大阪メトロ、2025年度は営業収益2,333億円・営業利益528億円で過去最高を達成!鉄道乗車人員は10億人突破。万博で稼ぎ、ポスト万博で再投資する好循環に


Osaka Metro Groupは、2025年度決算で増収増益となり、営業収益・営業利益ともに2018年の民営化以降で過去最高を達成しました!営業収益は前年度比15.0%増の2,333億円、営業利益は同30.7%増の528億円、経常利益は同28.3%増の508億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同12.6%増の330億円となりました。

増収増益の主因は、大阪・関西万博に伴う輸送需要の増加です。通常の鉄道・バス利用に加え、万博関連のバス輸送、不動産収入、広告収入が伸長。委託費や減価償却費の増加を吸収し、民営化後最高益につなげました。

2025年度は営業収益2,333億円、営業利益528億円


項目 2025年度実績 前年度比
営業収益 2,333億円 +15.0%
営業利益 528億円 +30.7%
経常利益 508億円 +28.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 330億円 +12.6%

2025年度決算のポイントは、単なる「万博特需」ではありません。鉄道、バス、不動産、広告が同時に伸びたことで、都市交通ネットワークの集客力が、駅・沿線・広告・不動産の収益へ波及した点にあります。

鉄道乗車人員は10億1,661万5,000人、1日あたり約278万5,000人

鉄道事業では、2025年度の乗車人員が10億1,661万5,000人となり、前年度から8,162万5,000人、8.7%増加しました。1日あたりでは約278万5,000人です。運輸収入は1,811億円で、前年度から216億円、13.5%増加しました。


区分 2024年度実績 2025年度実績 増減 前年度比 2025年度 1日あたり
合計 9億3,499万0,000人 10億1,661万5,000人 +8,162万5,000人 +8.7% 約278万5,000人
定期 4億6,660万7,000人 4億8,356万7,000人 +1,696万1,000人 +3.6% 約132万5,000人
定期券 3億3,355万5,000人 3億5,416万3,000人 +2,060万8,000人 +6.2% 約97万0,000人
マイスタイル 1億3,305万2,000人 1億2,940万4,000人 ▲364万8,000人 ▲2.7% 約35万5,000人
定期外 4億6,838万4,000人 5億3,304万8,000人 +6,466万4,000人 +13.8% 約146万0,000人

2024年度実績は大阪メトロの公式決算資料に掲載された数値です。2025年度は、乗車人員の伸び以上に運輸収入が伸びています。特に定期外は、乗車人員が13.8%増、運輸収入が20.2%増となり、万博来場者、観光客、インバウンド、イベント来街者などの非定期利用が収益を押し上げた構図が見えます。

交通事業の営業利益は482億円、鉄道が稼ぎ頭

セグメント別では、鉄道・バスなどの交通事業が全体利益を大きく支えました。2025年度の交通事業は営業収益2,091億円、営業利益482億円。交通事業のうち鉄道事業は営業収益1,966億円、営業利益470億円、バス事業は営業収益177億円、営業利益14億円でした。


セグメント 営業収益 営業利益
交通事業 2,091億円 482億円
マーケティング・生活支援サービス事業 134億円 9億円
都市開発事業 115億円 27億円
広告事業 56億円 10億円
その他 ▲63億円 0億円
合計 2,333億円 528億円

大阪メトロの強みは、大阪都心部に高密度な地下鉄ネットワークを持つことです。2025年度は中央線を中心とする万博アクセス需要が加わり、都市鉄道としての収益力が大きく可視化された年度でした。

不動産・広告も伸長、非鉄道事業は育成段階へ

Osaka Metro本町ビル

今回の決算で見逃せないのは、非交通事業も着実に伸びている点です。都市開発事業は営業収益115億円、営業利益27億円。広告事業は営業収益56億円、営業利益10億円。マーケティング・生活支援サービス事業も営業収益134億円、営業利益9億円となりました。

大阪メトロのかねてからの課題は、非鉄道事業の収益基盤をいかに確立するかです。関西私鉄各社は、沿線開発を起点に、鉄道、商業、不動産、ホテル、レジャー、サービス業などを組み合わせた複合的な収益モデルを築いてきました。一方、大阪メトロは公営交通を母体として民営化した企業であり、鉄道以外の収益領域はこれから本格的に育てていく段階にあります。

もちろん、現時点ではまだ「私鉄型多角化モデル」が完成したわけではありません。利益の大半は、依然として鉄道を中心とする交通事業が生み出しています。ただ、駅を単なる乗降施設ではなく、広告、不動産、生活サービス、都市開発の接点として活用する方向性は明確になりつつあります。


ポスト万博はMaaS、森之宮、夢洲跡地へ

2026年度計画では、設備投資として総額約500億円を見込みます。安全関連投資を最優先しつつ、車両更新、災害対策、駅のグランドリニューアル、エレベーター整備、e METROアプリ、バス事業、都市開発などへ資金を振り向けます。さらに、基礎的な投資計画とは別に、成長投資余地として約270億円も想定しています。

都市開発では、森之宮エリアで大阪城東部地区1.5期開発を見据えた新駅・駅ビル設置計画に事業着手。夢洲エリアでは、夢洲2期、つまり万博跡地開発への参画準備を進める方針も示しました。

決算の本質は、都市鉄道の収益モデル進化

2025年度のOsaka Metro Groupは、営業収益2,333億円、営業利益528億円という民営化以降最高の決算を達成しました。その中核にあったのは、鉄道乗車人員10億1,661万5,000人、鉄道運輸収入1,811億円という実績です。

万博は一過性のイベントですが、そこで可視化されたのは、大阪メトロが観光、イベント、インバウンド、広域来街需要を取り込める都市鉄道であるという事実でした。2026年度は反動減が避けられませんが、鉄道利用は2024年度水準を上回る見通しです。

万博で稼ぎ、ポスト万博で再投資する。
地下鉄会社から、交通・生活サービス・都市開発を束ねる「生活まちづくり企業」へ進化する。

2025年度決算は、その転換点を示す過去最高決算だったといえます。





出典
Osaka Metro Group「2024年度(2025年3月期)決算」


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