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なんば駅前に「Grand Namba Vision」誕生!なんばマルイの南側壁面の街頭ビジョンが復活、都市の顔に新たな彩り


大阪・難波の駅前広場に、エリア最大級のLED街頭ビジョン「Grand Namba Vision」が設置されました。 なんばのシンボルとも言える駅前空間に、かつてのにぎわいを思い出させる高精細のデジタルサイネージが登場し、広告メディアとしてだけでなく、都市景観のアクセントとしても注目されています。 しばらくの間、街頭ビジョンが姿を消していたこの場所に、再び動的な情報発信の場が戻ってきたことを、少しうれしく感じている方も多いのではないでしょうか。

🏩️ ロケーションは“難波の顔”──最高の立地に誕生



所在地は大阪市中央区難波3丁目、なんばマルイの南側壁面に設置されています。戎橋筋商店街の入口付近という、視認性と人通りの多さが際立つポジションで、駅前広場の導線と重なり合う“都市の顔”とも言える場所です。

難波駅は南海電鉄、Osaka Metro(御堂筋線・四つ橋線・千日前線)、近鉄、阪神、JRといった複数の鉄道路線が集結する日本屈指の巨大ターミナルであり、関西国際空港を経由して訪れる世界中の旅行者にとって、日本の玄関口のひとつとしても重要な役割を担っています。こうした立地条件から、平日・休日を問わず国内外の観光客、通勤客、買い物客が行き交い、駅前広場周辺には常に高い人流が生まれています。この場所における街頭ビジョンの復活は、単なる広告の復権にとどまらず、都市の情報環境そのものに「動き」を取り戻すものとして注目されます。

🎥 街頭ビジョンの“再登場”──かつてのにぎわいが戻る場所に



今回導入された「Grand Namba Vision」は、なんば駅前に位置する東宝南街ビルの壁面に設置されたLEDデジタルサイネージです。サイズは全体で高さ7,500mm×幅10,000mm(75㎡)、うち動画表示面は高さ5,600mm×幅10,000mm(56㎡)となっており、6mmピッチの高精細なLEDによって、遠方からでもくっきりと映像を確認できます。

この場所には、2006年の「なんばマルイ」開業当初にも大型街頭ビジョンが存在していました。しかし、その後の施設改修や運用方針の変更により撤去され、長らく固定広告看板が使用されてきました。動きのある映像がなくなったことで、なんとなく寂しさを感じていた方もいたかもしれません。今回のLEDビジョン導入によって、かつてのにぎわいが現代的な技術でよみがえった印象です。

💰 柔軟な広告プラン──短期からネーミングライツまで



広告料金は以下の通り、複数のプランが用意されています。
  • 長期プラン(2社限定):1枠30秒を年間8,000,000円(税別)
  • 短期プラン:1枠30秒を1週間400,000円(税別)
放映時間は8時から24時までの16時間で、1時間あたり5回流れます。最低でも90%の稼働が保証されており、広告主にとっては安定した露出が期待できます。月曜日スタートで、仮押さえ不可の決定優先型という点も特徴です。

さらに、**ネーミングライツプラン(1社限定)**も設定されており、年間50,000,000円(税別)で以下の内容が提供されます。
  • 毎時20分間の放映枠(音声あり10分+音声なし10分)
  • ビジョン下部の静止画広告(高さ1,900mm×幅10,000mm=19㎡)
ブランド名を冠する広告主にとっては、高い訴求力を得られるプレミアムなパッケージです。

📊 通行量と費用対効果──インプレッションから見る価値



難波駅周辺は、以下の通行量が記録されています:
  • 南海難波駅:217,969人/日(2023年)
  • Osaka Metroなんば駅:346,418人/日(2024年)
  • 近鉄大阪難波駅+阪神大阪難波駅+直通:183,647人/日(2023年)
  • JR難波駅(乗車人員):17,930人/日 × 2 ≒ 35,860人/日(2022年)
合計すると約783,894人/日となりますが、全員が「なんば駅前広場」を通過するわけではありません。実際には地下改札からそのまま目的地に向かう動線も多く、視認可能圏内を通行する割合は限定されます。

そのため、ここでは仮に駅利用者の20%が駅前広場を通過すると仮定した場合、これはなんば駅を利用する人のうち、実際に地上の駅前広場を通る可能性のある人数を推定したものです。
  • 推定広場通行者数:約157,000人/日
本ビジョンは1日あたり80回(30秒×5回/時 × 16時間)放映されます。1回の放映で1,000人が視認したと仮定すると、
  • 想定インプレッション:80,000人/日 × 365日 = 約29,200,000人/年
ただし、実質的な視認人数がこの上限に達するとは限らず、広告効果は時間帯・天候・周辺イベント等に左右されるため、あくまで最大見積に近いシミュレーションである点も認識すべきでしょう。
  • CPI(Cost Per Impression):約0.274円/人(上限試算時)
このように、視認人数の仮定には幅がありますが、それでも中心地の街頭ビジョンとしては高い費用対効果が見込める広告媒体といえます。

🔈 音声放映と地域配慮──公共空間としての節度



「Grand Namba Vision」は映像だけでなく音声対応も可能ですが、その運用には慎重な設計がなされています。音声使用は9時から20時まで(祝日は10時開始)、音量は70dB以内、10分放送・10分休止のサイクルが採用されています。近隣住民や商店街への配慮も明記されており、万一クレームが入った場合には、速やかに音量調整や音声の一時停止が行われるなど、地域との調和を大切にした運用がなされています。

🌿 「なんば広場」に寄り添う存在へ──情報とくつろぎの交差点



「Grand Namba Vision」が面している「なんば駅前広場」は、ベンチや緑地が整備され、日中は買い物客や観光客がひと息つく場として活用されています。このくつろぎの空間に、動的な情報を静かに届ける存在として、街頭ビジョンは再び機能し始めました。

派手さを競うのではなく、人々の都市体験に自然と馴染む情報媒体──それがこのビジョンが目指す姿です。再び街に“動き”が戻ってきたことを、懐かしさとともにうれしく感じる人も少なくないでしょう。

📝 出典元

  • 株式会社ジェイアール西日本コミュニケーションズ「Grand Namba Vision」媒体資料(2025年4月時点)
  • メディアパートナー各社提供の広告媒体情報(所在地・仕様・放映条件等)
  • 各鉄道事業者による駅別乗降人員統計(2022〜2024年度)
  • 施設情報:なんばマルイ公式サイト、東宝南街ビル公開情報
  • 地理・交通アクセス:大阪市交通局/南海電鉄/近畿日本鉄道公式サイト
  • 周辺環境に関する記述:X(旧Twitter)およびブログ読者からの情報提供をもとに、筆者が2025年5月に現地調査を実施

2 COMMENTS

よっさんdsnmb

こういう「街との調和」を重視した「進歩した街頭ビジョン」の設置を見ても大阪の再開発、都市開発は明らかに一歩高みに達したと思う。

『人類の進歩と調和』、大阪万博1970のスローガンです。

アリー my dear

あら、ここの街頭ビジョン復活してたんですね!知りませんでした(*^^*)

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