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アートアクアリウム2021 大阪の宝石の様な展示に息をのむ!本展を含めた都市型水族館の流行に思う事



2021年7月7日(水)~9月5日(日)の期間、大阪初公開となるアクアリウムの数々が幻想的に織りなす「アートアクアリウム展~大阪・金魚の艶~」が開催されています。

アートアクアリウムとは、作家・総合プロデューサー木村英智氏が手掛ける『アート、デザイン、エンターテイメント』と 『アクアリウム』が融合した水族アートの展覧会。本物の金魚や鯉が舞い泳ぐ芸術的な造形美の水槽作品を、照明、音楽、プロジェクションマッピング等で演出する事で、これまでに無い、神秘的な水辺の世界を創り出しています。

 

『アートアクアリウム展2021 』大阪・堂島リバーフォーラムにて開催!豪商:淀屋が見た「金魚が泳ぐ天井」を彷彿とさせる展示も!



 

 

 

 


先日ニュース記事で展覧会の開催をお伝えしましたが、とても見たかったので見に行ってきました。

※今回はいつもよりも大きめの画像をUPしており重たいですが、画像をタップして拡大して見てみて下さい!

 

 

セキテイリウム

日本庭園から、川や池などの水を排して、石組と庭木などから構成された庭『枯山水』。その枯山水からさらに庭木なども限りなく無くした庭が『石庭』です。「セキテイリウム」は、究極のシンプルさで表現された石庭において、一番最初に排した“水”を、最後まで残された“石”として表現し、その“石”の中に金魚を泳がせた作品です。庭造りの概念を覆す作品とも考えられ、独特の世界を味わう事ができます。

 

 

 

 

会場に入って最初に目に飛び込んでくる「セキテイリウム」。クリスタルな透明感のあるアクリル水槽の中に舞い泳ぐ金魚の姿にうっとりしました。

 

 

ロータスリウム

夏の季語でもある花『蓮』をモチーフとした、約4m四方の荘厳な雰囲気のアクアリウム。蓮は、大きく美しい花を咲かせるために、濃い泥水を必要とし、苦境や困難を乗り越え花を咲かせます。命の象徴としての金魚・鯉が織り成す、優美な世界観を感じられる作品となっています。

 

 

 

 

アップで見るとこんな感じです。

 

 

 

天井金魚

 

大阪で「金魚」のエピーソードで思い浮かぶのが江戸時代の豪商「淀屋」。江戸初期の元禄から正徳年間の記録「元正間記」は淀屋4代目、三郎右衛門の豪華な暮らしぶりを記しており「夏座敷と称して天井にビードロ(ガラス)を張り、そこへ清水をたたえ、金魚を泳がせた」と伝えられています。

 

 

今回は、この展示を見るためやってきました。江戸時代の豪商淀屋が見た光景を彷彿とさせる展示。豪商淀屋が見上げた天井はこんな感じだったのでしょうか・・・。

 

 

キリコリウム

江戸切子で作られた涼やかな金魚鉢に可憐で珍しい金魚が泳ぐ「キリコリウム」。

 

 

伝統工芸のデザインを取り入れた展示

美しい・・・との言葉しか出てきませんでした。

 

 

キモノリウム

京都の伝統工芸品である『京友禅』の趣にモダンアートの映像をあてて、その上を泳ぐ金魚の姿と3Dプロジェクションマッピングが折り重なります。映像の上を金魚が舞うことで完成する一期一会の瞬間美を楽しむことができます。

 

 

 

着物を模した水槽にプロジェクションマッピングの手法で映像が当てられています。

 

 

 

映像なのか本物なのか、感覚がおかしくなる不思議な展示。

 

 

芸術作品に参加する金魚たち。

 

 

様々な金魚たち

 

 

超・花魁

『アートアクアリウム誕生10周年』で制作された集大成的な存在の超大作。誕生から9年間にわたり主役の座に存在し続けた、処女作「花魁」を遥かに凌駕する体積の巨大金魚鉢に約3,000匹の金魚が舞い泳ぎます。七色に光り輝くライティングと、荘厳さを際立たせる映像効果により、見る者を圧倒する最高峰の記念作品です。

 

 

 

 

 

本展を含めて都市型水族館に思う事

アートアクアリウム展は、芸実作品としての視点で見ると展示作品はとても美しく幻想的で、来館者を非日常空間に誘う素晴らしい内容でした。純粋に美しいと思いましたし、豪商淀屋が見上げた天井に思いを馳せる事ができました。

一方、生き物の視点で見ると、金魚たちに取っては優しい環境とは言いづらい展示だと思います。アートアクアリウム展の感想をネットで調べると厳しい意見が散見され「なるほど」と思う所もありました。大阪会場では過去のSNSの写真などと見比べると金魚の数を減らしている様に見受けられました。主催者側もSNSの声に応えて魚たちの状態に気を配っているのかもれません。

 

 


アートアクアリウム展に限った事ではありませんが、最近流行の「都市型水族館」に思う事は、展示される魚は「生き物」である事を忘れないで欲しいという事です。究極を突き詰めると水族館も動物園も人間のエゴの産物で存在は悪、となっていまいますが、そういった短絡的な考え方で全否定してしまうと、動物園での情操教育や科学的な観測、今回の芸術表現など、何も出来なくなってしまいます。

アートアクアリウムについては、最低限、魚たちの健康管理と状態に気を配り、その辺りがおざなりになる事が無い様に努めて欲しいと思いました。

ちょっと小難しい事を書きましたが、展示内容はスピリチュアルで感動的な美しさでした。アート展としては入場料以上の満足度だったのでシンプルにお勧めできます!

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