大阪が世界7位、東京が10位に EIU「世界で最も住みやすい都市2026」で日本勢2都市がトップ10入り



大阪が、世界で最も住みやすい都市のトップ10に再び入りました!

英エコノミスト・グループの調査部門であるエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が発表した「Global Liveability Index 2026」で、大阪は世界7位、東京は世界10位となりました。日本からは2都市がトップ10入りし、順位では大阪が東京を上回っています。

このランキングは、世界173都市を対象に、安定性、医療、文化・環境、教育、インフラの5分野、30以上の指標で都市の住みやすさを評価するものです。2026年版では、デンマークのコペンハーゲンが2年連続で1位となり、2位にウィーン、3位にメルボルンが続きました。

世界で最も住みやすい都市トップ10


順位 都市 総合スコア
1 コペンハーゲン デンマーク 98
2 ウィーン オーストリア 97
3 メルボルン オーストラリア 97
4 シドニー オーストラリア 97
5 チューリッヒ スイス 96
6 ジュネーブ スイス 96
7 大阪 日本 96
8 アデレード オーストラリア 96
9 バンクーバー カナダ 96
10 東京 日本 96
コペンハーゲンは、安定性、教育、インフラで満点を獲得しました。ウィーンは2024年まで首位を維持していましたが、2025年にコペンハーゲンが首位に立ち、2026年もその構図が続いています。

大阪は5年連続トップ10入り



2026年のトップ10都市を基準に、過去5年の推移を見ると、大阪の安定感が目立ちます。大阪は2022年、2023年に10位、2024年に9位、2025年と2026年は7位。5年連続でトップ10に入り続けています。
2026順位 都市 2026 2025 2024 2023 2022
1 コペンハーゲン デンマーク 1位/98 1位/98.0 2位/98.0 2位/98.0 2位/98.0
2 ウィーン オーストリア 2位/97 2位/97.1 1位/98.4 1位/98.4 1位/99.1
3 メルボルン オーストラリア 3位/97 4位/97.0 4位/97.0 3位/97.7 10位/95.1
4 シドニー オーストラリア 4位/97 6位/96.6 7位/96.6 4位/97.4
5 チューリッヒ スイス 5位/96 2位/97.1 3位/97.1 6位/97.1 3位/96.3
6 ジュネーブ スイス 6位/96 5位/96.8 5位/96.8 7位/96.8 6位/95.9
7 大阪 日本 7位/96 7位/96.0 9位/96.0 10位/96.0 10位/95.1
8 アデレード オーストラリア 8位/96 9位/95.9 12位/95.9 30位/90.7
9 バンクーバー カナダ 9位/96 10位/95.8 7位/96.6 5位/97.3 5位/96.1
10 東京 日本 10位/96
※「—」は、各年の公開PDFに掲載されたトップ10表・変動表では順位と指数を確認できなかった項目です。
※2022〜2026年の各年公開レポートをもとに整理しています。

大阪が東京を上回った理由は「インフラ」と「アクセス性」



大阪と東京は、いずれも世界最高水準の都市です。両都市の総合スコアはともに96点で、安定性、医療、教育ではそろって満点を獲得しています。

順位上の差につながったと見られるのが、インフラと文化・環境の評価です。
都市 順位 総合 安定性 医療 文化・環境 教育 インフラ
大阪 7位 96 100 100 87 100 96
東京 10位 96 100 100 89 100 93
大阪はインフラで東京を上回り、東京は文化・環境で大阪を上回りました。EIUのインフラ評価には、道路網、公共交通、国際アクセス、質の高い住宅、エネルギー、水道、通信などが含まれます。つまり、都市の規模や施設数だけではなく、生活者にとって使いやすい都市かどうかが問われる指標です。

東京は世界最大級の都市圏であり、文化、商業、国際性では圧倒的な厚みがあります。一方で、都市規模の大きさは、移動時間、混雑、住宅コスト、各種サービスへのアクセスといった面で負荷にもなります。

大阪は東京ほど巨大ではありませんが、鉄道網、商業機能、医療、教育、住宅、都市サービスが比較的コンパクトに集積しています。報道では、EIUの担当者が、住みやすさは単なる施設数ではなく、提供されるサービスの質で評価されると説明しています。大阪が東京を上回った背景には、質の高い住宅の供給状況や、都市機能へのアクセスの良さがあると見られます。

アジアでは医療改善が進む一方、中東は安定性が低下

2026年版では、アジア地域の改善も大きな特徴です。アジアの平均スコアは前年比0.3ポイント上昇し、73.9となりました。特に中国の都市では、医療スコアの改善が目立ち、福州、無錫、南京、珠海、青島などが順位を上げています。東京も文化・環境分野の改善により、トップ10に入りました。

一方、中東・北アフリカ地域では、イラン情勢の悪化などを背景に安定性スコアが低下しました。オマーンのマスカットは14ランク下げて123位、クウェート市は12ランク下げて105位となり、テヘランも164位に下落しています。

世界全体の平均スコアは76.1で、前年とほぼ同水準でした。中東・北アフリカの安定性低下と、アジアの医療改善が相殺された形です。

都市の「住みやすさ」は、規模だけでは決まらない



今回のランキングで興味深いのは、世界最大級の都市である東京よりも、大阪が上位に入った点です。

これは、都市の価値が単純な規模や経済力だけでは測れないことを示しています。巨大な雇用、文化、情報、商業機能を持つ東京は、世界都市として圧倒的な存在感があります。一方で、生活者にとっての住みやすさという観点では、都市機能が近く、移動しやすく、住宅や公共サービスにアクセスしやすい都市が高く評価される余地があります。

大阪は、世界的な経済都市・観光都市でありながら、東京よりもコンパクトで、生活インフラへのアクセスが良い都市です。EIUのランキングは、その大阪の強みを国際的な指標で可視化したものといえます。

筆者の目線:大阪の評価は、一夜で変わったものではない



今回の結果は、大阪にとって大きな意味を持つものです。

2000年代前半頃の大阪を知る人にとって、現在の大阪に対する海外評価には隔世の感があります。当時の大阪は、財政難、都市イメージの低迷、停滞感が強く、国内でも決して評価の高い都市とはいえませんでした。

そこから大阪は、厳しい財政状況を行政改革で立て直しつつ、鉄道、都市開発、観光、公共空間、エリアマネジメントなど、地道なまちづくりを積み重ねてきました。今回のEIUの評価は、そうした取り組みが海外の都市評価にも表れ始めた結果と見ることができます。

もちろん、大阪にも課題はあります。文化・環境分野では東京を下回っており、世界トップクラスの都市と比べれば、まだ伸ばせる余地は大きいといえます。

大阪・関西万博の成功を次の成長につなげ、大阪IRなどを通じて観光消費や民間投資をさらに呼び込み、そこで得られるインカムを都市インフラ、公共空間、文化、環境、教育、医療、防災へ再投資していく。そうした好循環をつくることができれば、大阪はEIUの評価で弱点とされる部分を改善し、さらに高いステージを目指せるはずです。

大阪は、単に「日本第2の都市」ではありません。世界基準で見ても、生活の質、都市インフラ、公共サービスが高く評価される都市へと、確実に変わりつつあります。




出典・参考資料

・Economist Intelligence Unit(EIU)「The Global Liveability Index 2026」
・Economist Intelligence Unit(EIU)「The Global Liveability Index 2025」
・Economist Intelligence Unit(EIU)「The Global Liveability Index 2024」
・Economist Intelligence Unit(EIU)「The Global Liveability Index 2023」
・Economist Intelligence Unit(EIU)「The Global Liveability Index 2022」
・Yahoo!ニュース「大阪が世界7位、東京が10位 EIU『世界で最も住みやすい都市2026』関連報道」

※各年の順位・スコアは、EIUが公表した各年版レポートのトップ10表および順位変動表をもとに整理しています。

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