大阪市中央区大手前一丁目で進められている「大手前地区地区計画」。そのうち、テレビ大阪旧本社や大手前センタービルがある「B地区」において、跡地再開発の概要が明らかになりました。新ビルは、高さ155m・39階建てタワーマンション。建築主は大和ハウス工業株式会社、設計・施工は長谷工コーポレーションが担当し、2026年3月に着工、2030年3月に完成する予定です。
大手前地区地区計画の概要
本地区は、大阪城公園と大川に隣接する立地にあり、京阪本線・中之島線およびOsaka Metro谷町線の「天満橋」駅に近接しています。水と緑に恵まれた環境と高い交通利便性を兼ね備えており、都市拠点としての可能性を持っています。
「大手前地区地区計画」では、こうした立地特性を活かし、情報発信・業務・宿泊・居住・商業といった多様な機能を導入し、都市の魅力を高めることが狙いです。加えて、大阪城公園の玄関口として観光拠点機能を強化し、天満橋駅から大阪城公園をつなぐ歩行者空間を整備することで、快適で魅力ある複合拠点の形成を目指しています。
A地区とB地区の役割
計画地は「A地区」と「B地区」に分けられています。
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A地区(日経新聞大阪本社跡)
先行して開発が進み、2024年5月1日に「ダブルツリーbyヒルトン大阪城」が開業しました。同月13日にはテレビ大阪が新本社に移転し、メディアと観光の複合拠点が稼働を始めています。 -
B地区(テレビ大阪旧本社跡・大手前センタービル跡)
A地区に続き再開発が進められるエリアで、今回の計画では高さ155mの超高層タワーマンションが建設されます。A地区との一体的なまちづくりにより、大阪城公園の玄関口にふさわしい景観やにぎわいを創出することが意図されています。
特徴と立地条件

B地区は学校に隣接していますが、北側に位置するため校舎や校庭への日照影響が少ない立地条件です。このため、都心部にありながら高さ155mという規模のタワーマンション建設が可能となったとみられます。
また、大阪城公園や大川を眼下に望む眺望も大きな魅力です。高層階からは天守閣や四季折々の公園景観、大川沿いの水辺の風景を一望でき、都心の利便性と自然環境を兼ね備えた住環境が実現します。
土地利用・まちづくりの方針
大手前地区の土地利用は、次のように定められています。
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A地区:情報発信・業務機能を更新し、宿泊機能を導入してメディアと観光の複合拠点を形成する。
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B地区:質の高い景観形成とにぎわいの連続性を確保し、業務・居住・商業などを適切に導入する。
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歩行者空間の整備:天満橋駅と大阪城公園を結ぶ安全で快適な歩行者空間を整備する。
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環境・防災への配慮:敷地内に水辺のオープンスペースや緑地を確保し、防災性向上や環境負荷低減に配慮したまちづくりを行う。
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バリアフリー:高齢者や障がい者に配慮した、人にやさしい都市環境を形成する。
地区施設の整備方針
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天満橋駅から大阪城公園を結ぶ歩行者通路を市道沿いに整備。
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A地区の東西に多目的広場を設置し、B地区の北側と南西角にも広場を整備。
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寝屋川沿いには水辺の歩行者空間を整備し、水と緑を感じられる憩いの場を創出。
今後の展望
「大手前地区地区計画」は、観光・業務・居住・商業機能をバランスよく集積させることで、大阪城公園の玄関口にふさわしい都市拠点を形成する取り組みです。A地区のホテルと新社屋に続き、B地区でのタワーマンション計画が具体化したことで、地区全体の姿が徐々に明らかになってきました。
完成すれば、大阪都心における新たなランドマークとなるとともに、都市と自然を融合させた住環境を提供し、大阪の国際都市としての魅力をさらに高める存在になると見込まれます。
これまでの経緯
【再開発の卵】大手前地区地区計画『B地区』 テレビ大阪旧社屋等の解体工事が進む!跡地はタワマンが有力か?現地の最新状況25.08
計画概要

計画名称: (仮称)大阪市中央区大手前一丁目プロジェクト
所在地: 大阪市中央区大手前一丁目2番2、2番12
交通: 大阪メトロ谷町線、京阪本線「天満橋」駅
階数: 地上39階
高さ: 155m
構造: 鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)
主用途: 共同住宅(分譲)
総戸数: 未定
敷地面積: 2,185.89㎡
建築面積: 1,154.96㎡
延床面積: 31,731.00㎡
容積対象面積: 19,804.17㎡
建築主: 大和ハウス工業
設計者: 長谷工コーポレーション 大阪エンジニアリング事業部
施工者: 長谷工コーポレーション
着工予定: 2026年03月上旬(予定)
竣工予定: 2030年03月末(予定)
立面図・配置図

建設計画のお知らせに掲載されていた立面図です。

同じく配置図です。
2025年9月の様子

現地の様子です。既存建物の解体工事が更に進み、向こう側が見えるようになりました。

北東側から見た様子です。この敷地に高さ155mの超高層タワーマンションが建設されるとは、本当に驚きです。

最後は南西側から見た様子です。
これまでの経緯
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