2025年6月6日から、大阪・関西万博会場の東ゲートそばで、全長130mの巨大な映像演出『MEGA CANVAS(メガキャンバス)』がスタートします。物流倉庫の壁を使ったこのプロジェクションマッピングは、万博帰りの人々の“待ち時間”を特別な体験へと変える、日本でも珍しい都市型アートです。
会場は夢洲の物流センター、130mの巨大壁面を活用

このプロジェクトが行われるのは、大阪市此花区夢洲東にある横浜冷凍株式会社(通称:ヨコレイ)の夢洲物流センターです。建物の西側にある、**縦約10m×横約130m=1,300㎡**もの広大な壁面をスクリーンに見立てて、連夜プロジェクションマッピングが上映されます。
上映期間は2025年6月6日(金)~10月13日(月・祝)までの130日間。時間は毎晩19時30分~21時30分まで(日没により多少の変動あり)。観覧は無料で、東ゲートまたは夢洲駅の地上出口から視認できます。なお、大阪府内で“公道をまたいで映像を見せる”プロジェクションマッピングは初めてであり、建物の使い方を根本から見直す試みとしても注目されています。

映像には5つのテーマ、見るたび新しい体験を上映される映像は、次の5つのテーマに沿って構成されています。時間:1日の流れや季節の移ろいを映像で表現。たとえば、ジンベエザメが泳ぐ海の中をたこ焼きや串カツが流れるなど、“大阪らしい”映像表現も登場します。また、上映作品は随時更新され、期間中も新作が追加されるため、何度訪れても違う楽しみ方ができます。
地域:大阪の風景や観光地、文化資源の魅力を紹介
夢:24カ国の子どもたちが描いた“未来の夢”を映像化
笑顔:ユーモアや驚きで、見て楽しい仕掛けを演出
文化:京都大学による重要文化財のスキャン映像を活用
「共創」でつくられる映像体験

映像の制作には、プロのアーティストや企業だけでなく、学生や子どもたちも参加しています。子どもたちが描いたイラストが映像に組み込まれたり、学校との連携で地域参加型の作品がつくられたりと、**“誰かが見るもの”から“自分ごととして関われるもの”**へと進化しているのが特徴です。プロジェクトの主催は、三菱UFJフィナンシャル・グループ系の関西イノベーションセンター。大阪府との共催で、関西経済や文化の活性化を目的としています。企画制作は、東京駅や二条城のプロジェクションマッピングを手がけたネイキッドと、空間演出を得意とするカクシンが担当。クオリティにも妥協がありません。
映像は「帰り道」に重ねて上映──待ち時間を価値ある体験へ

このプロジェクションマッピングが映し出されるのは、まさに帰宅ラッシュの時間帯です。大阪・関西万博では、21時のパビリオン閉場とともに水上ショーが終わり、夢洲駅へ向かう人の列が集中します。特に東ゲートから駅までは30分以上かかることもあるため、多くの人が長時間並ぶことになります。
このタイミングで『MEGA CANVAS』が上映されることで、行列の人たちはただ「待つ」だけでなく、“映像を見る”という新たな価値ある時間を体験できます。混雑が苦にならず、むしろ“この映像を見て帰る”という流れができることで、都市における「出口体験」の質が大きく変わります。
倉庫を“語る空間”へ変える。都市の新しい使い方

そもそも物流倉庫は、人が集まる場所ではなく“見られない場所”として扱われてきました。しかし『MEGA CANVAS』は、そこに光と映像を加えることで、「見る場所」「楽しむ場所」「参加する場所」へと機能を拡張しています。こうした「未活用の壁面」や「都市の余白」を、映像やアートの力で再活用する試みは、欧米の都市開発でも注目されている流れです。『MEGA CANVAS』は、日本における先行事例として、文化・観光・教育が重なり合う新たな都市空間のあり方を示しています。
万博の先へ──都市に残る新しい価値
『MEGA CANVAS』は、万博会場の盛り上げのための一時的な演出ではありません。主催者は、今後も他地域の壁面や公共空間を使った展開を視野に入れており、“都市空間をどう使うか”という問いに対する実践例として捉えています。映像を通じて「人が集まり、関わり、記憶する場所」をつくる──このプロジェクトは、私たちが当たり前だと思っていた都市の姿に、新たな問いを投げかけています。出典元:
PR TIMES「一般社団法人関西イノベーションセンター『MEGA CANVASプロジェクトがスタートします!』」2025年5月27日
PR TIMES「株式会社ネイキッド『大阪・関西万博会場そばに国内最大級のプロジェクションマッピングショー、ネイキッドも参画』」2025年6月4日
MEGA CANVAS公式サイト:https://megacanvas.jp/
関西イノベーションセンター:https://www.muic-kansai.jp/
4月に行った時に東ゲートから入ったのですが、倉庫がかなり大きくて目立ってました。一瞬、万博関連の建物か?と思いました。なので、プロジェクションマッピングはgood アイデアですね!昼間も何か表示できると更に良いと思いますが、ちょっと無理かな・・・。運営側も、日々工夫されてますね。お節介とは思いましたが、帰り際に気が付いたことを案内所でお話してきました。すごく真摯に聞いて頂き、具体的に改善を検討中とも言われました。他のスタッフ方も総じて対応が良く好感が持てました。色々と大変だとは思いますが、頑張って欲しいです。応援しています。
メディアの陰湿・執拗なネガキャンはありますけど、こうしていろんなことをして楽しませてくれる万博には感謝です。