大阪・本町の御堂筋沿いに位置する「セント レジス ホテル 大阪」は、2026年11月2日、全160室のゲストルームとスイートを刷新したと発表しました。
同ホテルは2010年10月、日本初のセントレジスとして開業したラグジュアリーホテルです。2023年からレストランやバー、レセプションフロアなどの改装を段階的に進めてきました。今回の客室刷新は、約3年間にわたるホテル全体のリニューアルを締めくくる取り組みと位置づけられています。
開業から16年。大阪を代表する高級ホテルの一つが、建物やブランドの歴史を受け継ぎながら、滞在空間とサービスの両面で新たな価値を打ち出します。
「水都大阪の時間と記憶」をテーマに全160室を刷新

今回の改装では、一般客室から最上級のスイートまで、全160室を対象にインテリアを刷新しました。設計は久米設計が担当しています。
デザインコンセプトは「水の都・大阪の時間と記憶」。かつて川や水路が都市の発展を支えた大阪の歴史と、安土桃山文化の華やかな美意識を融合させています。西陣織や金色の刺繍、花々のモチーフなど、日本の伝統工芸を取り入れながら、現代のラグジュアリーホテルにふさわしい空間を目指しました。
特徴的なのは、客室のグレードに応じて、水の「流れ」「霞」「結晶」という3段階のデザインストーリーを展開していることです。
| 客室タイプ | テーマ | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 一般客室 | 流れ | 西陣織のヘッドボードやカーペットに大阪の丘陵や水脈を表現 |
| スイート | 霞 | 水面の光や山並み、都市の灯りを思わせる繊細な意匠 |
| ロイヤル・プレジデンシャルスイート | 結晶 | 金色の霞や吉祥の花々を取り入れた華やかなデザイン |

さらに、ホテル最上階の27階に位置する「ロイヤルスイート」と「プレジデンシャルスイート」では、金色の霞や縁起の良い花々を大胆に取り入れ、デザインの物語を締めくくります。
従来のセントレジスが持つクラシックな気品を継承しつつ、大阪の歴史や文化を視覚的に表現した点が、今回の改装の大きな特徴です。
2023年から段階的に進められてきた大規模リニューアル

セント レジス ホテル 大阪では、2023年から館内施設の改装を進めてきました。最初に着手したのは、ホテルの魅力を支える飲食施設です。
2023年には12階のイタリア料理「ラ ベデュータ」と「セントレジスバー」を改装。2025年には、12階レセプションフロアのソファやテーブルなどの調度品を刷新しました。
また、1階のフレンチレストラン「ル ドール」は全面改装され、2025年4月3日、ブラッスリー「RÉGINE(レジーヌ)」として新たにオープンしています。料理監修には、東京・六本木のミシュラン二つ星レストラン「Ryuzu」のオーナーシェフ、飯塚隆太氏を起用しました。
| 時期 | 主な改装内容 |
|---|---|
| 2023年 | 「ラ ベデュータ」「セントレジスバー」の改装 |
| 2025年3月〜 | 12階レセプションフロアのリニューアル |
| 2025年4月 | ブラッスリー「RÉGINE」開業 |
| 2026年11月 | 全160室のゲストルーム・スイート刷新を発表 |
バトラーサービスを進化させ、宿泊そのものを特別な体験に

客室の刷新に合わせて、宿泊サービスも拡充されます。
新たに導入する「セントレジス・スイートエクスペリエンス」では、ブランドを象徴する24時間対応のバトラーサービスに加え、ゲストの予定に合わせた朝食、セントレジスバーでのイブニングカクテルとカナッペなどを組み合わせます。
朝食はレストランで6時30分から10時まで提供するほか、インルームダイニングにも24時間対応。夕刻には17時30分から19時まで、セントレジスバーでカクテルアワーを楽しめます。
さらに、宿泊者向けの無料プログラム「バトラーズアワー」もスタートします。毎日16時30分から15分間、1階ロビーを起点に、ホテルのアートコレクションを巡るツアーや、大阪ゆかりのお茶・菓子のテイスティングなどを実施。バトラーとの交流を通じて、ホテルや地域の文化に触れられる仕組みです。

また、客室刷新を記念した宿泊企画「A Stay with Baton」も用意されました。セントレジスの創設者ジョン・ジェイコブ・アスター4世が愛したエアデール・テリア「Kitty」をモチーフにしたオリジナルぬいぐるみ「バトン」を、対象期間中にスイートを予約・宿泊した先着100室にプレゼントします。
予約期間は2026年11月1日から12月31日、宿泊対象期間は2026年12月1日から2027年6月30日までです。ただし、先着上限に達した時点で受付を終了します。
開業16年、日本唯一のセントレジスが新たな段階へ

セント レジス ホテル 大阪は、御堂筋沿いの本町というビジネス・商業の中心地に位置し、2010年の開業以来、大阪のラグジュアリーホテル市場で独自の存在感を築いてきました。
今回のリニューアルで注目されるのは、単に設備を新しくするだけでなく、大阪の歴史や文化を宿泊体験の価値として再構成していることです。水都大阪の風景を表現した客室デザインに、バトラーを介した文化体験や飲食サービスを組み合わせることで、ホテルの中で過ごす時間そのものの魅力を高めようとしています。

リニューアル前の客室
一方、個人的には、リニューアル前の一般客室が持つクラシカルで落ち着いたデザインがとても好きだっただけに、今回の刷新には少し戸惑いもあります。訪日外国人にも大阪らしさが直感的に伝わるよう、わかりやすいデザインを志向したのかもしれません。ただ、写真や完成予想パースだけで判断するのは早計です。実際の空間に身を置けば、素材の質感や光の使い方、居心地など、写真からは伝わらない魅力が感じられるかもしれません。いずれ実物を見て、新しい客室の印象を確かめたいと思います。
日本で唯一のセントレジスとして、開業以来、大阪の国際的な都市格を高める役割を果たしてきたホテルです。16年という歳月を経て実施された今回のリニューアルを新たな出発点として、これからも大阪を代表するラグジュアリーホテルとして、存在感を発揮してほしいと思います。
出典
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