京都市南区で建設が進む「(仮称)チームラボミュージアム京都」。2025年3月に建物が完成する予定です。(現時点、オープン日は未定)
本施設は、デジタルアート集団「チームラボ」による体験型アートミュージアムで、最先端テクノロジーを活用したアート作品の常設展示に加え、市民ギャラリーやカフェ、アートセンターを併設。地域と世界をつなぐ文化発信拠点として、新たな観光・芸術スポットになることが期待されています。
京都市の市有地活用プロジェクトとして誕生
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京都市は、京都駅東南部エリアの市有地活用を目的とした施設の設置・運営事業者を公募型プロポーザルで選定し、契約候補事業者として「京都駅東南部エリアプロジェクト有限責任事業組合」を決定しました。同組合の代表を務めるのが、デジタルアートで世界的に知られるチームラボです。
市は2021年6月22日に基本協定を締結し、事業計画や契約条件の詳細について協議。2022年5月31日付で60年間の定期借地権設定契約を締結しました。賃料は年額42,000,000円で、対象となるのは、京都市南区東九条東岩本町にある市有地A(敷地面積1,486.97㎡)と市有地B(敷地面積5,093.67㎡)。これらの土地を活用し、芸術複合施設として整備する計画が始動しました。
最新技術を活かした体験型アート空間
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チームラボミュージアム京都は、鉄骨造・地上5階建て、延床面積9,982㎡の大規模施設です。館内には数百台のプロジェクターやセンサー、ムービングライトなどが設置され、来場者が作品の一部となる没入型のアート体験を提供します。さらに、デジタル技術を駆使した作品創造の場としての活用も検討されており、京都市立芸術大学の学生をはじめとする若手アーティストにとって、実験的な創作活動ができるプラットフォームとなることを目指しています。
また、施設内にはカフェも併設予定で、アートに囲まれながらくつろげる空間を提供。鑑賞だけでなく、訪れる人々が自由にアートを楽しめる場所となります。
「Superblue Kyoto」との連携で文化発信を強化
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同エリアには、世界的なアート事業「Superblue」による体験型アートセンター「Superblue Kyoto」も開設予定です。Superblueは、ニューヨークのギャラリー「Pace Gallery」のCEOらが立ち上げたプロジェクトで、ジェームズ・タレルやエス・デブリン、チームラボといった著名アーティストの没入型アート作品を展示します。
Superblue Kyotoには、京都の学生や地域住民が参加できる市民ギャラリーも併設され、芸術作品の発表や交流の場となることを想定。また、ワークショップなどを通じて、地域と世界をつなぐ新たな文化交流の拠点となることが期待されています。
歩行空間との連携で回遊性向上
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ミュージアムのエントランスは、歩行空間として整備予定の須原通沿いに設置される予定です。また、須原通沿いから鑑賞できるアート作品を設置し、エリア全体の回遊性向上を図ります。これは、単なるアート施設としての機能にとどまらず、地域全体の活性化を目指した取り組みの一環でもあります。
地域活性化と新たな都市モデルの創出
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このプロジェクトには、京都新聞ホールディングスや京阪ホールディングス、朝日放送テレビ、読売テレビなど、京都・大阪を基盤とする複数の企業が参画しています。アートを通じたまちづくりの一環として、京都駅東南部エリアに新たな価値を生み出し、文化芸術を軸とした地域の活性化を推進します。
さらに、計画地の近くに京都市立芸術大学が2023年10月に移転・開学しました。芸術大学の学生や多様な芸術文化関係者が集い、市民と交流する場を設けることで新たな価値を生み出すことを目指します。
チームラボミュージアム京都とSuperblue Kyotoが連携することで、京都はデジタルアートと現代アートが融合する新たな文化都市として、国内外からの注目を集めることになるでしょう。開業後は、多くの来場者に革新的なアート体験を提供し、京都の新たな魅力の一つとして定着していくことが期待されています。
【出典元】
→(仮称)チームラボミュージアム京都新築工事
→(仮称)チームラボミュージアム京都
→チームラボのミュージアムがオープンする京都駅東南部エリアに、ニューヨークのメガギャラリーPACEのCEOらが設立した一大アート事業「Superblue」が参画。
計画概要
施設名称:(仮称)チームラボミュージアム京都
計画名称:(仮称)チームラボミュージアム京都新築工事
所在地: 京都府京都市南区東九条東岩本町19-1ほか
交通:JR京都駅、地下鉄京都駅、近鉄京都駅
構造:鉄骨造
階数: 地上5階
高さ:22.93m
主用途: 美術館、事務所
敷地面積: 5,093.49㎡
建築面積: 3,912.87㎡
延床面積: 9,981.59㎡
建築主: 京都駅東南部エリアプロジェクト有限責任事業組合
設計者: 大成建設
施工者: 大成建設
着工: 2023年07月10日
竣工: 2025年03月07日
開業:ーーー