大阪市城東区の中浜下水処理場は稼働開始から50年以上が経過し施設の老朽化が進んでいます。一方、大阪市では「水都大阪」ブランドの確立に向けて、道頓堀川・東横掘川の水辺の魅力創出に取り組んでおり、水質の更なる改善を目指しています。また、とんぼりリバーウォークの整備や遊覧船の活況など、人と川との距離が一層近いものとなっています。
そこで、老朽化した下水処理場をパワーアップさせ、キレイな処理水を東横堀川に送水することで道頓堀川・東横堀川の水質改善を図る『中浜下水処理場水処理施設整備事業』が行われる事になりました。
【出展元】
→道頓堀川・東横堀川のさらなる水質改善に取り組みます
→大阪・中浜下水処理場に最新下水処理技術「スクラム」が初導入
→液中膜技術の特徴
→都道府県による水域類型指定状況について
これまでの道頓堀川・東横堀川は、潮の干満を利用した水門操作により、比較的きれいな大川の水を取り込むことで、水質浄化を図っていました。しかし、大阪市では、市域の約97%を合流式下水道により整備していることから、雨の強さが一定の水準を超えると、雨水とともに汚水の一部が直接放流されるという課題があり、東横堀川・道頓堀川でも、降雨のたびに下水が流れ込み、水質汚濁の原因の一つとなっていました。
しかし、大阪市が建設を推進してきた「平成の太閤下水」が2019度から供用開始された事により、今後は下水の放流がほとんど無くなる見込みです。併せて、2019年度より川底に溜まった泥を浚渫、除去する事になりました。さらに近隣の中浜下水処理場に膜分離活性汚泥法(MBR)を導入し、超高度処理水を活用することで、さらなる水質改善に取り組む計画です。全設備が稼働するのは2020年度ごろの予定です。
大腸菌ゼロ・省スペースなシステムがさらに省エネ型に
水質浄化の切り札は、中浜下水処理場に導入される、クボタと東芝が共同開発した最新鋭のスマートMBR下水処理システム「スクラム(SCRUM)」です。MBRは「膜分離活性汚泥法」(Membrane Bio‐reactor)のことで、汚水を浄化した後の微生物を平均0.2μmの穴があいた「膜」でろ過し、大腸菌の混入がゼロで透明度の高いキレイな水へと処理する方式です。従来に比べコンパクトな施設で汚水を浄化出来る為、広大な敷地の確保が難しい都市部においてメリットがある下水処理法と言えます。クボタのMBRは、すでに国内では8割のシェアを持ち、かつ海外でも700件の導入実績があり、世界的なトップランナーの位置を占めています。そこへ新たに「スクラム」がデビューすることで、今回の中浜下水処理場を皮切りに、国内でも中大規模下水処理場へのMBRの普及が本格化していくことが見込まれています。
道頓堀川、東横堀川を山を流れる川と同じぐらいキレイにしたい!
スクラムが稼働すると、道頓堀川と東横堀川はどのぐらいキレイになるのでしょうか?大阪市の報道資料によると、「道頓堀川、東横堀川の水質環境基準を、山間部を流れる河川同様のA類型にすることをめざしています」とのこと。そして、「川底が見えるくらいのきれいな川にしたい」と記されています。
ここまでの水質改善は無理でも悪臭が無い川を目指して欲しい
大阪府内河川の 類型指定は、山間部レベルは「A型」都市部は「B類型」と定義されています。大阪市内に「A型」の河川はありません。また、環境省が定める基準によると、水生生物の保全に係る環境基準類型の「生物 A」は、イワナ・サケマス等比較的低温域を好む水生生物及びこれらの餌生物が生息する水域、と定義されています。大阪府下で「生物 A」の水質を満たしているのは水無瀬川 、石見川、田尻川、箕面川などがあります。都心のど真ん中を流れる道頓堀川・東横堀川が「A類型」、さらに「生物 A」レベルまで水質改善されれば、本当に画期的な事です。
今回の道頓堀川・横堀川の水質改善計画は、平成の太閤下水という遠大なビッグプロジェクトの完成に加え、老朽化した中浜下水処理場を最新設備に更新する事で実現するもので、非常に多くの費用と時間がかかっています。トドメに川底に溜まった汚泥を浚渫除去する事で、根本的な水質改善が見込まれます。
いままで、道頓堀川の水質を完全する取り組みのニュースは数多くありましたが、どれもPR的な内容で根本解決にはほど遠いのが実情でした。今回は汚水の入り口を塞いで、汚れた川を掃除する、今までとは比べものにならない規模の設備が完成するので、全施設が稼働する2020年度以降は見違える様に美しくなった道頓堀川が見られそうです。
もう大阪の河川の水質はかなり良くなってるんですね
10年前くらいまで毎年あった全国の河川の水質ワーストの記事
いつも大和川と綾瀬川と鶴見川がワーストを争っていた記事が最近見なくなったのは
大和川の水質が良くなって間違ってもワーストになることがなくなったからなんです
夏場、デッキに座り足を川の水に浸けながらかき氷やたこ焼きを食べる若者たちの姿が目に浮かびます
どうしても、ヘドロまみれのカーネルサンダースが思い浮かんでしまう。。
東横堀川・道頓堀川は「堀川」とある様に運河であり、
水の流れがあまり無く、抜本的に水質改善されるイメージが湧きません
素人考えなので詳しくは分かりませんが、期待は持ちたいニュースですね
道頓堀ダイブが増えそうですね。