神戸港の新港第1突堤は、三宮駅から南に約1km、メリケンパークなどがある中突堤の東隣に位置の所にある神戸港最古の突堤で、貨物船の大型化により荷揚げ場としての役割を失い、2005年から遊休地になっていました。神戸市は、都心に隣接する新港第1突堤用地を活用し、新規施設を企画・建設・経営する事業者を公募し、ホテル ラ・スイートハーバーランドを運営する(株)ラスイートを選定しました。新施設の開業は2015年11月を予定、総事業費は約75 億円です。
神戸市のHPからお借りした完成予想パースです。新施設の計画地は2万7479m2の広さで、ホテル(88室、レスト ラン、最上階露天風呂など)、健康増進施設(天然温泉浴場、プール、フィットネス、レストランなど)、国際コンベンションホールなどからなる12階建ての 複合施設が建設されます。
【出典元】→神戸市HP>都心・ウォーターフロント 新港第1突堤用地 事業者の決定>位置図・完成予想図(PDF)
ホテルは、全室オーシャンビューを確保。周辺には緑を多く配して遊歩道を整備し、べンチや東屋、足湯、街灯やイルミネーション を設置するなど昼夜間のにぎわいを創出する計画です。
【スペック】
階数:地上12階、地下1階
高さ:
客室数:88室
敷地面積:2万 7479mm2
延床面積:2万980m2
◇ホテル:9,680m2(客室88室、レストラン、最上階露天風呂な ど)
◇健康増進施設:3,010m2(天然温泉浴場、プール、フィットネス、レストランなど)
◇国際コンベンションホール:3,470m2
駐車場:374台
所在地:神戸市中央区新港町
【出典元】→神戸市HP>都心・ウォーターフロント 新港第1突堤用地 事業者の決定>位置図・完成予想図(PDF)
新ホテルは、天然温泉付きの和風ホテルで、客室数は88室。広さ70m2以上が18室、スタンダードタイプでも50m2程度の広さがあり、全室がオーシャンビューと展望露天風呂を完備し、畳スペースが設けられます。温泉は現地で地下1キロまで掘ってくみ上げる計画です。平均宿泊料金は1泊2食付きで1万5000円(1人?)を想定しています。新ホテルのコンセプトは、以前ご紹介した京都嵐山温泉 絹の湯 花伝抄(かでんしょう)に近い気がします。
【出典元】→神戸市HP>都心・ウォーターフロント 新港第1突堤用地 事業者の決定>位置図・完成予想図(PDF)
北西側から見た、新ホテルの完成予想パースです。新ホテルは、天然温泉付きの和風ホテルとの事ですが、完成予想パースを見る限り、所々に木目の箇所がある以外は、あまり和風な感じはありませんね。
新港第一突堤の再開発を行う、株式会社ラスイートは、ハーバーランドに隣接する「ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランド」を展開しています。
ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランドは、全室が70平米以上のテラス付オーシャンビュー&大型ジャグジーを完備する、スモールラグジュアリーホテルです。2010年にイギリスに本部を置くスモール・ラクシャリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド(SLH)の加盟ホテルに、日本のホテルで初めて認定さています。SLHグループの加盟基準は高く、毎年世界中から数百に上る申し込みがありますが、最終的に加盟が許されるのは20前後と言われています。また、ミシュランガイドの京都・大阪・神戸に於いて、3年連続神戸地区最高評価「4レッドパビリオン(最上級の快適さ)」を獲得しています。
新ホテルが建設される新港第一突堤付近の様子です。新港第一突堤は、神戸市の都心部と近接するウォーターフロントの立地ですが、市外地とウォーターフロントは物流倉庫群や阪神高速や国道2号線などで分断されています。新港第一突堤の再開発の入札件数が少なかった理由として、都心部から近くて遠い立地に原因があるのではないでしょうか。。
【出典元】→wikipedia>ファイル:Circularkey.jpg
神戸市の目指す方向として参考になりそうなのが、シドニーのサーキュラーキー・ロックスエリアです。サーキュラーキーは、シドニーにある埠頭で、シドニー中心業務地区の北縁、シドニー湾に面しています。サーキュラー・キーには、歩道が整備され、ショッピングモール、公園、レストランが軒を連ね、シドニー湾を横断するフェリー乗り場、バスターミナル、鉄道駅が設けられている一大観光エリアとなっています。ウォーターフロント沿いには超高層オフィスビル、コンドミニアム、ホテルが林立しています。
ラスイート社が進出し、再開発が始まる新港第一突堤。いきなりシドニーのレベルを実現する事は難しいですが、この開発を皮切りに神戸市は「海と街が分断されている」、現在の問題点を解消して行って欲しいです。地道に改善を行なってゆけば、神戸は、かなりいい所まで行けると思います。今後の取り組み期待したいですね。