
西濃建設株式会社は、岐阜県揖斐郡大野町下磯地内で計画する「大野神戸インターチェンジ周辺まちづくり整備事業」について、2026年6月15日に起工式を行いました。
計画地は、東海環状自動車道・大野神戸ICの北側、道の駅「パレットピアおおの」の北側に位置します。宿泊施設と商業施設を組み合わせた複合開発で、コンセプトは「地域の未来をはぐくむ ホテル×コミュニティモール」。開業は2027年秋以降を予定しています。
高速道路インターチェンジ、道の駅、宿泊施設、商業施設を一体的に結び付けることで、通過交通を地域消費へ変える狙いがあります。大野神戸IC周辺は、東海環状道の整備進展により、岐阜西濃エリアの新たな玄関口として存在感を高めています。
東海環状道の整備で高まる大野神戸IC周辺のポテンシャル
大野神戸ICは、東海環状自動車道の西回り区間に位置する交通結節点です。2019年12月に大垣西IC〜大野神戸IC間が開通し、2025年8月には本巣IC〜大野神戸IC間も開通しました。これにより、岐阜西濃エリアから名神高速方面、飛騨・北陸方面への広域アクセスが向上。大野神戸IC周辺の土地利用価値も高まりつつあります。
NEXCO中日本などによると、本巣IC〜大野神戸IC間の開通後1カ月の交通量は平均約5,300台/日で、周辺区間の交通量も開通前から大きく増加しました。道路がつながることで、人と車の流れが変わり、IC周辺の開発にも新たな可能性が生まれています。
今回の計画は、こうした広域交通網の変化を背景に、IC周辺を「通過点」から「滞在・交流拠点」へ転換しようとするプロジェクトです。
ホテル47室と商業施設を整備、総事業費は約35億円

計画では、約15,000㎡の敷地にホテルと商業施設を整備します。総事業費は約35億円で、駐車場は約90台分を確保する予定です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 事業名 | 大野神戸インターチェンジ周辺まちづくり整備事業 |
| 所在地 | 岐阜県揖斐郡大野町下磯地内 |
| 立地 | 東海環状道・大野神戸IC北側、道の駅「パレットピアおおの」北側 |
| 事業者 | 西濃建設株式会社 |
| 敷地面積 | 約15,000㎡ |
| 総事業費 | 約35億円 |
| 駐車場 | 約90台 |
| 開業予定 | 2027年秋以降 |
| 施設構成 | 宿泊施設、商業施設 |

宿泊施設は約2,000㎡で、3階建てと平屋を組み合わせた構成です。客室数は47室。標準的な25㎡タイプに加え、50㎡タイプ、100㎡タイプの客室も用意されます。
| 施設 | 規模・内容 |
|---|---|
| 宿泊施設 | 約2,000㎡、3階建て+平屋、47室 |
| 客室構成 | 25㎡×36室、50㎡×10室、100㎡×1室 |
| 商業施設 | 約2,500㎡、1階建て |
| 想定業態 | 飲食、物販、教育、温浴、ランドリー、スポーツなど |
商業施設は、飲食・物販に加え、教育、温浴、ランドリー、スポーツなどの機能を想定。日常利用と観光利用の双方を取り込む構成です。
道の駅「パレットピアおおの」と連携

出展:https://www.cbr.mlit.go.jp/michinoeki/gifu/gifu56.html
計画地の南側には、道の駅「パレットピアおおの」があります。農産物直売所、レストラン、ベーカリー、観光情報発信機能、子育て支援施設、防災機能などを備えた、大野町の地域拠点です。今回の複合施設は、この道の駅と連携しながら、地域のにぎわい創出を目指します。道の駅で地域産品を購入し、商業施設で食事や温浴を楽しみ、ホテルに宿泊する。あるいは、周辺企業への出張者が滞在し、空き時間に地域の飲食・物販を利用する。こうした回遊が生まれれば、IC周辺に滞在時間と消費が生まれます。単独のロードサイド店舗ではなく、道の駅と一体で機能する滞在型エリアをつくる点に、この計画の特徴があります。
「通過する場所」から「滞在する場所」へ
高速道路IC周辺では、物流施設や工業団地の整備が先行しがちです。雇用や税収を生む重要な土地利用である一方、車が通過するだけでは地域側に残る消費は限られます。今回の計画は、そこに宿泊、飲食、物販、温浴、体験機能を重ねることで、通過交通を地域消費へ変換しようとするものです。
東海環状道の整備によって、大野神戸IC周辺には新たな交通量が生まれています。その流れを、地域に立ち寄る動機、滞在する理由、再訪するきっかけへと変えられるか。ここが、事業の成否を左右するポイントになります。
大野町周辺では、道路整備を背景に企業立地の動きも進んでいます。産業立地が進めば、ビジネス宿泊や飲食需要も生まれます。そこに道の駅、商業施設、ホテルが連動すれば、IC周辺は産業・観光・生活が交差する新たな郊外拠点へ成長する可能性があります。
地元建設会社が仕掛ける地域開発

今回の事業者である西濃建設は、岐阜県揖斐郡揖斐川町に本社を置く地元建設会社です。報道によると、同社はホテル運営も自社で行う予定とされており、宿泊業への本格参入という意味も持ちます。建設会社が建物をつくるだけでなく、土地利用、施設運営、地域のにぎわいづくりまで担う構図です。
人口減少が進む地方では、施設を整備するだけでは十分ではありません。重要なのは、地域に人を呼び込み、滞在時間を生み、消費を循環させる仕組みです。大型資本による画一的なロードサイド開発ではなく、地域を知る企業が、IC、道の駅、周辺企業と連携しながらエリア価値を高めていく。今回の計画は、大野町にとっても、西濃建設にとっても、次の成長を探る象徴的なプロジェクトといえます。
今後はホテルの性格とテナント構成に注目

現時点では、施設の正式名称、ホテルブランド、商業施設の具体的なテナント名などは公表されていません。今後の注目点は、商業施設にどのような店舗やサービスが入るのか、温浴やスポーツ機能がどの程度の規模になるのか、ホテルがビジネス利用を主軸にするのか、それとも観光滞在型の性格を強めるのか、という点です。
東海環状道の整備によって、大野神戸IC周辺の立地価値は高まりつつあります。今回の複合施設は、その変化を地域のにぎわいに変えるための一手です。大野町の玄関口は、これまでの「道の駅+IC」から、「道の駅+ホテル+商業施設」が一体となった滞在型エリアへ進化しようとしています。
出典元
・西濃建設株式会社「大野神戸インターチェンジ周辺まちづくり整備事業の起工式を行いました」・西濃建設株式会社「大野神戸インターチェンジ周辺まちづくり整備事業の協定を取り交しました」
・大野町「大野神戸インターチェンジ周辺まちづくり整備事業について」
・大野町「道の駅『パレットピアおおの』について」
・NEXCO中日本「C3 東海環状自動車道 本巣IC~大野神戸IC間 2025年8月30日に開通」
・NEXCO中日本「本巣IC~大野神戸ICの開通1カ月後の交通状況」
・日刊建設工業新聞
・建通新聞
・Impress Watch
・岐阜新聞
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