阪神甲子園球場アルプススタンド銀傘増築計画が始動!オフシーズンのみ工事を実施。24年11月着工、28年3月完成。総工費約150億円



阪神電鉄は2024年8月2日付けのニュースリリースで、阪神甲子園球場の内野の一部座席を覆う屋根「銀傘(ぎんさん)」を、一、三塁側のアルプス席まで拡張する計画を発表しました!

今回の計画は、近年大きな課題となっている日中の「暑さ」対策として、銀傘をアルプススタンドまで拡張することで、学校応援団の環境改善を図り、高校野球の聖地として甲子園球場が進化を続けることで、高校野球文化の継承を図る事を目的としています。

【出典元】
阪神甲子園球場は銀傘をアルプススタンドまで拡張します ~高校野球文化の継承を図り、野球の聖地としてその歴史を紡いでいきます~ (hanshin.co.jp)
阪神電鉄/阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)銀傘拡張工事、大林組で11月着工 – 日刊建設工業新聞 (decn.co.jp)
甲子園の内野席覆う「銀傘」、アルプス席まで拡張へ 暑さ対策 28年3月完成|経済ニュース|神戸新聞NEXT (kobe-np.co.jp)

 



銀傘は内野と同様のガルバリウム鋼板製で拡張面積は約3,300㎡。アルプス席の約7割を覆う計画で、新たに銀傘に覆われる同席中段では日照時間が1日当たり約6時間減る見込みです。銀傘は、既存の内野部分(8,184㎡)と拡張する両翼部分を合わせて総面積は11,512㎡に拡大します。

 



計画では、球場外周に新設する地上6階建ての付属棟を新設し、銀傘を建屋で支える構造となります。高さは銀傘を含めて30.6mで、スタンドに柱を設けず、観戦環境の快適性を高める他、建屋には売店や個室観覧エリアなどが入居します。付属棟の1階はピロティと通路、2階に配管設備などを配置。3階に飲食売店やグッズショップ、4階に厨房とバックオフィスが入り、5階を観覧エリア、6階を個室観覧エリアとする予定です。

 



増築計画は、2025年の大阪関西万博終了後に着工する予定で、秋冬のオフシーズンに大林組が4期に分けて工事を進め、2028年3月に完成する予定。総工費は約150億円です。



 

阪神甲子園球場は1924年(大正13年)8月1日に、大阪朝日新聞(現・朝日新聞社)主催の全国中等学校優勝野球大会(現・全国高等学校野球選手権大会)の開催を主目的として、兵庫県武庫郡鳴尾村(現在の西宮市)に開場した、日本初の大規模多目的野球場です。1929年にはアルプス席が完成しました。

戦前にアルプススタンドまで覆っていた「大鉄傘」は1943年に太平洋戦争に伴う金属供出のためすべて取り外されました。その後1951年に「銀傘」として復活。2009年にはアルプス席を除く内野席全体を覆う形で新調され、2024年8月1日に開場100年を迎えました。今回の拡張により、銀傘は「平和の象徴」として完全復活する事になりました。

計画概要

銀傘:拡張面積:3,328㎡(既存内野銀傘8,184㎡、合計11,512㎡)
材質:ガルバリウム鋼板(内野同様)
建屋構造:鉄骨造
階数:地上6階(高さ30.6m。銀傘を含む。)
1階ピロティ(通路)
2階配管等の設備スペース
3階飲食売店、グッズショップ、コンコース
4階厨房や事務所等バックオフィス
5階観覧エリア(予定。詳細未定)
6階個室観覧エリア(予定。詳細未定)
工事費:約150億円
施工:大林組
着工:2024年11月
竣工:2028年03月

 

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