奈良町にオープンした『鹿猿狐ビルヂング』。ビルの1階のエレベーターホールには、ビルの名称と同じ「鹿・猿・狐」のオブジェが置かれています。これはStephanie Quayle(ステファニー・クエール)氏の作品で、彼女はDOVER STREET MARKET GINZAの1F に展示されている象の作家として知られています。
Stephanie Quayle(ステファニー・クエール)氏は、1982年イギリス・マン島生まれ。イギリスを拠点とするアーティストで、セラミックで動物の彫刻作品を制作しています。「動物」に焦点をあてた彼女の作品は、荒削りなタッチでありつつ生命力にあふれ、命が宿っているかのようです。
Stephanie Quayle Deer and Monkey 2014
クエールは、英国のカントリーサイドにある自然豊かな農場で生まれ育ち、現在も農場にある自宅兼アトリエで創作活動を続けています。彼女の作品は、野性的でエキゾチックな佇まいをもった動物と、文明社会に存在する本や椅子など身近なオブジェクトとの対比により、人間と動物の間におこる緊張感を浮かび上がらせます。Stephanie Quayle FOX 2020
彼女の作り出す作品はただ単純に「動物」を形どり再現したものではなく、「動物」本来の性質に焦点をあて、彼らの持ち合わせているその性質を彫刻という手段で一見荒々しくも繊細に表現しています。エレベーターホールに展示されている「鹿・猿・狐」のオブジェ。荒削りでありながら優しさを感じる事が出来る不思議な作品でした。機会があれば是非じっくりと見てみて下さい!