800㎡を整備する計画で予定価格は6億3504万1000円です。
計画概要は、RC造3階建て延べ8780㎡の実習・研究棟、延べ8430㎡の講義棟、RC・S造3階建て延べ5240㎡の講堂・図書棟、S造2階建て延べ2630㎡の体育館・クラブ棟、同延べ740㎡の武道館の新築工事に伴う建築、電気設備、機械設備、外構整備の基本・実施設計一式。低入札調査基準価格は5億1940万9000円です。履行期間は2022年3月末まで。
新キャンパスは、奈良の歴史・風土を取り入れたデザインとし、日本最初の本格的な都城である「藤原京」をモチーフに古都奈良に相応しいキャンパス整備をが行われます。 完成予想パースを見ると大学のキャンパスとはとても思えない雰囲気です。まさに21世紀の藤原京といった感じです。
以前ご紹介した初期案は「朱色の柱」が春日大社の様で良かったのですが、着工した建物は、かなり大人っぽいデザインに変更された様です。
現在の奈良医大は相当老朽化している上に、医科大学附属病院とセットで狭い敷地にう詰め込まれている感が凄いので、キャンパスを移転させる事で病院側の思い切った再整備が可能になりました。現在の学舎に比べると、快適性や効率性に「天と地」ほどの差がありそうです。
初期の完成イメージパース
初期案はコリドーの柱が朱色で、着工案よりも寺院を連想させるデザインでした。
計画概要
建設地 | 敷地 A | 敷地 B | 敷地 C | 敷地 D |
(桜川以西の地域) | (桜川以東の地域) | |||
敷地面積 | 約 9 3 , 5 00 ㎡ | 約 3,500 ㎡ | 約 9,500 ㎡ | 約 300 ㎡ |
用途地域 | 市街化調整区域 | |||
指定建ぺい率 | 60% | 40 % | ||
指定容積率 | 100% | 200% | ||
道路幅員 | 国道 24 号線: 38m 慈明町 13 号線: 14m |
四条町 15 号線: 4.5m 慈明町 13 号線: 11.5m |
||
斜線制限 | 道路斜線 1:1.25 、 隣地斜線 20m + 1:1.25 | |||
日影規制 | 指定なし | |||
絶対高さ | 15m 以下(橿原市景観条例) | 13m 以下(橿原市風致地区条例) | ||
壁面後退 | 指定なし | 道路境界側: 2.0m 隣地境界側: 1.0m (橿原市風致地区条例) |
||
防火指定 | 法 22 条区域 | |||
その他地域・地区 | 指定なし | 歴風保存区域 畝傍山風致地区(ゾーン3) |
棟番号 | 棟名称 | 面積 | 規模 |
a | 実習・研究棟 | 約 8 , 64 0 ㎡ | 地上3階 |
b | 講義棟 | 約 8, 58 0 ㎡ | 地上3階 |
c | 講堂・図書 棟 | 約 5, 23 0 ㎡ | 地上3階 |
d | クラブ棟・体育館 | 約 2,6 20 ㎡ | 地上2階 |
e | 武道館 | 約 7 40 ㎡ | 地上2階 |
合計 | 約 25,810 ㎡ |
【出展元】
→地域向け広報紙「奈良医大キャンパスだより」
2024年5月の様子
現地の様子です。前回の取材が2023年8月だったので、約9ヶ月振りの撮影です。
こちらは『B:講義棟』 の様子です。新キャンパスの建物は、大和三山などの景観に配慮した低層和風デザインとなっています。
左から「C:研究棟」、真ん中奥「A:講堂図書棟」、右「B:講義棟」の並びです。統一されたデザインなので、新たな街といった雰囲気があります。まるで令和の都といった感じですね。
外装デザインはかなり拘っている様子で、カーテンウォールや屋根の「実物大モックアップ」が設置されていました。
「C:研究棟」を真正面から見た様子です。手前の敷地は将来の拡張に備えたリザーブスペースです。
南西見た様子です。リザーブスペースが広大である事が分かります。
「C:研究棟」から続く建物群。写真右奥までは相当な距離があります。
左「D:体育施設棟」、右「C:研究棟」の並びです。
北西側から見た「D:体育施設棟」の様子です。
敷地北側にあるグランド・駐車場の様子です。
最後はテニスコートの様子です。
2023年8月の様子
現地の様子です。前回の取材が2022年2月だったので約1年半ぶりの撮影です。
北西側から見た様子です。躯体が姿を表しており驚きました。メチャクチャ工事が進んでいます。もっと話題になっても良いのに!!
西側から見た様子です。写真の建物は体育館・クラブ棟になります。
敷地北側の様子です。
体育館・クラブ棟を北側から見た様子です。
最後はグランドの様子です。久々に奈良県立医科大学 新キャンパス整備計画の建設現場を取材しましたが、順調に工事が進んでいる様子でした。いよいよ「令和の藤原京」が姿を表します。
2022年2月の様子
現地の様子です。前回の撮影が2021年5月だったので、約9ヶ月振りの取材です。
現地に掲示されていた作業工程表です。2022年2月は準備仮設施設工事、敷地造成、擁壁、道路・雨水排水施設、調整池、農業用水施設、構造物撤去などが行われていました。
久々に現地を訪れてみると、敷地の造成工事等が始まっており、いよいよプロジェクトが動き出した感じがしました!
畝傍山近くの様子です。前回取材時とは様子が一変していました。
既存施設の解体ガラなどが積まれていました。
解る人にはわかる、ロータリー付近の様子です。
ロータリーから西側に移動して振り返った様子です。
北西から見た様子です。
このあたりはかなり工事が進んでいる様に見えました。
いよいよ動き出した奈良県立医科大学 新キャンパス整備計画。藤原京を模した壮大なキャンパス造りは、これから本格的な工事が始まります。
2021年5月の様子
現地の様子です。計画地は旧農業研究開発センター跡地約10.6haで神武天皇陵に隣接しています。奥には畝傍山が見えています。
計画地の真ん中辺りの様子です。
広さが10ヘクタールほどあるので端から端まで歩くのも一苦労です。
計画地の西端付近から東側を見た様子です。
奥に見えるのは奈良県立医科大学附属病院です。