大阪市近代美術館、規模縮小し 平成28年の完成目指す


以前からペンディング状態が続いていた大阪市近代美術館の整備計画ですが、昨日のMSN産経ニュースによると美術館の規模を約半分程度に縮小し、整備費を圧縮、さらに用地の一部を民間に売却する事で整備費の一部を捻出。この計画見直し案に基づき平成28年の完成を目指す、という事です。美術館の整備計画の内容が気になる所ですが、民間に売却された用地の今後の動向も気になります。


【スペック】
名称:大阪市近代美術館
延床面積:16,000m2
敷地面積:10,600m2
整備費 :122億円
入場者数:55万人/年を想定


【フロア構成】
展示スペース:4,800m2(常設3,100m2、企画1,700m2)
エントランスホール・交流スペース:2,600?
保存・研究:2,100m2
管理・共用:6,500m2


 


 



大阪市近代美術館の計画地に隣接する、国立国際美術館


大阪市近代美術館、規模縮小し 平成28年の完成目指す
【引用元】→MSN産経ニュース2010.11.11

大阪市は 11日、財政難で建設計画を見直していた市立近代美術館について、規模を縮小したうえで、当初予定から12年遅れとなる平成28年度の完成を目指す計画案 を発表した。建設費も当初の半分以下まで圧縮するが、財源確保の見通しは不透明。用地を購入した国から計画変更に伴う違約金の支払いを求められる可能性も あり、今後さらなる紆余(うよ)曲折も予想される。
新たな計画案では、延べ床面積を当初の2万4000平方メートルから1万6000平方メートルに縮小し、建設費も280億円から122億円に圧縮。26年度に着工し、28年度の完成を目指す。近隣の国立国際美術館や市立科学館などとの相乗効果で年間55万人の集客を見込んでおり、平松邦夫市長は記者会見で「非常に厳しい財政状況だが、将来の大阪の発展のため整備に取り組みたい」と意気込みを語った。


しかし、用地取得時の借金や利子などを含めた総事業費は約290億円にのぼる。建設用地の約4割にあたる6300平方 メートルなどを民間に売却して建設費に充てるとしているが、不足するのは確実。民間から約100億円を目標に募るとしていた寄付も達成の見通しは不透明 で、さらなる計画変更を迫られる可能性もありそうだ。近代美術館は、市制100周年事業として昭和58年に北区中之島への建設構想が発表された。平成10年に策定した基本計画などによると、地下1階、地上8階建ての施設を約280億円(土地代除く)かけて16年度当初までに建設する予定だった。
しかし、国から購入した用地で環境基準値を上回る土壌汚染が判明したため、完成予定を23年度末に延期。16年には当時の関淳一市長が財政難を理由に計画を凍結したが、19年に就任した平松市長は計画を再開する意向を示すなど、方針は二転三転した。
市はこれまでにモディリアニの「髪をほどいた横たわる裸婦」など約千点を153億円で購入。大阪市出身の洋画家、佐伯祐三の「郵便配達夫」などの寄贈も受け、計4400点を保管しているが、大半は倉庫で眠っている状態だ。


 


 


 



大阪市近代美術館の計画地と周辺の超高層ビル群


 


この大阪市近代美術館の計画、随分昔から浮かんでは消えるを繰り返してきたような気がします。昔みた新聞の整備イメージではTwin21の2倍の延べ床面積のツインタワーを建設し、その収益で美術館を整備する、という記事を見た記憶もあります。。


いずれにせよ、莫大な費用を投じて収集した、貴重な美術品が長らく倉庫に保管され塩漬け状態にされているのは非常にもったいないですし、美術館の計画地は再開発が進む中之島西部地区のヘソにあたる部分ですので、整備費の都合もありますが、悔いの残らない施設を整備して欲しいと思います。