アーバンネット札幌リンクタワー、2026年10月3日グランドオープンへ! 工事やり直しを経て、札幌初のハイアットなどがそろう26階建て複合拠点に



NTT都市開発は2026年9月2日、札幌市中央区の旧北海道放送(HBC)本社跡地に整備した「アーバンネット札幌リンクタワー」を、10月3日にグランドオープンすると発表しました。同日には、札幌初進出となる「ハイアット セントリック 札幌」も開業します。

施工不良に伴う大規模な工事やり直しで完成が約2年以上遅れた大型再開発が、オフィス、ホテル、商業、スタートアップ支援の4機能を備え、ようやく本格始動します。

鉄骨を撤去して再構築、当初予定から28か月遅れて竣工



当ブログでは2023年3月18日、同計画で発覚した施工不良と工事やり直しを報じました。

施工を担当する大成建設は、鉄骨建方や床スラブ厚に精度不良があり、一部の鉄骨精度計測値について実測値と異なる数値を報告していたことを公表。是正のため、当時施工済みだった地上部分すべてと地下の対象部分を撤去し、再構築する異例の対応を取りました。

建物は2026年6月30日に竣工。当初予定していた2024年2月から28か月遅れで完成しました。ホテルについても、当初の2024年春開業予定から2026年10月へ大幅に延期されました。

道庁と大通公園の間に4つの都市機能を集約



アーバンネット札幌リンクタワーは、北海道庁と大通公園の間に位置する地上26階・地下2階の複合ビルです。道庁側の「ノース」と北1条通側の「サウス」で構成されます。
項目 内容
所在地 札幌市中央区北一条西5丁目1番4
規模 地上26階・地下2階、高さ約110.9m※
敷地面積 約4,606㎡※
延床面積 約60,941㎡
主な用途 オフィス、ホテル、商業、スタートアップ支援
構造 鉄骨造・鉄骨鉄筋コンクリート造、制震構造
アクセス 地下鉄大通駅徒歩6分、JR札幌駅徒歩10分。北一条地下駐車場公共地下歩道に直結
環境性能 再生可能エネルギー由来電力を実質100%導入、札幌市「ゼロカーボン推進ビル」認定
事業主/設計/施工 NTT都市開発/久米設計/大成建設
※高さ約110.9m、敷地面積約4,606㎡は2024年12月公表の計画値です。延床面積や建物仕様、環境性能は竣工後の公表内容を採用しています。

ノースの外観は白い縦ラインによって札幌の原生林や雪景色を表現。サウスは北菓楼札幌本館や中央警察署との壁面位置や軒高の連続性を意識し、周辺に残る歴史的建築との調和を図っています。

札幌初のハイアット、216室すべて36㎡以上



高層部には「ハイアット セントリック 札幌」が入ります。ハイアット セントリックは、都市中心部を拠点に地域の食や文化を楽しむ旅行者を主なターゲットとするフルサービスのブティックホテルブランドです。
項目 内容
ホテル区画 1階の一部、17~26階
客室 19~26階、216室
スイート 9室
客室面積 全室36㎡以上、最大116㎡
デザイン BOND DESIGN STUDIO
付帯施設 レストラン2店舗、バー、フィットネス、多目的イベントスペース
経営/運営 NTT都市開発ホテルマネジメント/ハイアット ホテルズ コーポレーション
デザインコンセプトは「探検家の邸宅」。古材や馬具、藁などを用いたアートを通じて北海道の歴史や暮らしを館内に取り込み、地域のアーティストとも連携しながら、ホテルを起点に札幌の街を巡る滞在を提案します。

17階のメインダイニング「Matsu Grill & Bar」では、北海道産食材を使い、地中海料理の要素を取り入れた薪火料理を提供します。

商業9店舗が順次開業、1階には市民が使えるアトリウム



低層部には、北海道の食を軸にした9店舗が入ります。すでに9月1日から3店舗が営業を始めており、10月3日のグランドオープンに向けて順次開業します。
開業日 主な店舗
9月1日 ちょこっと寿し 季わ美/カレーうどん 鬼はそと/NorthContinent 赤れんが
10月1日 居酒屋ふる里 赤れんが南/ファミリーマート
10月2日 蝦夷の雫とアテ PAIRINGx HOKKAIDO
10月3日 Mr. Fish by Hyatt Centric Sapporo/Q/宮の森珈琲
「Q」は「Japanese Ramen Noodle LabQ」が移転を機に屋号を変更する店舗です。「蝦夷の雫とアテ PAIRINGx HOKKAIDO」はHBCが運営し、旧本社跡地から道産ワインや食材の魅力を発信します。

ノース1階には一般利用できるアトリウムも整備しました。飲食店と屋内の滞在・イベント空間を組み合わせ、周辺で働く人や市民が日常的に立ち寄れる場所を目指します。

大型オフィスと「HooK」で企業集積を支える



ノース3~16階のオフィスは基準階500坪超を確保し、最小約30坪への分割にも対応します。

札幌中心部では再開発に伴う既存オフィスビルの建て替えが続いており、まとまった面積を確保できる新築オフィスは、複数拠点に分散する企業の集約移転先としても重要です。アーバンネット札幌リンクタワーは、新たなオフィス供給としてその需要を取り込む狙いがあります。

一方、サウス2~7階ではスタートアップ支援施設「HooK」が7月15日に先行開業しました。コワーキング、スモールオフィス、最大120人収容のイベントラウンジを備え、創業期から成長期まで幅広い企業を支援します。

単にオフィス床を供給するだけでなく、既存企業とスタートアップ、人材が交流する仕組みを組み込んでいる点も、この再開発の特徴です。

札幌都心の新しい回遊拠点になれるか



アーバンネット札幌リンクタワーがオフィスワーカー、ホテル宿泊者、飲食客、起業家など異なる目的を持つ人を集め、北海道庁周辺から大通公園、札幌駅方面へと人の流れをつなぐことができれば、周辺の飲食や買い物にも波及効果が期待できます。

特にホテルと商業、一般利用できるアトリウムを組み合わせたことで、平日のオフィス需要だけに依存しない施設構成となりました。札幌初のハイアットは国内外から旅行者を呼び込む装置となり、HooKは新しい企業や人材を都心に呼び込む役割を担います。

施工不良に伴う鉄骨撤去・再構築という大きな問題を乗り越え、計画から長い年月を経て、ようやく全面的な開業を迎えるアーバンネット札幌リンクタワー。

市民には日常的な立ち寄り先として、旅行者には札幌を楽しむ拠点として、さらに企業やスタートアップには新たな活動拠点として定着し、札幌都心の回遊性と賑わいを高める施設へ育ってほしいと思います。




出典

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