大和工業アリーナ姫路(姫路市立ひめじスーパーアリーナ)総事業費約400億円、手柄山再整備の中核PFI事業が終盤に【2026年10月1日開業予定】


姫路市が進める総事業費約400億円の大型PFI事業「手柄山スポーツ施設整備運営事業」の建設工事が、いよいよ大詰めを迎えています。2026年10月1日の開業を予定しているこの新施設は、観客席約5,000席のメインアリーナ・日本水泳連盟公認の屋内50mプール・レジャー機能付きの屋外プールからなる大規模複合スポーツ施設です。

施設の愛称は「大和工業アリーナ姫路」。姫路発祥の鉄鋼メーカー・大和工業がネーミングライツを取得したことで決まりました。また、最寄り駅となるJR「手柄山平和公園駅」が2026年3月14日に開業し、アクセス環境も大きく改善されています。手柄山中央公園の再整備を牽引する中核プロジェクトとして、完成への期待が高まっています。

手柄山中央公園の再整備を担う中核プロジェクト


手柄山中央公園は姫路市中心市街地の南西部に位置し、年間170万人以上が訪れる市内屈指の総合公園です。しかし既存のスポーツ施設の老朽化が長年の課題となっており、市は「手柄山中央公園整備基本計画」に基づき、新体育館・新プールの整備を含む大規模な再編に乗り出しました。

事業はPFI方式で実施されており、2021年に三菱HCキャピタルを代表とするグループが落札。設計監理は梓設計・加藤建築事務所・オオバの共同企業体、施工は大成建設・ノバック・ハマダの共同企業体が担っています。設計・建設・運営を一体として民間に委ねることで、競技利用だけでなく興行やイベントにも柔軟に対応できる施設づくりが実現しています。

愛称は「大和工業アリーナ姫路」に決定


2025年12月、姫路市は新施設「姫路市立ひめじスーパーアリーナ」のネーミングライツスポンサーとして大和工業株式会社と契約を締結し、施設愛称を「大和工業アリーナ姫路」に決定しました。年額ネーミングライツ料は1,800万円(税込)で、契約期間は2025年12月1日から2031年3月31日までの5年4か月です。

姫路で生まれ、姫路を拠点にグローバル展開してきた大和工業の社名を冠したこの名称は、地元企業と公共インフラが結びついた象徴性の高いものとなっています。施設の名称はその街の産業や地域のアイデンティティを映し出す側面もあり、「大和工業アリーナ姫路」は姫路という工業都市の厚みを自然なかたちで体現しているといえます。

メインアリーナは約5,000席!大会も興行も対応可能


新体育館の中核となるメインアリーナは、長辺67m×短辺40m、天井高約16mの広さを誇ります。固定席約3,200席に加えて移動席約1,800席を設け、センターコート利用時で約5,000席規模となります。

対応競技はバスケットボール3面・バレーボール3面・バドミントン12面・フットサル2面・卓球52台など多岐にわたります。大型映像装置・特別観覧室・放送室・大会役員室なども完備し、全国大会や商業イベントにも対応できる仕様です。

この規模は「市民向けの体育館」の枠を超えています。日常利用を支えながら、全国規模の大会や興行も呼び込める中規模アリーナとして整備されることで、スポーツ振興にとどまらず、交流人口の拡大や都市イメージの向上にも貢献することが期待されます。近年は全国でアリーナ整備が加速していますが、大和工業アリーナ姫路もその流れの中で、播磨圏の新たな拠点としての存在感を高めていくことになるでしょう。

日本水泳連盟公認の50mプールも完備


もう一つの大きな特徴が、屋内競技用プールです。50mプールは日本水泳連盟公認の国内一般プールAA規格に対応し、可動床により水深を0〜3mの間で調整できます。50m使用時は10レーン、25m使用時は10レーン+8レーンの構成に切り替えられ、競泳・水球・アーティスティックスイミングなどに対応可能です。固定観客席は約1,500席で、さらに約1,000席分の仮設席設置スペースも確保されています。

25mプールも併設されるため、大会時のウォーミングアップ用プールとしても機能します。体育館の建て替えにとどまらず、水泳系競技にも本格対応することで、この施設は姫路市のスポーツ基盤全体を底上げする投資となっています。

屋外プールから飲食まで、幅広い世代が楽しめる複合施設


この施設は競技だけに特化しているわけではありません。屋外附属プールには流れるプールやウォータースライダーなどを備えたレジャープールが整備されます。多目的広場にはBBQに対応するアウトドアリビングサイトやアスレチックサイトも計画されており、家族連れも楽しめる空間が生まれます。

さらに館内にはトレーニングルーム・多目的スタジオ・キッズルーム・センサリールーム・レストラン・コンビニなども設けられる予定で、幅広い世代が日常的に利用できる複合施設として設計されています。

「大会を開ける」「市民が日常利用できる」「家族連れでも楽しめる」という複数のニーズを同時に受け止める設計思想は、公共投資としての説得力を高める上でも重要な点です。

新駅の開業でアクセスが大幅向上


立地面でも追い風があります。2026年3月14日、JR山陽本線の姫路〜英賀保間に新駅「手柄山平和公園駅」が開業しました。1日あたり約5,000人の利用が見込まれているこの駅は、大和工業アリーナ姫路と連絡通路で直結する計画となっており、大規模イベント開催時のアクセス性は従来と比べて格段に向上します。

都市施設は単体では価値を最大化できません。駅・歩行者動線・公園・周辺施設といかにつながるかが、利用のしやすさや集客力を大きく左右します。今回の整備は、アリーナの建設単体ではなく、新駅の開設も含めた「都市機能のセット」として進められている点が本質的な強みです。この一体性こそが、手柄山エリア再編の大きな特長といえます。

姫路の新たな集客・交流拠点へ


大和工業アリーナ姫路は、約5,000席のメインアリーナと公認50mプールを兼ね備えた、播磨圏でも際立った存在感を持つ公共スポーツ施設です。PFI方式による整備・ネーミングライツの活用・駅直結・公園再整備との連動という複数の施策が組み合わさっている点に、このプロジェクトのスケール感があります。

開業予定は2026年10月1日、一般利用の受付開始は2026年8月1日からの予定です。

姫路といえば姫路城のイメージが強いですが、今後はスポーツ・イベント・交流の面でも手柄山エリアの存在感が増していくことは間違いありません。大和工業アリーナ姫路は単なる新施設ではなく、姫路市が都市機能を刷新し、次の時代の集客基盤を築くための戦略的拠点です。その全貌が明らかになる日は、もうすぐそこまで来ています。

2026年3月の様子


現地の様子です。この一帯はこれまで駅空白地帯で、取材に行こうにもアクセスがやや不便なエリアでした。そこに新駅「手柄山平和公園駅」が開業したことで、ようやく現地を無理なく遠征取材できる環境が整いました。


本施設は、新駅「手柄山平和公園駅」と2階レベルのペデストリアンデッキで直結される計画です。


今年10月の開業に向けて、建設工事はかなり進んできました。


地上から見た様子です。50万人規模の都市の複合スポーツ施設としては破格の規模だと思います。


メインエントランス付近の様子です。


プール側の様子です。


最後はメインアリーナ側の様子です。

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